《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》第五話 ハーコムレイ

皆と別行になった。

ナナは、フェムサリムの実家に顔を出して、王都との狀況を確認したあとで、こちらの狀況の説明を行うようだ。あとは、宿屋の質を知っている為に、狀況次第では神殿の中に宿屋を作ってもらう提案をすると言っていた。

リカールは、先ぶれをアッシュの所に出してから、王都の顔馴染みを回るようだ。集合場所は、フェムサリムの実家に決まった。

久しぶりに訪れた王都を一人で歩いている。

アッシュの所には、リカールが報を流しているはずだ。許可を求めてきたので、リカールが知っている容なら流しても大丈夫だと伝えてある。

奴隷商の場所は覚えている。

前回は、馬車で移したが、歩いていると王都の広さを実する。

マヤとミトナルは大丈夫かな?

ナナと一緒にいるから大丈夫だとは思うけど・・・。俺も、フェムサリムの実家に行けば良かったかな?

パシリカの時に、王都に來た時には命を狙われていた。

多分、俺は死んだことになっているだろう。

広い王都で、俺を知っている奴に會う可能は・・・。

豪華な馬車が目の前で止まった。

おいおい

本當かよ?

「リン・フリークス。乗れ」

いきなり、ハーコムレイに絡まれた。

「いえ」

「いいから乗れ!」

乗ると言うまで言い続けそうだ。

「わかりました」

周りの視線が集まる前に馬車に乗り込む。

「リン・フリークス!」

「はい。ハーコムレイ様?」

「はぁ面倒な問答は必要ないな」

「はい?」

貴族的な禮節を言っているのかもしれないけど、そもそも、貴族らしい會話なんて俺がわかると思っているのか?

日本でも底辺の底辺だし、リン・フリークスとしても、確かに母親の分は高かったらしいけど、俺は産まれも育ちも辺境の寒村だ。貴族的な話ができると思われても・・・。無理だ。セバスチャンには、覚えてもらうとは言われているけど、多分・・・。無理だ。

「ルナは元気か?」

「は?」

「だから、ルアリーナは元気なのか?」

「え?あっ。元気ですよ。スキルを使って楽しそうに訓練をしていましたよ。それに、眷屬を連れて、魔の森で魔の討伐をしていますよ」

「は?リン・フリークス。ちょっと待て」

「なんでしょうか?」

「ルナは、スキルを持っているのか?」

「え?そこからですか?」

「貴様。ルアリーナに何をした!」

急に怒りだしても意味が解らない。

俺が困っていると、ハーコムレイの従者が一人、主人と俺の話に割り込んできた。

「ハーコムレイ様。フリークス殿には、意味が伝わっていません。私が代わりに説明してよろしいでしょうか?」

「ん?そうか、頼む」

従者だと思っていた人は、護衛の一人だと言った。名前は、名乗らない方針の様だ。

貴族の常識として、神から頂いたスキルは、よほど親しい人でないと”教えない”のが常識らしい。

ハーコムレイも教えられていなかったルアリーナのスキルを俺が知っている。ルアリーナが俺に教えるはずがないと考えて、俺がルアリーナに無理矢理にスキルを言わせたと考えたようだ。

親しい者でもジョブを告げるくらいで、スキルは匿するのが貴族の間では常識だと言われた。

知らないことで怒られても気分が悪い。

「そういう事ですか・・・。ハーコムレイ様の妄想です」

「貴様!」

「ハーコムレイ様。しだけ黙っていて頂けますか?」

護衛が、主人に突っ込みをれている。

いいのか?

ハーコムレイが黙った所を見ると大丈夫なのだろう。

「フリークス様。ルアリーナ様は、従屬のスキルを持っているのですか?」

「え?従屬?」

「はい。有名なジョブでは、テイマーがあります。彼らは、従屬のスキルを使って、魔を屈服させて、眷屬にします」

「え?そうなのですか?」

「違うのですか?」

「リン・フリークス!ルアリーナに何をした!」

俺に摑みかかろうとしている勢いの護衛が制している。

「わかりました。説明します。しかし、他言無用でお願いします。もし、お約束をいただけないのなら、どこかで口をらせて、知っている人のスキルをしゃべってしまうかもしれません」

「・・・。わかった、マルケスもいいな」

護衛の人は、マルケスというのか?

ハーコムレイから言われて、頷いているから大丈夫なのだろう。

実際には、誰に知られても困るような話ではない。

俺と同じようなことができるとは思えない。

俺が自分のジョブの権能を使って、魔を眷屬にする。

眷屬にした魔が、群れのトップだったので、群れがそのまま俺の眷屬になった。トップと數匹に名付けを行って、結びつきが強くなった。

そして、群れの中から、俺の仲間だと思える者たちの眷屬になってもいいという魔と面談をした。

が名前をれたら、契約立で眷屬となる。

一連の流れを説明した。

護衛のマルケスは驚いた表をしている。

対照的に、ハーコムレイは苦蟲を數十匹まとめてかみ砕いた様な表をしている。

「リン・フリークス」

「なんでしょうか?」

「お前の説明は理解が出來ないが納得しよう。お前の方法なら魔を確実に眷屬にできるのか?」

「わかりません。今のところ、失敗はありません。魔側に承諾を強要していないので、失敗もあるとは思います」

「そうか・・・。ちなみに、ルナ。ルアリーナは、どんな魔を眷屬にした?」

「たしか・・・。ホワイト・スコルとガード・カーバンクルだったと思います」

「ん?すまん。もう一度頼む。災害級の魔の名前と希な魔の名前が聞こえた」

聞こえているよね?

まぁ別にいいけど・・・。

「スコルの変異種であるホワイト・スコルと、カーバンクル種の上位種になるのかな?ガード・カーバンクルです。スコルは、白魔法を使います。カーバンクルは、結界魔法を使います。ルアリーナ嬢は、眷屬と連攜を強めながら魔を討伐しています」

二人は、唖然としてしまった。

「リン・フリークス。スコルが災害級の魔だと理解しているのか?」

「そうなのですか?可いですよ?」

「可い?」「可いだと!?」

「はい。呼び出しますか?」

「まて!リン・フリークス。召喚ができるのか?」

「えぇルアリーナやギルドのメンバーはまだ出來ませんが、俺は召喚が出來ます。名付けをした眷屬だけで、眷屬側が召喚に承諾した時だけですが・・・」

「リン・フリークス。お前のジョブ・・・。いや、いい。忘れてくれ、召喚は必要ない。話は解った。ルアリーナは元気なのだな」

「はい。アデレード殿下と一緒に神殿の生活を楽しんでいます」

「そうか・・・。殿下も一緒だったな。リン・フリークス。ちなみに、アデレード殿下にも眷屬は?」

「もちろん。最初に、眷屬がしいと言い出したのは、ルアリーナ嬢とアデレード殿下です」

「わかった。ちなみに、アデレード殿下は、どんな魔を眷屬にした?」

「スコル種と・・・。あぁ思い出した。キラービー亜種の、シャドー・ビーですね。確か、シャドー・ビーは進化して、今は違う種族になっていると思います」

「スコルはデフォルトなのか?」

「なんか、護衛と玩目的に丁度いいとか言われてしまって・・・。眷屬たちも、喜んでいるので拒否が難しかったです。ダメですか?」

「ダメじゃないが・・・。おい。マルケス。お前は、スコルと対峙したらどうする?相手は、一で群れからはぐれただ」

「え?逃げますよ。逃げられれば、ラッキーですね。一人で対峙したら、死を覚悟します」

え?

アイルたちと遭遇しただけで死を覚悟する?

俺の認識と違いすぎる。

「リン・フリークス。何を驚いている。スコルは災害級だ。お前の認識が異常だと覚えておけ!」

ハーコムレイが何か言っているが、無視して護衛のマルケスに質問をする。

「マルケス殿。ちなみに、フェンリルと対峙したらどうしますか?」

「フェンリルと言いましたか?」

「はい。正確には、名付けして、進化したフェンリルです」

「・・・」「・・・」

「あっ。やっぱり、普通のフェンリルでいいです」

「同じだ!バカ者!」

外まで聞こえるような聲で、怒られてしまった。

それから、フェンリルだけではなく、スコルやキラービーの危険をクドクドと説かれた。

途中で、マルケスが気を利かせて目的地を聞いてこなければ、まだ説教をけていたかもしれない。

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