《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第93話 王様が今日も同じベッドにもぐりこんでくる
また更新が大分開いてしまいました。。。すみません
2023年8月2日に、
【パクパクですわ】追放されたお嬢様の『モンスターを食べるほど強くなる』スキルは、1食で1レベルアップする前代未聞の最強スキルでした。3日で人類最強になりましたわ~!
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魔族にバレず街に村の仲間を呼び込むため、僕達はレジスタンスの地下基地から街の外へつながるトンネルを掘っている。
「くっそー。まさか大英雄カノン様が、掘りなんかさせられることになるとはな~」
隣では、泥だけのカノンがスコップを持っている。
「カノンちゃん、口だけかしてないで手もかして」
「へーい。王様に言われちゃ仕方ない」
文句を言いつつもカノンがスコップでどんどん土を掘り進んでいく。傍若無人な人だが、どうも権力には弱いタイプらしい。
カノンが土を軽々マリエルのアイテムボックスに放り込んでいき、凄いペースでトンネルが出來ていく。
僕も負けじとスコップを振るう。
「結構掘り進んだな……補強しないと、土が崩れそうだ」
本來であればレンガや石膏で固めるべきなのだが、今はそんな時間も資材も無い。
「だったら……」
僕は、足下や天井に植の種をばら撒く。
「植魔法”グローアップ”発!」
トンネルの中に、草花が生える。地面だけでなく、壁や天井にもびっしりと緑が広がった。
「よし、これで草が土にを張った。これである程度は補強されるはずだ。數週間は持つだろう」
「ひゅう。剣だけじゃなくて魔法も使えるのか。中々便利な魔法覚えてるじゃん」
僕の魔法を見て、カノンが口笛を吹く。
こうして、僕達はせっせとトンネルを掘っていく。
そして夕方。
”ぼこっ”
ついに僕達は、地上へ抜け出た。
場所は、街の近くの森。周りに樹があるここなら、街の憲兵さんや出りする商人さん達にも見つからないだろう。
「よかった~! 皆さん出てこないからどうしたのか心配したんですよぉ~!」
べそをかきながらナスターシャが駆け寄ってくる。
僕は、ナスターシャに街の中の事や、魔族に見つからないように村の仲間に街にってもらわないといけないことなどを説明した。
「ナスターシャはしばらくここで待機していてくれ。あとからくるタイムロットさん達と合流して、この森で街の住人や魔族に見つからないようにしていてしい」
「わかりましたぁ。……でも、こんな森の中で一人だけというのは心細いですぅ~」
「仕方ないな。アタシもナスターシャ姉ちゃんと一緒にここに泊まるよ」
「本當ですか!? ありがとうカノンちゃん!」
ナスターシャがカノンに飛びついて、また骨がきしむ音とカノンの悲鳴が聞こえる。
「じゃあ、野営に必要なテントとか食料置いとくねー」
そんな様子を無視して、マリエルがアイテムボックスから必要なを取り出して地面に置く。
こうして、カノンとナスターシャは街の外で待機、僕とマリエルとカエデは街の中で魔族のアジトを調査することになった。
そして夜。
僕たちは、レジスタンスのメンバーが経営する宿に泊めてもらっている。
魔族が潛んでいるかもしれない街で、安心して眠れる環境を提供してもらえるのはとてもありがたい。
部屋にはベッドが3つ。家にあるものよりも小さい、一人用のベッドだ。
そして今、部屋には僕とマリエルしかいない。
「ねぇメルキス。なんか今日、寒いと思わない?」
「そうかな? 特にそんな気はしないけど」
「私は寒いの。大事な魔族との戦いの前に風邪をひくわけにもいかないし。……だから、一緒のベッドで寢て良い?」
そう言ってマリエルは、ベッドに腰掛ける僕の隣にそっと寄り添ってくる。
「――! それは、かまわない、けど」
僕とマリエルが同じベッドにろうとしたとき。
「主殿、ご報告です」
いつの間にかカエデが僕の足下にかしづいていた。
「うわあああ!? カエデちゃん、いつの間に戻ってきてたの!?」
「マリエル殿が、主殿と普段よりも狹いベッドで著しながら過ごすために『今日ちょっと寒くない?』という苦しい言い訳をしている時からです」
「わあああ! 違うもん! 本當に寒いもん!」
「今日は天気が良いですしむしろ暑いくらいでは? ですがどうぞ、私は止めませんので気にせず主殿と同衾ください」
「この流れで出來るかー!」
マリエルが投げつけた枕を、カエデが軽々と回避する。
「それじゃあカエデ、報告を頼む」
「はい。主殿が作ったトンネルを使い、シノビ部隊は全員この街に潛完了。レジスタンスと連攜しながら、魔族の潛伏先を調査しております。見つかるのは、時間の問題でしょう」
「分かった、ありがとう。引き続きよろしく頼む」
魔族の探索の方は、一旦シノビの皆さんとこの街のレジスタンスさん達に任せておいて良さそうだ。
とすると、僕がやるべきは。
「カストルを見つけないと……」
今日レジスタンスの皆さんから話を聞いて分かった。カストルがこの街に來たのは、行方不明の父上の後を引き継いでロードベルグ伯爵家の當主になった挨拶をするためだろう。
どういう経緯かはわからないがカストルは魔族と接して、この街に魔族が潛伏していることを知ってしまった。それで、この街の実権を握っている魔族に指名手配を掛けられて逃げている。こうだとすれば、當然辻褄が合う。
そしてその場合、カストルが魔族に捕まってしまうと口封じのために消されてしまう可能がかなり高い。
カストルを守るためにも、カストルから魔族の報を得るためにも、なんとしても魔族より先にカストルを見つけなければならない。
もちろんシノビの皆さんには魔族捜索の時にカストルを見つけたら連絡してくれるように頼んであるが、それだけでは心許ない。
「ねぇメルキス。カストル君を急いで見つけないといけないのはわかるけど、どうするの? この街でカストル君が隠れてそうな場所とかある?」
「いや、それはわからない。だけど、あっちから見つけてもらう方法なら一つ考えがある。マリエルとカエデにも協力してもらいたい」
翌朝、僕たちはカストルを見つけるために街の広場へと繰り出した。
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