《ウイルター 英雄列伝 英雄の座と神代巫》308.傀儡
のぞみたちが石像と戦している間。
ハークストによって選定された四人の心苗は、學園のある、一軒家式の寮へと派遣されていた。ここに、ハッカーがを隠しているという。
同時刻、イールトノンの中央報中樞センターでは、グラーズンが席に戻り、狀況を把握していた。蘇《ソ》はダンジョンのレーダーマップに注視していたが、今のところ、のぞみたちが石像と戦するのを見守ることしかできない。
怒り心頭のグラーズンが、誰にともなく吠える。
「ハッカーが捜査班の一員だったとは、一どういうことだ!?」
源紋(グラムクレスト)の測定により、ハッカーの正はサイバスチャン・ロヴァートであることが判明した。捜査班として未來からの暗殺者を追い、行方知れずとなっていた『尖兵(スカウト)』の心苗だ。
「ラメルスは?」
「ラメルス副部長は現在、イトマーラにおりません。心苗魔人化け事件の真犯人を摑むため、『尖兵』八名とともに現場へ向かっています」
副部長は複數の案件をけ持つことが常態化しており、當然、大事件が同時に起こる場合もある。
「奴はいつもこうだ……」
アーリムはいつも、自の扱う事件の犯人を自ら逮捕するため、積極的に現場へ足を向ける癖があった。そのため、トラブル発生時に本人が本部にいないということが多々起きる。それでもこれまでは、確実に事件解決という手柄を立ててきたアーリムに、グラーズンは苦言を呈することがなかった。
だが、今は事が違う。義毅《よしき》との話を思い出し、グラーズンは苦々しくじながら、イーブイタの報告を聞く。
「ロヴァート本人は未確認ですが、派遣されたチームが、先ほど現場に著いたと報告をけています」
「いつも拭いをさせてすまないな、ハークスト」
「責任追及は後です。今は目の前のことに立ち向かいましょう」
ハークストの言葉に、グラーズンは怒りを抑え、改めて指示を出す。
「うむ。イーブイタ君、まずはロヴァートと同じ捜査班の七人の捜査権を停止し、次の指示まで待機するよう伝達。その後の彼らの行にも見張りを付け、異常があれば報告しなさい」
「分かりました」
「慎重ですね?」とハークストが訊ねる。
「ロヴァート一人の謀反か、他に共犯者がいるのか。彼の機も不明だ。捜査班のメンバーを別の『尖兵』に変えるしかあるまい」
サイバスチャンと同じ捜査班には、マイユたちがいる。まだハッキングを犯したのがサイバスチャン本人と決定したわけではないが、一時的に他の七名の権限を制限し、不要なきをさせないことも大切だろう。個々の取り調べが必要かなどは、サイバスチャンを確保した後に考えればいいことだ。
グラーズンは、マイユたちの代わりに未來から來た刺客を追跡するメンバーを選定した。
その時、ハークストが派遣した心苗たちの聲が通信で聞こえた。
<ハークスト先生、私たちは今から、現場を包囲、攻撃を仕掛けます>
「サイバスチャン・ロヴァートの柄確保を優先してください」
<了解しました>
現場のリーダーが前門のり口を背に立ち、門を挾んで反対側にいたし若い男子心苗が通信を続ける。
<気配はじられますが、妙に靜かです>
「Bチーム、間合いを合わせ、同時に攻撃を開始してください」
<了解です!>
一軒家の後方、庭側から、別の男二名が敷地にった。前に立つ小柄ながゆっくりと歩いている。彼は謎の金屬棒を持ち、傘の骨のように展開した。そこに源気を注いでいく。のバリアが三倍にも広がった。
後ろを任された男は、バスター砲機能の付いた大剣を翳している。
<1、2、3!……>
チームリーダーのカウントに合わせ、前門の二人がき出した。
ドカン!と音が響き、エネルギーの柱が屋から庭に向かって照された。庭側にいた男二人が直撃し、発に巻き込まれる。
先制攻撃を食らった彼らだが、幸い、の展開していたバリアのおかげで、攻撃は分散されていた。煙が薄れると、盾からV字に分かれるように、エネルギー波は庭を焼き焦がし、巨人が線を引いたような跡が殘っている。あれほど膨大なエネルギーが直撃照されていたら、このエリア全に甚大な被害が起こっていただろう。
その時、破壊された一軒家の壁の中、二階の部屋に、戦車のように大きな戦闘機元《ピュラトファイター》を搭載したサイバスチャンの姿が見えた。
「こいつ、気が狂ったか?!」
サイバスチャンは戦闘機元から八つの黒いを投げ出した。10センチほどのそれは、連鎖的に発し、庭のあちこちから火の手が上がっている。発によって窪地ができたり、土が巻き上げられたりと、地面の凹凸が激しくなっていた。
男子心苗が大剣を振るった。剣はバスターモードに変形し、グリップを右手で持ち、銃を左手で支えた。そして、手から源を注ぐと、サイバスチャンを牽制するように、三発の弾を発砲し、反撃した。
彼らの様子を、イーブイタが冷靜に報告する。
「包囲攻撃チーム、ロヴァートと戦中。彼は抵抗している模様です」
「異常ですね。私の知るロヴァート君は、大人しく、忠実に任務遂行に當たる優秀な『尖兵』ですが」
映像を見ながらハークストが言った。
ロヴァートの狀況も気になる蘇が、ハークストに頷く。
「行方不明となっていた間に、何かあったのかもしれない」
「ソ、カンザキノゾミたちの様子はどうだ?」
グラーズンに訊かれ、蘇は現狀報告を行う。
「柱の間のり口の橋で、石像ガードと戦中です。リュウたちが現場に向かっていますが、改ざんされたプログラムの魔獣に進行を邪魔されており、カンザキさんたちとの接まではまだ時間がかかります」
「よし。柱の間にる前なら、まだ救う手立てはある」
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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