《小説家の作詞》『外へ』
ホントに暑くてたまらない
汗が滲んで気が滅る
ラジオの文句を聞きながら
夏の空に向かって走った
口に氷を放り込んで
誰もいない田んぼ道まで
今日は何に會えるかな
それが君ならいいな
そうだ、この時間は
君は家に捕まっている
さぁ外に出よう
何もかもを放り出して
誰かに怒られたりしても
僕らには関係ないから
さぁ空を見よう
星が夜に騒ぎ出して
流れていく星に願って
僕らの夢を見よう
ホントに寒くてたまらない
指が軋んで背が凍る
こたつでみかんを食べながら
思い出でも語ろう
都會からやってきた君は
僕にとって遠い存在で
でも會ってみたら
僕と何も変わらない臆病者だった
君が自由じゃないことを知ってから
僕は君を連れ出すために
忍者になったりもしたね───
そうだ、この時間も
君は家に捕まっている
さぁこの手を取って
いつかの約束を果たすために
海に連れて行くから
さぁ外に出よう
何もかもを放り出して
大人に怒られたりしても
一杯無視しよう
さぁ空を見よう
雪が目を覆い隠すから
手だけばして
自分だけの希を摑もう
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