《コミュ障だけど転生したし、なんだかいけそうな気がします!!》王國の過去

「當時の王國は派閥爭いによる部腐敗がものすごいことになってました」

「派閥爭い?」

貴族達の派閥爭いってよく聞く話だけど、王國でもあったんだね。

「ストリーフ王國は二つの大國に接しています。リィアさん達も行ったことのあるセパレティア帝國とラキトピア皇國です」

「帝國派と皇國派に別れてたんだね」

「はい、軍事國家であるセパレティアと組んで國の安全を確保するか、セパレティアに対抗するためにラキトピアと組むか、それは今の王國でも沢山議論されています」

「ラキトピアとセパレティアは仲が悪いの?両方と仲良くすればいいんじゃない?」

あ~、表向きは友好的でも國と國の間で何かしらの問題はあると思うんだよね

「現在はその方法を々試しているところです。それで、話は戻すんですが、お兄様との婚約でどちらかの國と強く結びつきを得ようとしたんです。セパレティアにはちょうど年の近い皇様がいて、ラキトピアにも聖様のご息がいましたからね」

それって、ネフィスさんとジェシカさんのこと、だよね?

二人も政治利用されようとしてたんだ……

そう聞くとなんか複雑な気持ちになる

「當時はどっちの勢力の方が強かったの?」

「それはわかりません。どちらも昔からいますからね。というか今でもセパレティア派とラキトピア派と中立派の三つですよ。なんなら私の婚約にも々言ってくるのでほんとにどうにかしたいんです」

さすがに國単位の問題には私じゃどうしようもない

「王様はどっち派だったんですか?」

「歴代の王族はどっちかの派閥に影響されていたのですが、最近は中立派です。お兄様がヴィー姉様と結ばれたのもお父様のおかげなんです。ただ、お父様でもどちらかの派閥をいきなり否定はできませんからね。々と苦労されたみたいです」

王様も大変だね、私には絶対できないよ

自らの選択で多くの人の人生を変えちゃうんだもんね、責任重すぎて絶対無理

「當時のお兄様もそれには気づいていて、國のためにどうしたらいいのかすごく悩んでいました。それなのに私は何もできなくて……そんなときにヴィー姉様が私に相談してくれたんです。お兄様と別れたくないって」

そっか、元々王子様と婚約していたんだもんね

「二人は好き合ってたんだよね?悩む必要なんてないと思うけど」

「當時のお兄様は素直に気持ちを伝えるのが下手でした。私に対しては多マシでしたけど、それでも今と比べになりませんでしたよ」

へぇー、意外!昔からユーリちゃんを溺してるのかと思った

「それから私はヴィー姉様とお兄様が結ばれるために々しました。それからです、私がわがままになってしまったのは」

「わがままな自覚はあったんだね」

「そうじゃないと王なんかやってられませんよ」

多分王族含めてユーリちゃんに対して厳しくする人はあんまりいないんだろうなぁ

「とにかく、私はお兄様にヴィー姉様以外認めないって言ったんです。これならいくらお兄様でも変な気は起こさないと思ったんですけど……結果は最悪で、お兄様と喧嘩になってしまったんです」

「え!?どうして」

「結婚というのは簡単なものではないんです。ただの約束事ではなくれっきとした契約、つまりそれだけ信用できるものなんです。お兄様は私に気持ちを打ち明けてくれました」

私もルーナちゃんと永遠の契約をわしたからわかるけど、これほど安心できるものはないよ。どんなことがあっても私はルーナちゃんに盡くしたいって思うもん

「もしお兄様が皇様か聖様のどちらかと結ばれれば、それだけで戦爭の可能を減らし、多くの人が救われるかもしれない。それだけではなくて、國の流が活発になれば國がかになるとも言ってました」

そうだよね。どっちと結婚しても戦爭の可能はほぼなくなる

なくとも王國が孤立することは確実になくなるから安心できるよね

「ありえなく無いですか?私もうその時は本當に怒りました。する人ひとり幸せにできないのにどうやって國民を幸せにするのかって。ヴィー姉様の気持ちはどうなるんだって、結局話は平行線でした」

王子様は王族として正しいことをしようとしているのに対してユーリちゃんは人として正しいことをしようとしているからぶつかり合っちゃってるんだ

「あたしは斷然ユーリに賛だよ」

「側室とかそういう話はなかったんですか?」

「ありましたけど、誰が正妻になるかでまたもめることになるのであまり考えられてませんでした。というか私はそれでも許しません」

位の優劣をつけたらそれはそれで問題が起きちゃうよね

「そんなとき、神様が現れたんです」

お、ついにロミス様の登場ですね

「神様が現れたってどんな姿とか覚えてますか?」

「いえ、聲を聞いただけです。最初はただの夢かと思ってましたが、妙に現実味があったことを今でも覚えています」

願い事は言えないということだったけど、ここまで話してくれたら予想はつく

「それで神様にお願いしてからどう変わったの?」

「劇的に変わったわけではありませんが、お父様がいてくれたんです。三國間の問題は三國間で決めるべきだということを宣言しました。そして実際にセパレティア帝國で會談が行われました。そこには私も行ったことあるんですよ」

なるほどね。その會談のおかげでどちらかと強く結びつく必要がなくなったわけだ。

「元々脅威になる國はお互い以外にアドレントや諸國連合などし距離のある國ですからね。ラキトピア、ストリーフ、セパレティアが爭う理由はないんです」

「それにしても、ユーリはしっかりしてるよね。あたしなんてそんな世界のことなんて知らないよ」

「王として勉強もしなきゃなんです……本當に大変ですけど、これも民のためになるので頑張らなくちゃいけないんです」

「ユーリちゃんは偉いですね!」

本當に偉いよ

「そう言ってもらえるだけでこれからも頑張れます!」

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