《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》裝備揃えるの楽しいよね!

アリヤのメイン武は手にった。

長らく放置され、炎や雷が発生する罠の奧深くにあったからかこしらえ等はボロボロになっているのでそれなりの調整は必要だとしてもだ。

なんというか……こう、檻を作るように仲も外も焼き盡くす系だったけど剣は錆びるに任せてボロボロになっていくだけ、魔法の効果をけないような類に見えた。

だからアレは手をばした人間の末端を焼き盡くす類だというのはわかる。

というかたぶん伯爵位程度なら悪魔も消し炭にできる威力をめていた。

まぁ、火口遊泳に比べたらぬるかったし、本の雷直撃に比べたらピリッとするだけだったけど。

ともあれ武は手にれたがこれで終わりではない。

「じゃ、予備の武と防も探しましょうか」

「予備の武はわかりますが……防はあまり好まないのです」

「ダメよ、何も敵からの攻撃をけるだけが役割じゃないんだから」

「はぁ……」

「武を振るという事を言いかえるとどうなると思う?」

「えっと……相手を殺傷せんとする行為、でしょうか」

「それもあってるけどもっと本的な、それでもって子供でも分かりやすい言い方」

「すみません、わからないです……」

悔しそうな表を浮かべながら小さくうつむくアリヤ、なんだろう、今まであったことのないタイプ。

凄く素直で、れてるところも無くて、認めた相手には従順な……大型犬みたいな?

一時期実家で飼っていたゴールデンレトリバーの虎次郎と同じじがする。

「金屬の棒をの塊と骨にぶつけるために振り回す、よ」

「はぁ、極論はそうかもしれませんがそれが?」

「じゃあもう一つ條件を追加、相手が鎧を著ていたらどういう言い回しになる?」

「えっと、その例に倣うのであれば金屬の板に金屬の棒をぶつける、ですか?」

「正解。つまるところご立派な剣と鍛え上げた腕があったとしても疲れるの。それに同じさではなくとも何かを斬ろうとするなら反があってしかるべし。更には金屬の棒を振り回すというのは関節に負荷がかかる」

要するに自傷を防ぐために必要なのが防という事。

それなりの、練者ともいえるような人ならば自分の剣で手とか足を傷つけるような真似はしない。

けど、どんなに鍛えても武を使う以上反によるダメージや構えによる疲弊は免れない。

私だって拳銃一丁構えるにしても半月も続けろと言われたら疲弊してくる。

もっと軽いナイフならその倍は行けるだろうし、そもそも使い方をほとんど知らない剣なんかなら適當な構えになるから時間が読めない。

だが防があれば、例えば腕鎧なら肘関節くらいは守ってくれる。

構えるにしても腕の負荷は減る。

逆に重量が増えるから肩を痛めやすくなるが、そこはまた別の防で補えばいいのだ。

「だから、関節なんてのは全鎧だろうが意外と簡単に貫けるほど弱いの。そこをフォローするための防よ」

「なるほど……考えたこともありませんでした」

「まぁ速攻で相手を倒して、速効でを休められる環境にいたらそうなるでしょうね」

なおこの手の防々デメリットもあるので使いどころは注意が必要だ。

アリヤのような速攻で相手を斬り伏せるスタイルならその機敏を殺さないようなものが好ましい。

今後長旅になることを考えて肘や膝だけを守るプロテクタータイプの方がいいかもしれない。

私はゲームで言うならアサシンとかの類なので防を好まない。

真にこの手の裝備を持たせるべきは純正アタッカーと呼べる刀君か、兄妹の間ではタンク扱いされている辰兄さんくらいだろう。

だがあの変態は痛みを快楽に変えるので防ぎ捨てるだろう。

そして相手を口説き始めて、諸共アタッカーの私達が蛸毆りにするのだ。

幾度となく使われてきた手法だが……意外と効くのよねこれ。

まぁ今回は私が回避盾として前に出つつ、アリヤに油斷してる相手を切り捨ててもらうべきかしらね。

「で、予備の武はどんなのがいい?」

「そうですね……剣か槍、さもなくばナイフなどでしょうか」

「結構々使えるのね」

「えぇ、槍は狩りに出た時や漁で使い慣れてますから。ナイフに関しても獲を捌いたり解したりするのによく使っていたのでどこに刃を立てたらいいか知ってます」

「なるほど、海のは強いのね」

「でなければ荒くれ者共をに敷く妻にはなれませんよ。夫の帰りを健気に待つなどというのは幻想、漁に出てる夫の愚癡を言いながら素潛りで貝を集め、手頃な魚を捕まえ、獣を追いかけまわし、夜にはそれらをつまみに酒を飲み合う。それが港町のです」

「ワイルドねぇ。でもその晩酌はご一緒させていただきたいわ」

「ダメです、食べつくすでしょう?」

「……本當にダメ?」

「ダメです!」

……しょぼん。

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