《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》

そんなこんなで寶庫に連れてこられた私、武を見繕うなら領主邸の中の方がいいだろうという事らしい。

「なんで武庫じゃないの?」

「あそこは數打ちのしかないので」

「なるほど」

量産目的の品しかないからどれも大差ない、それもそんなにいい能ではないという事か。

ならば寶庫なのも納得……なのかな?

「剣はこちらに」

されている寶庫だけど、外は大したセキュリティじゃなかった。

無理やり開けようと思えば開けられる程度の、まぁそこそこ頑丈そうな扉一枚と見張りが二人、寶を守っていると言えるのかと思ったけど中にって納得した。

迷路のような複雑な作りになっているのだ。

それに道中罠がいくつか仕掛けられているのも確認できた。

部の詳細を知っているのは領主一族のみです。はぐれない用にしてください」

「はいはい、まぁ問題ないけどね」

「え?」

一度打ち負かしたから荷重順になったアリヤだけど、こんな場所で完全に信頼するのは無理。

だから會話のついでに音の反響で部を勝手にマッピングさせてもらった。

たしかに向かっているのは寶剣とかの類が置かれている場所みたいだけど……。

「ちょっと寄り道しましょう。こっちね」

「あ、ちょっと」

「いいからいいから」

分かれ道を曲がって行き止まり方向に向かう。

が、ここに妙な気配をじたしエコーロケーションでは剣の形狀をしたに布がかけられているのがわかっている。

「これかな?」

炎や電機が飛び出す仕掛けを無視して布をめくると針が飛び出してきた。

けど面倒なので眼球でけて、地面に落ちる前に舌でキャッチしてから飲み込んでおく。

む、これはフグ毒……味しい!

「あなたは本當に人間なのですか……?」

「何度も言ってるけど人間よ?」

アリヤは疑い深いなぁ。

ともあれ、手にしたのは確かに剣だったんだけど……。

「錆びてますね……隨分古そうですが」

「そうね、ちょっと待ってなさい」

剣を手に、刃をの奧まで突っ込む。

そして錆だけを消化してから引き抜いた。

白銀に輝く刃、見ているだけで吸い込まれそうになるこれは妖刀……こちらの流儀に合わせるなら魔剣の部類だろう。

「アリヤ、どう思う?」

「……」

「ていっ」

「ぶぐぁ!?」

られてたようなのでデコピンで正気に戻す。

まるで頭蓋骨が陥沒したような悲鳴だったけど、けとして醜い聲は聞こえなかったことにしてあげましょう。

「いきなり魅られてたけど大丈夫?」

「どちらかというとダメージが大丈夫じゃないです……」

「なら大丈夫そうね」

「話を聞いて……」

なんだかんだ、痛みで気を紛らわせているなら問題ない。

本當にやばいものは痛みくらいじゃ正気に戻れないのだ。

刀君がその類に魅られた時はまぁ……辰兄さんが7回死にかけた。

それに比べたら幾分か話の分かる魔剣らしい。

「ねぇ、この子の武になってくれるなら今は食べないでおいてあげるわよ」

「なにを……」

「黙ってなさいアリヤ、今はこれと話してるの。どうする?」

『……すでに死んだも同然のだった。今更その程度の脅しなど』

「じゃあもう一つ條件追加、この子の武として活躍するなら今後凄く沢山の相手を斬れるわよ。メインは悪魔だと思うけど」

『本當か?』

「うん、噓だったら私の心臓を刺し貫いてもいいよ」

『ならば一時、そこの小娘の剣として振るわれることを認めよう』

「だって、よかったねアリヤ」

ぽん、と剣を渡したがアリヤは茫然とした様子だ。

魔剣とかの類って歴史が長い分石を持っていたりするのが普通だけど……あ、こっちじゃ付喪神ってめずらしいのかな?

「アリヤ?」

「ひゃ、ひゃい!」

「大丈夫?」

「だ、大丈夫じゃないです……人語を理解する、ましてや會話が可能な剣など……」

「そんな珍しくもないけど? 近な例だと私の家は喋って歩いてるし、お隣さんの飼ってるわんこも喋るし、近所の公園を縄張りにしてる巨大貓も喋るわよ。あとうちに置いてある包丁も意志を持ってる」

「……人外か人間かという以前に常識が別ものだと理解しました。本當に異世界人なんですね」

「まぁね。この程度日本じゃ日常茶飯事よ」

「恐ろしい所なのですね……日本……覚えておきます……」

ぷるぷると震えるアリヤだけど完全に心が折れたのか、敵愾心みたいなのは全くなくなった。

さっきまでは悪戯程度でも罠に引っ掛けてやろうかって気配がじられたけど、今じゃそれもない。

あまり懐かれても困るけど、後ろから切られるよりはましかな?

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