「あー……。せっかくの春休みも、殘り數日かぁ……」

私はベッドの上でびをしながら言う。

『ドララ』の世界に転生したのは、私が七歳の時。

その後いろいろあり、十三歳で王立學園に學した。

今の私は十四歳で、王立學園の第二學年に所屬している。

この春休みが明けたら、第三學年になるわけだ。

最終的には第六學年まであって、卒業後は王都や各地方で要職に就くことになるらしい。

現代日本で言えば、私は名門の中高一貫校に通っているようなものだ。

……ま、それはともかく。

「新學年に向けた制服も屆いたことだし、そろそろ気持ちを切り替えないとね……」

新學期の初日は、新生の學式が行われる。

私は主役ではないが、アディントン侯爵家の令嬢として相応しい振る舞いが求められることになる。

「とりあえず、試著をしてみようかしらね……」

私はクローゼットから新しい制服を取り出す。

今の私は長期なので、新しいサイズのものを用意してもらっていたのだ。

「ん……？　あれ……？」

そこで私は違和を覚える。

何かがおかしい。

何が変なのか分からないが、とにかく違和を覚えた。

「あっ……。がキツくなってる……。部のボタンが今にも弾け飛びそう……」

おかしいな。

一流の仕立て屋さんが作ってくれたものなのに……。

私は自分のに手を當てる。