《【書籍化&コミカライズ2本】異世界帰りのアラフォーリーマン、17歳の頃に戻って無雙する》21章:トゥルーヴァリアントショー(6)

神域絶界の中というのは、考えようによってはちょうどいい。

狀況的に考えて、絶界を張ったヴァリアントは、この20人の中にいる。

ここなら多派手に暴れても問題ない。

オレが剣を構えると、ヴァリアント達は一斉にその姿を化けへと変えた。

口が後頭部まで裂けた神もいれば、首から大量の蛇を生やした獅子まで、その様相は様々だ。

寄せ集めにも見えるがはたして……。

まず飛び出して來たのは、西洋風の鎧にを包んだ騎士だった。

速い!

剣士としてもかなりの腕だ。

その剣を切り飛ばそうとするも、しっかりけられれてしまう。

おいおい、名のある騎士だろこいつ。

そんな中、背後にいた神が黒い雷撃を放つ。

彼の手からびた雷は、オレと騎士を包み込む。

味方ごとかよ!

オレは剣で雷を絡めとり、そのまま騎士を斬りつける。

雷に耐えながらも攻撃の手をゆるめない騎士は、オレの一撃で上下に真っ二つになった。

殘り19。

ヴァリアント達は遠巻きにオレを囲み、様子を見ている。

中には魔力を高めている者もいる。

ヴァリアントをランク分けするのは難しいが、全員が中級クラス以上に見える。

それがなぜ、こうも一箇所に集まっているのか。

しかも、和洋れたメンツである。

何かの集會でもあったのか?

「噂以上だな……」

誰かがぽつりと呟いた。

オレだと知っていて襲ってきた?

どういうことだ?

とりあえず、ここを出ないことには始まらない。

オレはヴァリアントの集団に斬り込んだ。

かなりの強敵達だったが、殘るは一

「どういうつもりだ?」

最後のヴァリアントは、カメラと融合した個だ。

他のヴァリアントに護られながら、じっとこちらを撮影していた。

今さら、この程度のオレの戦いを録畫したところで、分析という意味ではどうにかなると思えない。

では何かの脅しに使えるかと言われればやはりNOだ。

ヴァリアント達は、自分達のことが世間に広まるのを良しとしていない。

數がない以上、世にバレない方が生きていくのに都合が良いからだ。

世間にオレのことをバラすという脅しは自行為である。

それに、政治ともつながっているようだし、その積み重ねを今さらご破算にすることはないだろう。

なにより、こいつを逃がすつもりはない。

オレが距離をつめようとしたその瞬間――

ヤツの首から上の空間が歪み、頭部が消失した。

首から紫の鮮が吹き出す。

なっ!?

自殺した!?

まさか、映像を神域絶界の外に送るために!?

ヴァリアントのが煙となって消えると、神域絶界もまた解かれた。

いや、解かれてない!?

というより、今まで閉じ込められていた神域絶界を覆うように、もう一つ神域絶界が展開されていた……?

戦いの最中に外から展開されたのか。

やられた。

最初からオレを閉じ込めるために仕組まれていた。

いつからだ?

オレが今日ここに來ることが決まったのは、昨日の話だ。

あれだけの人數を用意できていたんだ。

オレのきを事前に把握できていたに違いない。

候補は無數にありそうだ。

なぜオレを閉じ込めたかっただが……。

それこそ、ヴァリアントの恨みを買った覚えはいくらでもある。

オレを倒すのは無理でも、なんとかして封印しようと考えるヤツが現れてもおかしくはない。

問題はどうやってここを出するかだ。

オレがこうなったということは、由依たちにに危険は及んでいないだろうか。

背中を冷たい汗が伝った。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!

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