《ひざまずけ、禮》第3章75話 萬事休すに希を添えて

まだかせる足を使って、再度蹴りを放とうとしたが、その瞬間にまた激痛が走った。何となく予想はついていたが、もう片方も同じようになっていた。

せめて腕にあるリモコンだけは、と思った矢先にその希は絶たれた。僕にまたがっていたイザレアが僕に腹パンをかましたために、手に力が抜けた。

レア「諦めが悪いやっちゃなぁ、比影は。ま、そういうところにも惚れたんやけども・・・でも、こうなったらもう無理よな。」

比影「ぁ・・・ぁ・・・」

レア「蟲の息ってのはこのことやな、ええ顔しとるやんか。」

イザレアは立ち上がり、僕の顔をのぞきこんでニヤニヤと笑っていた。反撃したいが、意識が飛びかけており、力もらない。あれだけ努力しても、所詮神の力には葉わないのか・・・?

レア「ま、よく戦ったで比影は。そこで震えてる子貓ちゃんよりかはよっぽど、な。」

佐和「ひ・・・比影・・・くん・・・」

佐和さんは恐怖で足が震え、その場からけないでいた。無理もない、目の前に即死級の攻撃が落ちたのだから。

レア「佐和だけやない、所詮武を作ることしか能のないナーテアも・・・あり?」

イザレアは、そこまで言いかけて辺りをキョロキョロと見回した。

レア「あれ、ナーテアのやつどこ行ったんや?まさか逃げよったんか?」

・・・確かに、先程まで近くにいたナーテアさんが見當たらなかった。佐和さんもキョロキョロと目線をかしている。

レア「かーっ!1人だけ敵前逃亡とはなぁ!こりゃたまげたわぁ!」

比影「・・・ナ・・・テ・・・ァ・・・サ・・・」

ナーテアさん、と呼んだつもりが、実際聲に出たのはこの程度だった。人の名前すらろくに言えない狀況だった。

・・・と、その時だった。

「逃げるわけがないでしょう、あなたを倒さずに」

そんな聲が辺りに響き、直後イザレアが苦しんでいた。何事かと見てみると、突如として現れたナーテアさんが、イザレアに何かをしていた。

レア「ナー、テア・・・貴様ぁぁぁ!!!」

オネ「窮鼠きゅうそを噛む、ってところですかね。學迷彩発生がこんなところで役にたつとは。そのナイフのお味はどうですか?」

レア「おのれ、許さん、許さんで・・・!!」

どうやら、ナーテアさんお手製のナイフを使用したらしかった。結構痛そうだな・・・。

レア「ふん、こんなものであたしに勝とうとしとるのか?痛みも全くないし、ゴミみたいな武やないか!」

オネ「ふふふふふ・・・それはどうでしょうね。」

ナーテアさんは、先程までイザレアがしていたかのような、不敵な笑みを浮かべていたのだった。あ、これ怒らせちゃいけないタイプの人だ。

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