《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》
奈緒ちゃんの家に來るのは、久しぶりのような気がする。
「2人ともゆっくりしていってね」
そう言って奈緒ちゃんの部屋へと案されたが、やはり落ち著けるわけがない。
楓なんて、言うまでもなくソワソワしている。
それもそうだ。
目の前で制服をいで下著姿なんて見せられたら、誰だってソワソワしてしまうだろう。
ましてや著替えというのは、誰も見ていないところでするものだ。
しかも下著までごうとするものだから、私が全力で阻止してしまった。
「著替えは後にしようね、奈緒ちゃん」
「でも。下著が汗だくで──」
「弟くんが見ているんだよ。せめて私たちが帰るまで我慢できない?」
「できるけど……。汗だけはどうしても……」
奈緒ちゃんにとっては、全になる恥ずかしさよりも汗をかいた下著の方が気になるみたいだ。
まぁ、仕方がないかもしれない。
楓の前では、結構オープンになっていたから。
になるのに対しては、もう抵抗がなくなってしまったんだろう。
「せめて弟くんが見てないところで著替えようよ」
「どうしてもダメなの?」
奈緒ちゃんは、なぜか懇願するかのような眼差しで私を見てくる。
こればっかりは、本人の恥心の問題もあるから、一概にダメとは言えない。言えないんだけど……。
「どっちかといえばダメかな」
私の口からは、そう言えていた。
これも楓のためだ。
奈緒ちゃんには、我慢してもらわないと。
楓にとっては、もう鼻が出るほどの刺激にはならないのかもしれないけれど、それでもの子の全を見るのは良くない。
本音を言えば、私の全だけで満足してほしいという気持ちもある。
しかし奈緒ちゃんが、私の言うことなど聞いてくれるはずもなく。
「香奈の言うことはわかるけど……。あたしも、もう我慢できないんだ」
そう言って私の制止を振り切り、奈緒ちゃんは下著をぎ始めた。
こうなると私でもどうにもならない。
奈緒ちゃんのちょうどいい大きさのがあらわになる。
「わわっ!」
楓は、慌てた様子で後ろを向いていた。
まぁ、そうなるだろうね。
楓にとっては突然のことだから、奈緒ちゃんのそうした兇行にはたじろぐしかない。
奈緒ちゃんは恥ずかしがる様子もなく、逆に思案げな表を浮かべていた。
「なんで後ろを向く必要があるの? あたしのには、なんの魅力もないのかな?」
「そういう問題じゃ……。さすがにそれはちょっと──」
「そうだよ。私だって、そんな風には──」
私は、奈緒ちゃんの綺麗なを見て、思わず赤面してしまう。
私よりはの大きさはないが、それでもそのに見合ったそれなりの大きさに育っている。それにしだけ日焼けしたようなが健康的な印象を醸し出していた。
ちなみに下半のあそこにはが生えてはいない。
──いや。生えてないというよりか、しっかりと手れがされているといった方が正しい。
私だって楓に見せる時は、それなりに準備をしてからだから、同じだろう。
「ほら。楓君。あたしを見て」
奈緒ちゃんは、後ろを向いている楓のその顔に優しく手を添えてゆっくりと奈緒ちゃんの方を振り向かせる。
楓の視線には、奈緒ちゃんのがしっかりと映っているはずだ。
「あっ」
楓の表がみるみるうちに真っ赤になっていく。
奈緒ちゃんは、私に見せびらかすかのように楓の顔をちょうどよい大きさののところに押しやり、そのまま抱きすくめる。
「どう? 香奈のより気持ちいいでしょ?」
「えっと」
楓は戸っている様子だ。
いきなり奈緒ちゃんのに顔を押し當てられたら無理もない。
當然のことながら、それが納得できない私がいるわけで──
「ちょっと奈緒ちゃん。それって、どういう意味?」
私は、ムッとした表で奈緒ちゃんを見る。
奈緒ちゃんは、悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。
「さぁ。なんのことかな? 香奈ならわかるんじゃないかな?」
きっと私のの大きさを見て言っている。
そんなことは、奈緒ちゃんの視線を見ればまるわかりだ。
正直に言わせてもらえば、奈緒ちゃんのと私のでは大きさが斷然違う。
奈緒ちゃんのは、そんなに大きくはないけれど、に見合ったくらいの大きさはある。
私の場合は……。他のの子に比べるとしだけ(?)大きくて、時々邪魔にじるくらいだ。
よくうらやましいと言われることもあるけど、私的には楓にみしだかれた時くらいしか嬉しいとじることがないため、そこまで良いと思ったことはない。
楓も、そこまで私のをってくれないし……。
「奈緒ちゃんの場合は、そこは敏にじちゃうところだもんね。貴重な験だね」
「別に敏ってわけじゃ……。ただ楓君とはその……。今までどおりの関係でいたいっていうか……」
奈緒ちゃんは、楓の頭を優しい手つきででながらそう言っていた。
楓はというと、ただ黙って奈緒ちゃんのに顔を預けている。
どうにも出たくても出られないっていう狀態…なのかな。
そんなに奈緒ちゃんのは心地がいいのだろうか。
──いや。
私だって、負けてはいないはずだ。
しかし、それを張り合ったって何もいい事はない。
むしろ楓が嫌がるかもしれない。
「今までどおり…ねぇ」
私は、呆れた様子で奈緒ちゃんのことを見ていた。
逆に尊敬しているのだ。
奈緒ちゃんの部屋の中でとはいえ、よく楓にそんなことができるなと──
私だったら、奈緒ちゃんに気を遣ってそんなことは絶対にできない。
殘念なことに、私には2人きりでのスキンシップ以外でになる神経は持ち合わせてないから。
「香奈もになろうよ? きっと大丈夫なはずだから──」
「いや、私は──」
「やっぱりあたしがいるから、にはなりたくないのかな?」
「そういうわけじゃなくて……。私はその──」
さすがに奈緒ちゃんの部屋でになるわけにはいかない。
ましてや2人っきりじゃないのに全になるだなんて……。
奈緒ちゃんは恥ずかしくないんだろうか。
しかし、奈緒ちゃんは何かを悟っているのか意味深な笑みを浮かべて私に言ってくる。
「大丈夫だよ。この部屋には、あたしたちしかいないから。せっかくだから、楓君に選んでもらおうよ」
「あの……。僕の意見は──」
楓は何かを言いかけるが、奈緒ちゃんが素早く楓の口に指を添えて、これ以上何も言わせなくした。
「楓君には、あたしたちのを堪能してもらおうかな」
「いや……。さすがにそれは……。限度っていうものもあるし……」
楓は、そう言ってはいるものの、奈緒ちゃんには逆らえないみたいだ。
あたしたちって……。
私もその中にっているのかな。
奈緒ちゃんの態度を見るに、きっとそうなんだろう。
奈緒ちゃんにとっては、楓に人がいたとしても構わずにそれをやってしまうんだろうな。
まさに隙あらばっていうスタンスで、積極的にアタックしている。
それなら私は?
奈緒ちゃんみたいなことができる?
楓の気持ちを第一に考えてしまう私には、こんなことをするのは無理なのかな?
──いや。
無理なんかじゃない。
「大丈夫だよ。弟くんなら、私たちをけ止める事ができるよ」
私は、そう言って制服のブラウスをいでいく。
どうして奈緒ちゃんがいるとこうなるんだろう。
流れに乗ってしまうっていうか、奈緒ちゃんの雰囲気に合わせてしまうっていうか……。
「そ、そんなの無理だから!」
楓は、下著姿になった私を見て慌てて視線を背けていた。
そんなに拒否しなくてもいいのに。
それに私よりも奈緒ちゃんの方がいいって、どういうことなのよ。ちょっと納得がいかないかも。
「無理なことはないでしょ? 家では普通にしてるじゃない」
「それは……」
楓もそこまでは否定できないのか、改めて私を見てくる。
それに対して不満そうな顔をしてる奈緒ちゃんが対象的だった。
「ふ~ん。普通にやってるんだ?」
「いや、その……。奈緒さん?」
楓は、ゆっくりと奈緒さんから離れようとする。
奈緒ちゃんは、楓のことを離すつもりもないのかギュッと抱きしめていた。
「それなら、あたしだっていいよね? 楓君」
「え、いや、それはさすがに……」
「問答無用…かな」
どういう理屈なのかわからないが、奈緒ちゃんも負けたくはないらしい。
私だって負けたくはないから。
思い切って楓に抱きついていた。
「私のことも大事にしてくれるよね? 弟くん」
「ちょっ。待って……。これはどういう狀況なの?」
「そんなの──。自分で考えなさいよ。私たち、ここまでやってるんだから……」
「無理しなくても……」
「はっきり言っておくけど、無理なんてしてないからね。その辺はわかっておきなさいよね」
ここまできたらしくらい積極的にいっても許されるだろう。
楓も、そこまでは嫌がってはいないみたいだし。
「僕にも、我慢できることとできないことがあって──。2人になら、わかると思うんだけど……」
ボソリと呟くようにそう言っていたから、私たちには聞こえないように言ったんだろう。
「なにか言った?」
「いや。別に……」
楓は、迷いのない微笑を浮かべている奈緒ちゃんを見て、なにも言えない様子だった。
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