《【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…》109.第七王子は自己犠牲の神を見せる

「前回までのノア様ですわ! 全世界を統一し、世界統一國家を樹立した天才、ノア・カーター様! 順調に見えたノア様の歩みを邪魔する……天からの使い! そう、神々がノア様の前に立ち塞がったのですわ! 神の卑劣な手により、我らが仲間であり、ノア様の一番メイド、リスタ様が神の手により連れ去られてしまう! 我らがノア様は、帝國の民を引き連れて、ついに、神との全面戦爭に臨むのでありましたわ……!」

……ある日の帝國、帝城前にて。

俺の婚約者こと、サラディアス=フォン=グラハムが、虛空に向かって何かを喋っていた。

「サラおまえ……どうしたんだよ……」

「四ヶ月も更新が空いたから、前回までの振り返りしてるんすよ」

俺の相棒、ロリエモンこと、ロウリィがあきれたようにつぶやく。

「なんだよ、四ヶ月? 更新って」

「さーね。んで、どうするんすか、ノア様、これから」

さて、狀況はさっきサラが説明したとおりだ。

現在、このアホ帝國は、世界を統一した。

しかしこの星には神っていう、厄介な上位存在が居るらしい。

その神連中は、リスタを連れ去ったんだってさ。

んで、帝國の優しき帝王は、連れ去られた部下を取り戻すべく、神と戦うことにしたんだってー……へー……。

「んじゃ、頑張って。帝王」

ぽんっ、と俺は黒髪の犬耳娘……ナベリウスの肩を叩く。

「ちょっと待て、なぜオレ様が!?」

「頑張って大ダーク帝國の帝王、ナベリウス陛下」

ぽんぽん。

「おまえ! 丸投げしようとしてるな! めんどくさいから!」

「うん」

「素直すぎる!」

だってさー……もーさー……めんどくさいじゃーん!

なんか世界は統一されちゃってるし、神と戦うことになってるし……。

「俺がまたなんかやったら、まーたSしちゃうんでしょ? ぼくもうしってるもん!」

Sとはさすがですノア様の略、【さすノア】の略の【S】。

俺はなぜか知らんが、何をやっても上手く行く呪いがかかってるのだ……!

「俺はね、學びました。俺が何をしても、上手く行ってしまうんだって。俺……そういう星の下に生まれてる……天才だから……」

「109話にしてよーーーーーーーーーーーーーやく學んだんすね」

「ちょっと自畫自賛してるのがムカつくな」

黙れアニマルズ!

「つーわけだ、二代目皇帝。後は任せた」

「ノア様!?」

俺は集まっている、帝國の鋭たち(四バカ四天王とか)に向かって言う。

「聞け! 我がしき帝國の民達よ……!」

ピタッ……!

雑談をやめる帝國民たち。

しき帝國の民笑」

「心にもないことを……」

「まーたかっこつけっすよ」

「廚二病って治らないんだな」

あとでアニマルどもは処しておこう。

「ノア様、どうなされたのですかっ?」

サラが代表して、俺の元へとやってくる。

俺は厳かに言う。

「本日このときをもって、俺は……大ダーク帝國の皇帝を、やめる……!」

「「「「!!!!!!!!!!!」」」」

驚愕に目を見開く、帝國の民達。

いやまあそうなるよね……。

いやしかし……反対されるんだろうなぁ。

まあいい、もし反対するようなら、暴力で解決してやるぜ!

「「「「なるほど! わかりました!」」」」

あ、あれぇ……?

なんかあっさり、納得してるんですけど……?

「お、おお……やめるぞ? 本當にやめちゃうよ?」

「「「「はい、どうぞ……!」」」」

「お、おまえら……! 皇帝をやめるってこと、本當にわかってるのか!?」

「「「どうぞどうぞ!」」」

な、なんかすんなりいきすぎてて……怖い……!

「ろりえもーん、なんか怖いよー」

「確かにちょっとすんなり行きすぎっすね」

「だしょー? どう思う?」

「まーた暴走してさノするんじゃあないっすか?」

だよね!

絶対そうだよね!

「サラ」

「はい!」

「余計なことをするなよ?」

「わかってます!」

わかってるのかなぁ……?

「サラ」

「はい!」

「本當に、余計なことすんなよ?」

「心得ております……!」

俺、ロリ、ナベの三人が首をかしげる……。

もうね、ここまで々あったらね、何かあるんじゃあないかってね、思っちゃうわけですよ。

「サラ」

「はい!」

「俺が今から何をするか、言って見ろ」

するとサラたちが、ニコニコしながら、に手を置く。

「言わずとも、心得ております」

それを言えって言ってるんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

絶対何か勘違いしてるでしょ!

「いいかおまえら! 俺は皇帝をやめます! 何もしません! おまえらも変に暴走してはいけません! わかりましたぁ……!?」

「「「おっけー!」」」

素直すぎて全然OKじゃねええええええええええええええええええええええええええ!

「ノア様が人間不信になってるっす」

「まああんだけMしてSを繰り返してたらな」

うわーん、人間こわいよー。

「あんたも人間でしょーに」

「いや馬鹿《シングルタスク》だろ」

「言えてる笑」

アニマルズを魔法で圧した。

「や、やめるぞ! おまえら、俺、やめちゃうからな!」

「「「「どうぞどうぞ!」」」」

「いいんか!? 本當にやめちゃうぞ!?」

「「「どうぞどうぞどうぞ!」」」

ひーん、やっぱり何か勘違いしてるよこいつらぁ。

俺本當にただやめようとしてるだけなのにぃい!

ああもういいや!

めんどくせええ!

「じゃ、じゃあなおまえら! あとのことはナベに全投げするから!」

「あ、おいノア様!」

「じゅわっち!」

俺は両手を前に突き出して、空に向かって飛んでいく。

ふはははは!

さらば悪魔の地!

俺は皇帝とか帝國とか、神との戦爭とか全部投げ出しておさらばだぜ……!

ばごおぉおん!

「ん? なんだ?」

『何かぶつかった音したっすね』

いつの間にか、ろりえもんが貓の姿になって、いつも通り肩に乗ってやがった。

まあいいか。

「まあいいや! じゅわっと!」

《サラSide》

「さすがですわ……ノア様……」

地上に取り殘されたサラは、今し方飛び去っていったノアを見つめながらつぶやく。

「おいサラ」

同じく殘されたナベリウスが、サラに尋ねる。

「さすがって、何がだ?」

「ノア様は、お一人で神との戦いに出向かれたのですね……!」

……ノアが思っていたとおり、サラたちはとんでもない勘違いをしてたようだ。

「ノア様は……単で神々のいる天界へと向かう、そうおっしゃっておりました」

そんなことは、言ってない。

「皇帝の座をやめたのも、自分にもしものことがあったときのための保険。神との戦いで命を落としたとしても、帝國が運用できるように……と。そうおっしゃっていたのです」

そんなことは、みじんも言っていない。

「いやノア様そんなこと言ってない……」

「言わずとも、我ら帝國の民は、長くノア様はのおそばにおりましたゆえ、我らは以心伝心の間柄ですわ」

以心伝心どころか、一度たりとも意思疎通ができたことなんてなかった。

「つまり……なんだ? ノア様は帝國の民が傷付くのを観てられないから、一人で神々の元へ向かったと?」

「ええ。その証拠に、ノア様は神の1柱を倒しましたわ!」

はて? とナベリウスが首をかしげる。

「いつ?」

「ついさっきですわ。ほらそこ」

地面に、ぼろぞうきんのように転がっている、男がいた。

明化の力を持った神ですわ。ノア様はじゅわっち! って飛んでいったときに、この神の腹をぶちやぶっていきました!」

全くの偶然であった。

確実に、ノアは神の接近に気づいていなかったのだろう。

「ノア様……わたくしたち帝國の民たちのために……一人で戦地へ赴くなんて……! なんてしい自己犠牲の神なのでしょう!」

うっうっうっ……と帝國の民達が涙を流す。

ナベリウスは「え、引く……」とドン引きしていた。

「戦地へ赴くノア様に、一同、敬禮……!」

びしっ、と帝國の鋭たちが敬禮する。

一人殘されたナベリウスは、「ええと……」と困したあと……。

「ど、どうしてこうなったー……」

この場にいないノアの代わりに、そうつぶやくのだった。

かくして、帝王ノアと、神々との最終戦爭が、発したのである。

【★あとがき】

なろうで連載中の別作品、有名VTuberの兄、書籍版がいよいよ発売されます!

11/15にGA文庫から発売!

予約始まってます!

よろしくお願いします!

https://www.sbcr.jp/product/4815619374/

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