《スクール下克上・超能力に目覚めたボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました★スニーカー文庫から【書籍版】発売★》スキル

「おや、これはこれは方さん」

琴石は演説を止めて、方に歩みよってきた。

「あれからアビリティリーグのPVを何本も出して調子ええみたいやな」

「ええ、おかげさまで、中間支持率は貴を越えましたわ」

「越えた言うてもほんの1パーセント。浮票をれたらすぐにウチの逆転や」

「なんですってぇ!」

互いにツノを突き合わせるように至近距離で睨み合い、火花を散らせる二人。

その下では琴石の方の巨が互いに押し潰し合い、男子たちと詩冴がめき立っている。

「これは眼福、しかし悲しいことに量差ではミカタちゃんに勝ち目はないっすッ」

「お前はどこを比べているんだよ?」

俺は軽くツッコみつつ、気持ちは分かる。

方は人でスタイルも良く、黒髪ロールの髪型も相まっていかにもお嬢様として派手な容姿をしている。

一方で、琴石は桐葉並の長満なバストとヒップに長い銀髪とエメラルドの瞳という、ボリューミーかつインパクトのある容姿をしている。

ぱっと見の迫力、威厳のようなものは、琴石に軍配が上がるだろう。

――悲しいけど、選挙に外見は大事なんだよなぁ。

かのアメリカ大統領リンカーンは、ヒゲを生やして威厳をつけた途端に支持率が上がり大統領選に勝利した、という話はあまりにも有名だ。

人間は視覚を発達させた生きで、視覚報から相手の印象を決める。

印象は好度を決め、好度は評価を決める指標になる。

方だって、生徒會長としての能力とは何も関係がない、アビリティリーグの映像という資格報で【カッコイイ】という印象を広めて、支持率をばしている。

「まぁええわ。確かに、アビリティリーグの選手としてはあんさんのが一枚も二枚も上手かもしれへん。けどな、生徒會長としてはウチのほうが優秀やと証明したるわ」

調子よく、朗々と舌を回してくる琴石に、方は顔が悪くなる。

「ふ、ふんっ、負け惜しみかしら? 下品なカラダで男を釣って男票を得るしか能がない獣のくせに」

「おやおやひがみかいな? ごめんなぁHカップでぇ、ごめんなぁ、ウエスト58なのにヒップ90越えでぇ」

から重圧をかけるように見下ろしてくる琴石に、方はたじたじだった。

「ぐぐっ、ナメるんじゃありませんわ。ワタクシのことは四天王である稲たちが支持していますのよっ」

「はいまけー。虎の威を借りる狐とはまさにこのこと、自分に自信がないからって後援者の名前を出すなんて二流もいいところやわ」

琴石が有頂天になる一方で、方は歯を食いしばり、負け惜しみすら出せないようだった。

「とはいえ、偉人のお墨付きをもろてはるのは評価に値しますわな。詩冴は日本の食料問題を解決、真理は蕓能界の健全化を実現、稲は地下資源問題を解決、ハニーは一人でエネルギー問題を解決する世界で唯一のテレポーターやし」

それに、と挾んで、琴石は頬を染めた。

「ごっつイケメンやし優しいし何人もの人をとりこにする男だけどそれを鼻にかけない謙虛なお人で、育祭の時に事故でウチのんだ時も嫌悪じさせない優しい手つきで、あれはウチが悪いのに謝ってくれる克己心と気遣い溢れるお方で」

をもじもじさせながら両手を頬に當て、琴石はリンゴかってくらい赤くした顔で俺の顔をうかがってくる。

「それに桐葉の人やからつまり毒蟲の能力でも気にしない度量とがデカ過ぎてもれてくれるの大きな殿方で今後どれだけ長しても安心やし、中學の頃にスレンダーな娘が好きやとフラれたウチのトラウマを払拭してくれた素敵な素敵なハニーに支持されて羨ましいかぎりやんなぁ……」

指と指の間から俺のことを見つめてくる琴石の周りに、子たちが群がった。

「え、もしかして琴石さんてばそうなの?」

「あっちで詳しい話聞かせてぇ!」

「あたし琴石さんのこと応援しちゃう!」

思春期真っ盛りの子たちは琴石を拉致して、校舎裏に移

後に殘された方は、戦う相手を失い、鼻白んだ。

「ふんっ、くだらない。さぁ、とっとと教室へ行きますわ、よ? あら?」

「守方ならもう教室に行ったぞ」

「なっ!? あの姉不孝者! 待ちなさい守方ぁ!」

ばたばたと玄関に向かって走る去る方の背中を見送りながら、俺は辟易とした。

「なんか、どっちが生徒會長になっても不安しかねぇなぁ……」

「それよりもハニー君、またお嫁さん、増えちゃうんじゃない? 琴石さんの部屋なら余っているよ?」

指先で肩を突っついてくる稲に、俺は苦笑いを浮かべた。

「おいおい、稲までやめてくれよ。琴石はただ俺を褒めただけで好きなわけじゃないだろ? そうやってなんでもかんでもに結び付けるのは良くないぞ」

俺の返事に、稲を含めて陣全員の視線が白くなった。

――ん? どうしたんだみんだ?

わけがわからず、俺は首を傾げた。

天の聲:主人公は【214話】の方のせいで一時的に鈍スキルが発しています。以後は発しません。

    人が読んでいる<スクール下克上・超能力に目覚めたボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました★スニーカー文庫から【書籍版】発売★>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください