《モフモフの魔導師》506 猛犬注意?
刺青男はボキボキと指を鳴らす。
「お前、雰囲気あるな」
「どういう意味だ?」
「要するに…面白そうだってことだ!」
一気に間合いを詰めてくる。
「…!! あっぶね…!!」
急停止した男は、素早く後方へ跳び退いた。
「なんてこと考えやがる…。お前、悪魔か…」
視認できない『細斬』の網の展開を知された。何処かの傭兵と違って、魔法を知っているみたいだ。
手を翳して、展開した魔力の網をぶつける。
「ヤべっ!!」
大きく上に跳んで躱された。
「おっらぁ!!」
跳び蹴りを『強化盾』でけ止めると、弾かれて著地する。
「面白い奴だ!お前、名前は何て言うんだ!?俺は『猛犬(サヴェージ)』キーチだ!」
「『猛犬』?『刺青男(アッジョ)』の間違いだろう」
「はははっ!気の利いたこと言うな!俺の知ってる獣人じゃない!」
「名前を聞きたければ、力盡くで吐かせてみろ」
「そうするか!」
キーチのがマルコの気功に似た力を纏う。
「オラオラオラオラァ!!」
連続攻撃を躱しながら、部屋の中をき回る。打撃の風切る音と迫力が違うな。人間であるのに、マードックやリオンさんと同様の重圧。
「逃げてばっかじゃつまらないだろ!かかってこいよ!」
『雷鳥の筺』
自稱猛犬を、魔力の筺に閉じ込める。
「…なんつう展開の速さだ。オラァ!」
魔法の発より一瞬早く、拳で障壁を叩き割って出された。
『強化盾』ではなく『魔法障壁』なのだから、そのまま出するほうが早い、とはあえて言わない。猛犬の力の片鱗を見せてもらった。
「獣人の魔法使いには初めて會うが、俺の知ってる魔導師じゃ一等だぜ!」
「お喋りな猛犬だ。世辭も言えるのは心する」
「つれない奴だ。獣人ってのは単純バカ野郎で…力で押してくるものだろ!お前は違うみたいだがなぁ!!」
さらに速く間合いを詰めてくる。
もう、やるべきことを終えて準備はできた。
「…ぐっ!?これはっ……」
『鈍化』できを鈍らせ、掌に魔力弾を発現させる。
「マジかよ…」
かない猛犬に向けて魔力弾を放つ。
「くっ…!!うおぉぉぉらぁぁあっ…!!」
ごと吹き飛ばした魔力弾は、家の壁にぶつかって炸裂する。
「痛ってぇ~!」
けれど、見事に耐えきられた。防技能にも優れている。やはり強い。
「滅茶苦茶しやがって。普通なら壁が吹っ飛んでる威力だろうに、砕けないのは何でだ?」
「さぁな」
きながら家全に『堅牢』を付與するのに時間がかかった。誰の所有かわからないし、アーツが何処かにいる。
建は、無闇矢鱈に壊すものじゃない。自分で離れを建てたから苦労を知ってる。
「それも吐かせろってか。要求が多い貓だ………って、マジかよ!?」
間髪れずに一回り大きな魔力弾を放つ。
「この野郎…!!好き勝手やってくれるな!」
無理やり『鈍化』を無効化して猛犬はを躱した。けれど、まだきは鈍い。
「攫った子供は何処だ?」
「知りたきゃ、無理やり吐かせろって言ったろ」
「時間がない」
暗部が監視に戻る時間も近づいている。されて、余計な手間をかけさせたくない。
「だったらどうすんだよ?」
手を翳し、キーチを再び障壁に閉じ込める。
「バカの一つ覚えめ。この程度の魔法で、猛犬を檻に閉じ込められると思うなよ!……なにぃ!?」
いくら毆っても魔力の檻は割れない。
そもそも、出力が3割程度の障壁を破って満足だとしたら、魔法を舐めている。今回展開したのは、『強化盾』と『魔法障壁』を混合した強化障壁。これでも5割程度の出力。
吐くのが先か、死ぬのが先か試す。
『氷結』
「ちっ…!うぉらぁぁ!ナメんな!」
を凍らせたと思ったのに、瞬時に砕かれてしまった。氷漬けにできないのなら…。
『雷鳥の筺』
「があぁぁっ…!!」
ほぼ生にしか見えないのに、凄まじい耐久力。まともに食らっているのに、倒れる気配はない。
しばらくして魔法を解除し、天井に屆かんばかりの強化障壁を前面に展開する。
「はぁ…はぁ…。押し潰すつもりかよ…。お前……マジで何者なんだ…?」
「お前に教えて何になる」
「降參!…と言ったら?」
「笑えない冗句だ。お前が『負け犬(ルーザー)』になるだけのこと」
「だな…。格好悪すぎる。さっさと殺したらどうだよ」
「お前に懇願する権利はない」
「…ちっ!」
舌打ちとともに、だらり…と力した猛犬。
もう絡んでこないと判斷する。靜かになった猛犬を無視して、家を『周囲警戒』で覆うと、やはり地下室があった。
階段は…あっちだな。
「おい、貓人。萬が一、ガキが死んでたらどうする?」
「その時は皆殺しだ」
「ははっ!即答かよ。心配すんな。怪我一つない」
満足にけないであろう猛犬を無視して、地下へと続く階段を降りる。地下室にると、壁際にぽつんと座るアーツがいた。
「アーツ。助けに來たよ」
「……ウォルト?ウォルトだ!!」
駆けてくるアーツをしっかり抱き留めた。
「怪我はないかい?」
「大丈夫だよ!」
「ちょっと上で騒いだけど、怖くなかった?」
「怖かったけど…もう大丈夫!」
「さすが男の子だ。ボグフォレスさんや皆が心配してる。屋敷に帰ろう」
「うん!」
抱きかかえて階段を上ると、猛犬が壁に寄りかかるように立っていた。
「おい。俺はどうなるんだよ?」
「知るか」
「とことん人を虛仮にしやがる。なんなら、今からでもそのガキを……うっ!」
口角を上げて嗤う。
もういいな…。
リスティア…。堪えたけれど、君の期待には添えないかもしれない。
「しの間、此処で待ってろ。気が済むまでやってやる」
「………っ」
アーツを送り屆けたら、もはや遠慮することはない。コイツのみ通り、殺し合ってやる。
「ウォルト…。どうかしたの…?」
強ばったアーツの聲で我に返った。
「何でもないよ。屋敷に帰ろう」
「うん。……すぅ …すぅ」
怖さと張で疲れ切っているはずだ。し魔法で眠っていてもらおう。
スッと負け犬の前に立つ。
「……なんだよ? ……うっ……」
無詠唱の『睡眠』で眠らせ、記憶も混濁させた。ボクの魔法すら躱せないのに、猛犬とは笑わせてくれる。
これでもボクを覚えていたら…。
★
「アーツ!!」
「おじいさまぁ~!!」
「よくぞ……よくぞ無事で帰ってきた…」
「こわかった!うわぁ~ん!!」
ボグフォレスさんの屋敷に到著するなり、2人は再會を喜んだ。抱き合う姿にをなで下ろす。
「リスティア。無事に全部終わったよ」
人目につかない場所に移して、リスティアに連絡する。
『お疲れ様!気が…済んでないよね』
「もちろん済んでない」
『だよね。無理言ってゴメンね…』
「気にしなくていいよ。とりあえず全員生きてる。魔法で眠らせてるけど、後は頼んでいいかな?」
『ありがと!任せて!』
リスティアは、できるなら輩を生かしておいてしいという趣旨の伝言をしてきた。何か考えがあるんだろう。
「サスケさんやシノさんにも、報提供のお禮を言っておいてほしい」
『もちろん!また、あとで連絡するね!』
「了解。それと、2つ目のアジトの場所も教えておくよ」
あとはリスティアに任せる。これで一段落かな。
待たせたリリサイド達のところへ向かおうとして、向こうから來てくれた。
「ウォルト。お疲れ様」
「ドナをおいていった!ウォルト、ひどい!」
「ゴメンね。危ない場所だったんだ」
「やさしいし、あそんだからゆるす!」
「あはははっ。ありがとう、ドナ」
子供は元気に遊んでなきゃだめだ。下らない爭いは、大人がやればいい。
「そろそろ行こうかしら」
「いこう!」
「そうだね」
まだ時間は早いけれど、他の場所も観したい。3人で屋敷を出ようとして、呼び止められる。
「ウォルト!待ってくれぬか!」
「どこいくの?!まって!」
ボグフォレスさんに聲をかけられ、アーツが駆けてきた。
「アーツを無事に送り屆けたから、用事を済ませに行くんだよ」
「そうなの?いっしょにあそべないんだ…」
殘念そうな表のアーツ。とても心が痛む。
「アーツも今日は休んだ方が良い。また來るから」
「ホントに…?ウォルトは王都にいないんだよね…?」
「そうだよ。でも、必ず來る」
「ウォルト。まだ時間はあるわ。しだけでも遊んであげたら?」
「じゃあ、ドナもまだあそぶ!いこう!」
「わぁぁ!!ちょっと待って…!」
ドナはアーツの手を引いて駆け出した。
「ドナ。庭から出ちゃダメだよ」
「わかってる!お母さんにおこられる!」
「結局、遊び足りてないのよ。力が有り余ってるから」
「ドナの心配はしてないよ」
心配なのは、アーツの心との狀態だけ。
「ぼくはアーツ。きみは?」
「ドナだよ!なにしてあそぶ?」
「あっちに、ゆうぐがあるけど」
「それ、ドナはうまくなったよ!」
「えっ!ぼくもまけないぞ!」
「しょうぶする!」
何だかんだ仲良く遊んでる…のかな?
2人を見守っていると、ボグフォレスさんが近づいてきた。
「ウォルト。其方の此度の活躍、謝に絶えない。アーツを救ってくれて、本當にありがとう。ドルジも同じく」
また深く頭を下げられた。
「友人を連れて帰っただけなので、お禮はいりません。今後の対策を考えるのが先では?」
「お主は…謙虛だな」
「それは貴方です。貴族というのは、庶民に頭を下げないと誤解していました」
「強ち間違いではない。王様にも、直ぐに謁見を申し込ませて頂く。一刻も早く禮を申し上げねば」
「必要ないと思いますよ」
「何故だ?」
魔伝送が震えた。リスティアからの呼び出し。
「どうかした?」
『言い忘れてたけど、ボグフォレスに謁見とか考えないように言っておいて!勝手に暗部をかしたから、お父様にバレたら大目玉くらうの!お禮は必要ないよって!』
「わかった。伝えておくよ」
『じゃあね!また後で!』
忙しそうに通話は切れた。
後始末に奔走してくれてるんだろうな。ボクらのために獨斷でいてくれてるのは理解してたし、きっと今もそう。
國王様すら無視して、迅速に行してくれた彼の心意気に応えたくて、希に添う行ができたんだ。
彼に頼まれていなければ、あの程度では済ませていない。
「だそうです」
「王様にそこまでして頂いて…。言葉がない…」
「面白い王ね。私も會ってみたいわ」
「機會があったら會わせるよ」
ダナンさん達のこともそうだけど、リスティアはあらゆることに理解がある。カリーのことも理解しているから、グラシャンに會っても驚くとは思えない。
「アーツが遊んでいる間だけでも、其方と話をできぬだろうか?」
「禮や接待をしないのであれば、構いませんが」
「お茶くらいは飲んでくれるのであろう?」
「その位なら喜んで」
屋敷に案されてお茶を頂く。このお茶は、凄く味しいなぁ。手間をかけて作った良い茶葉だ。
「答えられるのなら、教えてもらいたい。ウォルト…。お主は…何者なのだ?」
「何度も言っていますが、ただの獣人です」
猛犬にも訊かれたけど、何がそんなに気になるのか。余程変人に見えるのか?
「ただの獣人は、王様と親友になどなれない…という儂の思考は、淺はかなのか?」
「淺はかなのかは知りません。ただ、彼が親友であることは事実です」
「そうか」
「ボグフォレスは思考が凝り固まっているのよ。ただ、王と親友という疑問には、私も同意するけれど」
「そうだろう。儂の常識ではあり得ないのだ」
リリサイドとボグフォレスさんは、いつの間にか親しくなっている雰囲気。…というより、リリサイドが堂々たる態度で、対等に會話しているだけか。
「ボクとリスティアが親友になった経緯を知ってもらう必要はないと思います。その點を気にかける人とは、相容れないと思うので」
ボク自に興味があるのではなく、繋がりが気になるだけ。利用したいと考えているのかもしれないし、そんな者に興味を持てない。
「ふはは…。そうか…。儂は、相手が何者かのみ気にかけるつまらない貴族…か」
「純粋な疑問なんですが、何と答えれば満足いく答えですか?」
「そうだな…。街で偶然王様を救った命の恩人であるとか」
なるほど…。この人は…。
「獣人で考えられる可能は、その程度…ということですね?」
「そうではない」
「正直に言ったほうがいいわよ。ウォルトは捻くれて質問してるわけじゃない。貴方が正直にけ答えするか確認しているの」
そうなんだけど、今はバラさないでしかった。
「儂が噓を述べていると言うのか?」
「そもそも、貴族は本音を語ることの方がない。けれど、権力や地位に興味が無い者にとっては、信用ならない人種に映る。ウォルト、そうでしょう?」
「そうだね」
會話中、常に微かに匂いが変化している。噓なのかわからないけど、どうしても気になるし、疲れるから正直あまり話したくない。ただし、禮を伝えられたときは、どちらも本音だった。
「貴方も私達に対して疑念はあるでしょう。直ぐに人を信用することはできない。そういう立場だもの。けれど、それでは通用しないわ」
リリサイドの貴族に対する理解は深い。
「…わかった。儂は本音のみを語る。噓を述べたと判斷したら、即刻を切り刻んでも構わぬ」
「そんなことしませんが」
「ウォルト。お主は……魔法使いだな?」
「はい。よく気付きましたね」
「こう見えて、多は魔法を齧っておる。アーツに授けた多幸草の魔法は見事だった。今も部屋の片隅で咲き続けている。あの子の寶だ」
ボグフォレスさんは、魔法使いだったというアーツの母親の縁か。確かに魔力を保持している。
「お主は、ドルジから事を聞いた上で花の魔法をった。彼奴は魔石の力だと言ったが、多幸草の魔法など事前に準備できるわけもない。そんなお主の魔法は、儂やアーツに幸福を與えた。そんな魔法を他に知らぬ。驚きで笑うような魔法はあっても、優しく微笑みを湛えるような魔法を、過去に見たことがない。率直に素晴らしいとじたのだ。お主の行も、そして魔法も」
「評価し過ぎです。ボクはただの魔法使いですし、やりたいようにやっているだけなので」
「そうか。回りくどく質問したのは、友人になりたいと考えたものの、どうアプローチしていいものかわからぬ。友人の作り方など、遙か昔に忘れてしまった…」
「ボクも知りません。難しいですね」
だからこそ「友人になろう」という言葉と、相手を信じられるかが重要だと考えてる。
「そして、儂が躊躇った理由は他にもある。獣人の魔法使いには、貴族として利用価値があるからだ」
「利用価値?」
「見世ということね」
リリサイドが答えてくれた。
「その通りだ。そのために近づいたと誤解を招きたくなかった。お主の格も知らぬ。知っているのは、儂が剣を突きつけたときの怒りののみ」
宣言通り本音で語っている。ここまで噓はない。
「誓って邪な気持ちはない。アーツの為にも、お主と純粋に友人であれたら…と考えた。「お祖父様!ウォルトはいつ遊びに來るの?」と聞かれ…噓をつくのも心苦しいのだよ…」
それは、ボグフォレスさんの友人だと噓を吐いたボクのせい。申し訳なく思う。
「であれば、よろしくお願いします」
「よいのか?」
「噓を吐いていないので信じます」
「お主の能力がしいものだ…」
「全て見抜けるわけではないです。あと、ボクが魔法使いだということはにして頂けますか?」
「決して他言せぬと誓う。アーツに伝えるのも其方に任せる」
これで話は終わりかな。
「そして…リリサイド。お主も儂の友人となってくれぬか?」
「私が?冗談でしょう?」
「其方は貴族を知る者。そして、貴族を崇めることをしない。そんな友人がいれば有り難い」
「嬉しいおいだけれど、お斷りするわ」
「そうか…。殘念だ…」
斷ったのには理由がありそうだけど、勘繰り過ぎかな。
…と、庭から大きな聲が聞こえてきた。
「アーツ!いっけぇ~!!」
「わぁ~~!!いたっ!!ひどいよ、ドナ!」
「きゃはははっ!ごめん!アーツはかるいから!」
「くっそぉ~!ぼくもドナをなげる!」
「いいよ!はい!」
「くぉ……おもいぃぃ~~!!」
「がんばれ!」
庭でドナがアーツを放り投げている…。もしかしなくても、サマラの真似かな…。
「……やっぱり友人になっておこうかしら」
「急にどうしたのだ?」
「ドナが何かやらかして、跡取りをダメにした時の保険に」
「ふはははっ!堂々と予防線を張るというわけか」
「冗談よ。貴方はドナを止めないのね」
「止めぬよ。アーツの顔を見れば、楽しんでいるのは一目瞭然。軽い怪我など怪我のにらぬ。獣人の力を知るいい機會だろう。この笑顔を守れて……。……年寄りは…いかんな」
目頭を抑えたボグフォレスさんは、しばらく俯いたままかなかった。
【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~
舊タイトル:「え? 僕の部下がなにかやっちゃいました?」ハズレギフトだと実家を追放されたので、自由に辺境開拓していたら……伝説の村が出來ていた~父上、あなたが尻尾を巻いて逃げ帰った“剣聖”はただの村人ですよ? 【簡単なあらすじ】『ハズレギフト持ちと追放された少年が、”これは修行なんだ!”と勘違いして、最強ギフトで父の妨害を返り討ちにしながら領地を発展させていくお話』 【丁寧なあらすじ】 「メルキス、お前のようなハズレギフト持ちは我が一族に不要だ!」 15歳になると誰もが”ギフト”を授かる世界。 ロードベルグ伯爵家の長男であるメルキスは、神童と呼ばれていた。 しかし、メルキスが授かったのは【根源魔法】という誰も聞いたことのないギフト。 「よくもハズレギフトを授かりよって! お前は追放だ! 辺境の村の領地をくれてやるから、そこに引きこもっておれ」 こうしてメルキスは辺境の村へと追放された。 そして、そこで國の第4王女が強力なモンスターに襲われている場面に遭遇。 覚悟を決めてモンスターに立ち向かったとき、メルキスは【根源魔法】の真の力に覚醒する。【根源魔法】は、見たことのある魔法を、威力を爆発的に上げつつコピーすることができる最強のギフトだった。 【根源魔法】の力で、メルキスはモンスターを跡形もなく消し飛ばす。 「偉大な父上が、僕の【根源魔法】の力を見抜けなかったのはおかしい……そうか、父上は僕を1人前にするために僕を追放したんだ。これは試練なんだ!」 こうしてメルキスの勘違い領地経営が始まった。 一方、ロードベルグ伯爵家では「伯爵家が王家に気に入られていたのは、第四王女がメルキスに惚れていたから」という衝撃の事実が明らかになる。 「メルキスを連れ戻せなければ取りつぶす」と宣告された伯爵家は、メルキスの村を潰してメルキスを連れ戻そうと、様々な魔法を扱う刺客や超強力なモンスターを送り込む。 だが、「これも父上からの試練なんだな」と勘違いしたメルキスは片っ端から刺客を返り討ちにし、魔法をコピー。そして、その力で村をさらに発展させていくのだった。 こうしてロードベルグ伯爵家は破滅の道を、メルキスは栄光の道を歩んでいく……。 ※この作品は他サイト様でも掲載しております
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8 125【書籍化】「お前を追放する」追放されたのは俺ではなく無口な魔法少女でした【コミカライズ】
【書籍化・コミカライズ】決定しました。 情報開示可能になり次第公開致します。 「お前を追放する!」 突然、そう宣告を受けたのは俺ではなく、後ろにいた魔法使いの少女だった。 追放の理由は明白で、彼女が無口で戦闘の連攜がとれないこと、リーダーと戀人になるのを拒んだことだった。 俯き立ち去ろうとする少女を見た俺は、リーダーが魔法使いの少女に言い寄っていたことを暴露して彼女の後を追いかけた。 6/17 日間ハイファン2位総合9位 6/19 日間ハイファン1位総合3位 6/22 週間ハイファン1位 6/24 週間総合5位 6/25 週間総合1位 7/5 月間ハイファン1位月間総合5位
8 147王女は自由の象徴なり
ラーフェル王國の第一王女として生まれたユリナ・エクセラ・ラーフェルは生まれ持ったカリスマ性、高い魔法適性、高い身體能力、並外れた美しい容姿と非の打ち所がない完璧な王女だった。誰もが彼女が次期女王になるものだと思っていた。 しかしユリナは幼い頃、疑問に思っていた。 「どうして私が王様なんかになんなきゃいけないの?」 ユリナはずっと王族の英才教育を受けて大切に育てられた。しかし勿論自分が使うことができる自由な時間などほとんど存在しなかった。そんなことユリナは許さなかった。 14歳となったある日、ユリナは自由を求めて旅に出た。平たく言うとただの家出だ。 「私は誰もが自由を求めるチャンスはあって然るべきだと思う!絶対誰かの言いなりになんてならないんだから!」 (本編:邪神使徒転生のススメのサイドストーリーです。本編を読んでいなくてもお楽しみ頂けると思います。)
8 108異世界転移で無能の俺 ─眼のチートで成り上がる─
淺川 祐は、クラスでの異世界転移に巻き込まれる。 しかし、ステータスは低く無能と蔑まれる。 彼が唯一持ったスキル「眼」で彼は成り上がる。
8 139鸞翔鬼伝〜らんしょうきでん〜
古くから敵対してきた不知火一族と狹霧一族。 銀鼠色の髪に藍色の瞳の主人公・翔隆は、様々な世代の他人の生と業と運命を背負い、この戦亂の世に生まれた。 戦國時代の武將達と関わりながら必死に生きていく主人公の物語。 続きはpixivfanbookやエブリスタ、Noteにて販売します。
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