《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》221話 事件後の平和な日常-2

「イザベラ様~~~!!!」

ノックの音と共にアリシアさんの聲が聞こえてきた。

これはマズイ。

闇の瘴気がなくなった彼は、元の天真爛漫な格に戻っている。

それでいて、半平民ながらに王立學園にった才覚も健在だ。

いや、むしろ迷いがなくなったためか、連休中にもかかわらずその実力をグイグイとばしている。

……え?

それの何がマズイかって?

そんなの、決まってるじゃない。

「こちらにいらっしゃるのは分かっているんです! イザベラ様~~?? りますよーー!!!!」

アリシアさんは元気いっぱいだ。

この調子だと、ドアを突き破ってってくるかもしれない。

「アリシアさん! 私は今、部屋にいないわ! また今度にしましょう!!」

「なんだ~。イザベラ様、今はいらっしゃらないのですね。分かりました。では、また後で……」

ふぅ。

何とか誤魔化せたかな……。

「――って、そんなわけないでしょう! イザベラ様! わたしの耳は誤魔化せませんよ! イザベラ様のお聲が、この部屋の中から聞こえました!!」

「しまった!」

思わず聲が出てしまう。

私の完璧な居留守作戦が見破られるなんて……。

どうしよう。

このままじゃ、アリシアさんがってきてしまう。

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