のぞみたちが柱の間にったおよそ三分後。

サイバスチャンと四人の『尖兵(スカウト)』の戦は続いていた。

庭側にいた大剣を持つ男子心苗は、スーツの背とブーツに裝した源気(グラムグラカ)反転アクセルブースターで宙を飛び進む。一方のサイバスチャンは、搭載している戦闘機元(ピュラトファイター)の、接近戦に対応するステークアームをばしてその攻撃をけ止める。

サイバスチャンの隙を突くように、男は二度目のバスター砲攻撃を仕掛けた。

だが、戦闘機元が展開したバリアにより、弾は弾かれる。

男がサイバスチャンの注意を引きつけている間に、庭側で待機していた小柄な『尖兵』は、盾をさらに変形させ、傘の柄の部分に當たるパーツが裝するグレネードでサイバスチャンを狙い撃つ。

「止まって……！」

グレネードが発し、赤い煙幕が上がった。サイバスチャンは煙幕の刺激質にやられたのか、激しくむせ、涙や鼻水も溢れだしている。

男が三度目のバスター砲を撃った。

サイバスチャンは戦闘機元を浮かばせて中空への退避行を取る。

そして戦闘機元を跳び離れると、それらは分解し、アーマーパーツに変化した。サイバスチャンはパーツを組み立てるようににつけていく。

アーマーパーツのおかげで、生で空を飛ぶことすら可能になったサイバスチャンは、手足を一度こめてから、強く投げ出す。そのきに合わせて、機元(ピュラト)裝甲からレーザービームがされた。

大剣の男は機敏なきで距離を取り、ビームを避ける。

「……さすがは『尖兵』資格保持者。そう簡単には近付けないか」

は盾の下にを隠しながら、上空のサイバスチャンを見上げた。

「あははははははは！！！！！うるさい小バエども！死ねぇ！！」

サイバスチャンの首や頬には管がビキビキと強く浮かんでいる。狂気の中にある彼は、右腕の機関砲武裝を使い、源気の弾丸を二人に浴びせた。

庭の二人がサイバスチャンを引きつけている間に、リーダーともう一人の若い男が、スーツのパーツを使って宙に浮き、背後を取った。そして二人は銃の長いバスターランチャーに源気を集め、撃つ。出された弾が、サイバスチャンの背中にカラーボールのように付著する。ネバネバした紫のが機元裝甲の機能を無効化し、サイバスチャンは飛行能力を失い落下し始めた。

リーダーの男が墜落するサイバスチャンに近付き、水晶化したダブルランサーを長くばして彼を打つ。

「大人しくしろ！！」

その一撃でサイバスチャンは意識を失ったまま地面に激突した。ネバネバので自由を奪われてはいるものの、安心はできない。三人は距離を取ったまましばらく見ていたが、十數秒経っても大きなきはなかった。

リーダーは気を引き締めたまま、本部に連絡を取る。

「こちら、ヘーラ小隊。し手間取りましたが、サイバスチャン・ロヴァートを制圧しました」

＜イールトノンに連行してください＞

「了解しました。ロヴァートを拘束します」

落ち著いた様子のサイバスチャンに、四人が近寄る。

突如、サイバスチャンの目が大きく見開かれた。彼は発狂したように雄びのような笑いを響かせる。粘著できを封じられてはいるが、源気の強度が異常な勢いで上昇した。

「アッハハハ！！滅べ！全て滅べ！！！」

サイバスチャンが妖しげなを帯びているのを見て、一人がんだ。

「隊長！源気數値がデータ値を數倍に上回り、さらに上昇しています！」

「まずい！総員待避だ！！！」

次の瞬間、サイバスチャンは自の源気の限界を突破した。最大限に集中していたエネルギーは一気に放出され、恐ろしいとともに発が起こった。

直後、直徑２０クルものキノコ雲が浮かんだ。機関が結界を作っていたため、被害は最小限に抑えられたが、サイバスチャンの寮は壊滅狀態で瓦礫が散らばり、空圧は半徑２クル圏に屆いて樹木を強く揺らした。