「うふふ、いい子ねぇ～。何も怖いことはないのよ～。今からお姉さんが気持ちいいことしてあ・げ・る。気持ち良すぎて、干乾びちゃうかもね」

（なんだこれは？　夢か？）

目の前には、現実なのか夢なのか認識しづらい景が広がっている。そこにいたのは、一人のだ。見た目は妙齢でありながら纏っている雰囲気は妖艶であり、まさに魔という存在を現しているかのような姿をしている。

紫の艶やかな髪とすべてを見通すかのような黃い瞳もまたその妖艶さを加速させており、そのつきもまた満という言葉が相応しい程の魅を放っている。さらに本人は狙ってやっているのか、それともそういう姿を好んでいるのかはわからないが、表面積のないボンテージのようなのもをに著けており、に至ってはその大きさ故に今にもこぼれ落ちそうだった。

これが現実であるとするのであれば、目の前にいるはおそらく報収集の途中で耳にした夢魔と呼ばれる存在であり、人間の生気を吸って生きているとされるモンスターである。

しかも、夢魔は人の姿に近い知あるモンスターであるが故になくともSランクに分類されるモンスターとされており、そのステータスもかなりの能力を持っているため、並の人間が相手では抵抗することすらできない。

【名前】：イリネベラ

【年齢】：６３６歳

【別】：

【種族】：サキュバス族・サキュバスクイーン

【職業】：なし（SSランク）

力：８２００００

魔力：１３２００００

筋力：ＳＡ＋

耐久力：ＳＢ＋

素早さ：ＳＡ－

用さ：ＳＣ＋

神力：ＳＤ＋

抵抗力：ＳＢ＋

幸運：ＳＡ－

【スキル】

魔道の心得Lv２、共通魔法Lv１、自然魔法Lv１、漆黒魔法Lv８、時空魔法Lv６、

格闘Lv４、並列思考Lv２、威圧Lv２、家事全般Lv１、錬金Lv２、パラメータ上限突破Ｌv１、幻耐Lv９、

幻Lv９、生気吸引LvMAX、

【狀態】：発（大）

相手の報を手するべく、超解析のスキルで調べた結果がこれだ。どうやらサキュバスの中でも王族クラスのサキュバスさんらしい。

持っている能力もかなりバランスが取れており、意外にも家事全般や錬金といった能力も持っている。……こいつは、使えるかもしれない。

だが、サキュバスのくせに狀態が発とはどういうことだと思うが、いかに的なものに慣れているとはいえ、興するものは興するのだろうかというこの狀況で考えるべきことではないような取り留めのないことを考えているが、思考を真面目な方向に戻すべく、続いて自分の狀態を確認するとやはりというべきか【狀態】の一覧に幻（大）という狀態異常が認められた。

今でも目の前にいるサキュバスにその熱をぶつけてしまいたい衝と戦っているが、幸いなのか俺の高い魔力や神力や抵抗力などといった狀態異常に対して効果を発揮するパラメータが仕事をしているらしく、理を失うほど取りしてはいない。例えるなら、トイレを我慢している狀態に近い。

「うふふ、いいのよ～。お姉さんのこのらかくて大きなおっぱいを好きにして」

（実に魅力的な提案だが、狀況としては芳しくないなこれは。奴の吸引で力と魔力が減り出している）

俺が理と抗っていることを理解しているのか、自のを押し上げアピールしてくる。元々大きく膨らんだ形のいいがさらに盛り上がり、こちらをっているかのように上下に揺れる。俺とて男であるからして、そんなものを見せられて平靜でいられるかといえば、困難であると言わざるを得ない。ましてや、今は奴の幻によって普段押さえ込んでいる理のタガが外れ掛かっている。そんな狀態で、目の前にいるにれるなというのが不可能に等しい行為だった。

自分の意志とは無関係に、俺の手が彼のにびる。それを見た彼が、口の端をにやりと歪め、さらに追い打ちとばかりにする。

「ほらほら～。我慢はに悪いわよ～。私は人じゃないんだから、をぶつける道と思って思い切り來てちょうだい」

「なら、そうさせてもらうとしようか。　ふんっ」

「え？　ちょっ、痛い痛い痛い痛い痛い！　ちょ、ちょっとぉー、ど、どこを抓ってるのよ！？」

そうこうしている間も、奴の能力によって確実に力と魔力を吸われ続けている。いくら俺が力と魔力が多い化けといってもその量は有限であるため、早く何とかしないと取り返しがつかなくなる。それに加えて、傲慢だがやはり初めては好きな相手とするべきだと俺は思う。そう、初めては好きな相手と……。故に、いくら目の前のが魅力的でも、好きでもない相手とこういった行為はするべきではないのだ。

そう考えていると、自然と冷靜さが戻ってくるのをじる。気付けば、俺のスキル欄に【幻耐】が発現し、さらに耐レベルがぐんぐんと上昇していく。あれよあれよという間にレベルが９まで上昇し、すでに奴が使う幻スキルが効かない狀態となった。

そうなってくると、馬乗りになっているこいつが邪魔だ。俺は未だに発狀態にあることを裝い、奴のに手を持っていく。そして、奴のをる振りをしてその先端部分に存在するピンクの突起を抓ってやったのだ。

ただでさえらかい脂肪が集中している部分であるため、筋などのい部分がない。それに加え、局部ということでそこにはあらゆる覚をじ取る神経が通っている。そんな場所を思いっきりではないとはいえ抓り上げられたらどうなるのかは想像に難くない。

そのあまりの痛みに、馬乗りになっていた奴が俺のから降りて抓られた部分をさすっている。そんな姿もエロいといえばエロいが、既に耐スキルを獲得した俺からすれば不快極まりない景であるため、呆れた表を浮かべている。

「はあ、はあ。よ、よくもやってくれたわね！　餌の分際でこの私に楯突いたこと、後悔しなさい！　【ダークランス】！！」

俺のやった小さな反撃がお気に召さなかったようで、俺を殺そうと攻撃魔法をぶっ放してくる。しかし、夜のアレコレであれば不慣れだが、こと戦闘となれば話は変わってくる。

襲い來る闇の槍を蚊でも叩き落すかのように手を払い落とすと、反撃とばかりにこちらも魔法を使う。

「シャイニングチェーンバインド」

「ぐっ、こ、これは！？」

「さて、散々好き勝手やってきたみたいだからな。しばかり、お仕置きが必要なようだ」

「な、なにをするつもり！？」

「すぐにわかる」

そのあと何が起こったのか、的なことは言うまい。ただ、一つだけ言及することがあるとすれば、今まで頭の片隅に追いやっていた【拷問】というスキルのレベルがかなり上がる羽目になったということだけだ。解析の結果でも表示されなかった容だが、スキルが空気を読んだのか知りたい報だけを表示して、知りたくない報は自で匿していたらしい。

そして、俺のお仕置きをけたサキュバスクイーンのイリネベラはというと……。

「もっとぉ、もっとくださいませぇ～。ごしゅじんしゃまぁ～」

どうやら、何かに目覚めてしまったようで、俺の拷問によっておかしなことになっていた。俺としては反省を促す意味で行っただけなのだが、何故か別の意味でご褒となってしまったようだ。

こうして、一連のミイラ騒を起こしていた犯人のサキュバスを懲らしめることには功したが、俺を待っていたのは予想通りというか、んでいない結末であった。