《ビンボー領地を継ぎたくないので、全て弟に丸投げして好き勝手に生きていく》424話「耐スキル」

「いらっしゃいませ。冒険者ギルドへようこそ」

新しい防を手にれた俺は、気持ちを新たに冒険者ギルドへとやってきた。そろそろ、冒険者として活をやってもいい頃合いだと判斷したからだ。

に関しては、今まで通りきを重視するために比較的重さのない軽鎧系統の裝備でまとめており、急所となる部分を守る程度のものにした。

素材はAランクモンスターに分類されるミスリルリザードの皮を使用している。本來ならば、SSランクのモンスターの皮を使いたかったが、スタンリーたちの目もあり、自重してAランクのモンスターに留めておくことにしたのだ。

それでも、俺が魔法鞄に偽裝したバッグから皮を取り出すと、目をひん剝いたスタンリーたちが「どこでこの素材を手にれたんだ!?」とんでいたが、「冒険者にはいろいろあるんだ」と詳しく聞くなという意味を込めて言ってやった。こちらの意図が伝わったようで、それ以上詮索はしてこなかったが、一部の素材を買い取らせてほしいと懇願されたため、売ってやることにした。

それも含めての三千萬ジークという買い取り金額となったが、當のスタンリーはほくほく顔で大金貨がった袋を寄こしてきた。

とにかく、そのミスリルリザードの皮を使って今まで使っていたものと似た軽鎧を作製し、新たな防を手にれることができたので、結果的には何の問題もない。

軽鎧については、心臓を守るチェストプレートに手を保護する革製の手袋、そして脛から足を保護するブーツを新調した。特にチェストプレートについては、人間の急所となる心臓があるため、ミスリルリザードの皮だけでも防力は十分だったが、魔鉱石という鉄の上位の金屬となる鋼よりもさらに頑丈だとされる鉱石を使って補強してあるため、余程の攻撃でない限りを貫かれることはない。

まあ、ロリババアことナガルティーニャの一撃は防げないが、化けを自負する俺からして、規格外と言わざるを得ない奴を基準にするのはいかがなものかと思わなくもない。

といった合に、かなり高能な裝備が出來上がったことで、次は冒険者活をやってみようということで冒険者ギルドに訪れると、さっそくザシカが対応してくれた。

「薬草採取の依頼をけたい」

「ギルドカードの提示をお願いします。……失禮ですが、あなたのランクであれば討伐依頼もけることができますが?」

「しばらく冒険者活をやってなかったからな。勘を取り戻すためにも簡単な依頼をけたいんだ」

「そういうことでしたら、わかりました。では、こちらの依頼などいかがでしょう?」

俺が提示したギルドカードは、幻の魔法を使って偽造してあり、普通の人間には俺がEランクのまだまだ新人の冒険者として判斷されるように細工を施している。そのため、先ほどの俺とザシカのやり取りは特に指摘されるような問題はなく、手続き自もスムーズに進められた。

ザシカが提示してきた依頼は、とある薬師からの依頼で、薬草であればどんなものでも納品が可能という大雑把な依頼であり、報酬金も納品された薬草によって上下があるようだ。

個人的にはこういった依頼の方が有難いので、特に文句もなく依頼をけることにする。そして、冒険者ギルドといえば、テンプレでもある通り先輩冒険者との絡みなのだが、意外にもそういった冒険者はいないらしく、ギルドにってきた時に一瞥をもらっただけで、その後は特に絡んでくるような様子は見せなかった。

し寂しいような臺本通りじゃないと文句を言いたくなるような衝に駆られたが、平和が一番であるため、依頼をける手続きを完了させた俺は、すぐに都市の外へと出掛けた。

「さて、今回は検証も含まれてるからな。上手くいくといいんだが」

今回の目的は久々の冒険者としての活を行うだけではなく、かねてより懸念事項となっていたが先送りにしていた案件に手を付ける機會がやってきた。その懸念事項とは【耐スキル】である。

前世でファンタジー小説を読んだものの中に、圧倒的な能力を発揮して無雙する主人公がいたが、とあることがきっかけで人攫いに拐されそうになるという描寫があった。その原因となったのが、主人公が耐スキルを所持していなかったことだ。

特に毒に対する耐がなかったことで、毒矢のようなものをけてしまった主人公がけなくなってしまうという事案が発生してしまい。危うく拐されかけてしまうところだったのだ。

そういった容の小説を読んでいたため、この世界でも耐スキルを修得しておくべきだという思いはあったものの、どうしても戦闘系や耐以外のサポートスキルの充実に時間を取られ、結局今の今まで耐スキルに関してはまったくの手付かずという狀況になっていた。そこで、今回いい機會ということで耐スキルを手にれることにしたのである。

「とりあえず、薬草を採取していこうか」

まずは依頼の達を優先すべく、舊王都の近くにある近隣の林や森に繰り出し、様々な薬草類を採取する。薬草は怪我を治療するポーションの材料から頭痛や熱などの軽い癥狀の病気に効果があるとされるものまで幅広く自生している。そこには、薬草だけではなく當然ながら毒草の類も自生しており、比率としては毒草の方が多い。

「さて……いくか。はむっ、うっ……」

毒耐スキルを手にれるには、自が何かしらの毒に侵されなければならない。解析スキルを使い、比較的毒の弱い毒草をチョイスして極量口に含んだ。それでも、耐のない狀態ということもあってか、倦怠と針で刺したようなチクチクとした痛みが襲ってくる。だが、口にしたのが量ということもあってか十數分続いた癥狀がすぐになくなった。

「ふう、なかなかにハードだな。どれどれ……」

それなりの苦行を行ったのち、改めて解析で能力を調べてみると、期待した通りの結果が表示されていた。

【名前】:ロラン(ローランド)

【年齢】:十三歳

別】:男

【種族】:人間

【職業】:元領主の息子・冒険者・大賢者の弟子(依頼屋・SSランク)

力:1460000

魔力:2020000

筋力:SSS+

耐久力:SSS+

素早さ:SSS+

用さ:SSS+

神力:SSS+

抵抗力:SSS+

幸運:SSS+

【スキル】

超解析Lv8、闘気Lv8、作Lv8、魔道の極意Lv8、共通魔法Lv7、自然魔法Lv6、混沌魔法Lv7、転換魔法Lv6、

戦闘Lv7、並列思考Lv7、全長率上昇Lv7、分離解・改Lv8、超威圧Lv6、無機生創造Lv6、家事全般Lv8、

錬金・改Lv7、鍛冶・改Lv8、寶飾・改Lv7、パラメータ上限突破Lv2、限界突破Lv7、毒耐Lv1(NEW)

【狀態】:なし

日々の努力の賜なのか、力と魔力、それに各スキルのレベルが上昇しており、今までと比べれば長の速度は緩やかだが、確実に強くなっている。一番の懸念點は各パラメータの度合いに関係する【パラメータ上限突破】のレベルが上がっていないところだ。

今の狀態が打ち止めということでもないはずなので、おそらくは何かしらの條件があると見ているのだが、未だその條件を満たしていないようで、パラメータの値がSSS+で止まってしまっている。

肝心の耐は問題なく覚えられたようでよかったのだが、これを上位スキルまで育て上げるためにはより多くの毒を摂取しなければならないと思うと、憂鬱な気分になってくる。これこそ、本當の意味での毒見役ではないだろうか。ただし、口にするのは正真正銘100%の毒なのだが……。

それから、休憩を挾みつつしづつ毒草を口にしていき、毒自の強さも毒の強いものへと変えていく。すると、気が付けば毒耐のレベルが8まで上がっていた。

「うーん、さすがにこれ以上は続けられないな。毒草で腹が膨れるなんて、どんな拷問だ」

毒とはいえ草や茸を口にしているので、當然それは胃に溜まっていく。これ以上は詰め込めないため、できる限り早めに消化してくれと祈りつつ、し張ったお腹をさすりながら、し休憩したあとで、戻ることにした。

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