《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》219話 アリシアの浄化-4
「イザベラさま……。ウソツキ! 口だけなら何とでも言え――」
アリシアの言葉は途中で途切れた。
ちゅっ……。
イザベラがアリシアのを奪ったからだ。
それは人同士のキスだとすればあっさりし過ぎていると同時に、友のキスだとすればしばかり熱的過ぎるものであった。
「んむぅ……。イザベラ……さま……?」
「アリシアさん……。これで信じてくれるかしら……。私は噓なんてついていないと」
「はい……。イザベラ様……」
「アリシアさん……」
「イザベラ様……」
二人は見つめ合い、再び口を近づけ――
「そこまでだ!」
「姉上にそれ以上手を出さないでいただきたい!」
エドワード王子とフレッドが二人を制止する。
「闇の瘴気は無事に祓えたみたいだな……。なら、それ以上のことをさせるわけにはいかねぇ!」
「その通りですね。まずは臺無しになった卒業パーティの後処理をせねばなりません」
さらにはカインとオスカーも加擔した。
「あら、殘念……」
イザベラはそう言って微笑むと、アリシアの頭をでる。
「イザベラさま……」
「アリシアさん、やるべきことはたくさんあるわ。闇の瘴気の影響とはいえ、責任を全く問われないわけではないでしょう。でも、二人で――いえ、皆で一緒に乗り越えていきましょうね」
「はい……! イザベラさま!!」
イザベラが手を差し出すと、アリシアは迷わず握り返したのだった。
【書籍化】傲慢王女でしたが心を入れ替えたのでもう悪い事はしません、たぶん
「貴方との婚約は白紙に戻させて頂く」凍りつくような冷たい美貌のリューク・バルテリンク辺境伯は決斷を下した。顔だけは評判通りに美しいが高慢で殘酷な性格で、贅沢がなにより大好きという婚約者、ユスティネ王女……つまり私の振舞いに限界になったからだ。私はこれで王都に帰れると喜んだけれど、その後に悲慘な結末を迎えて死亡してしまう。気がつくと再び婚約破棄の場面に時間が巻き戻った私は、今度こそ身に覚えのない濡れ衣を晴らし前回の結末を回避するために婚約破棄を撤回させようと決意した。 ※ビーンズ文庫様より書籍版発売中です。応援ありがとうございました! ※誤字報告ありがとうございます!とても助かります。ひらがな多いのは作風ですのでご容赦下さい。※日間総合ランキング1位、月間総合ランキング2位、月間ジャンル別ランキング1位ありがとうございました!※タイトル変更しました。舊題「傲慢王女な私でしたが心を入れ替えたのでもう悪い事はしません、たぶん」
8 111狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
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