《【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…》110.第七王子は囚われのを助けに行く

前回までの俺!

嫌なことは全部捨てて、逃亡……!

「とは言ってもだ……どうするかね、これから」

俺ことノア・カーターは、大ダーク帝國(笑)とかいう、頭のオカシイ國の帝王になっていた。

それがもういやでしょうがなくて、全てを投げ出し、貓ロウリィと逃げてきた次第。

『まさかのノープランすかノア様……』

「俺が今まで周到な計畫を立てて実行してきたことあった?」

『ノア様……! 大丈夫っすか!?』

ロウリィがなんか心配してきた。

『110話にして、やっとまともなこと言ってるっすよ! ぐえええええ』

「さっきのはね、反語なの! 計畫してきたよねって賛同してしかったの!」

ロウリィをぞうきん絞りの刑に処した。

まったく、失禮なアニマルだ。

『でも、実際どーすんすか? これから。地上は世界統一國家になってるし』

「だよなぁ、地上にいたら早晩、頭のイカレタ國民どもに見付かるしよ」

『じゃあ海中とか?』

「頭のオカシイ國民が追いかけてそう……」

『確かに……』

今まで逃亡を試みたことは數度會った。

しかしその都度あいつらは追いかけてくるのだ……。

「そこで、天空です!」

『空っすか? でも神竜族さんたちがいるっすよね?』

なんと空にも俺の信者がいるんだよ!

なんでいるんだよ!!!!!

「じゃあ、もっと上だな」

『もっと……? 宇宙とか?』

「さすがに……」

『あ、さすがのノア様も宇宙は無理っすよね』

「宇宙は余裕だけどなーんもないからなぁ」

『いけるんかい!』

いけます。

俺に不可能はない。(垣間見える闇)

『神竜族がいる空でもなければ、宇宙でもない。んじゃどこいくんすか?』

「當てはあるのだ。こないだ、神竜族のとこいったときに、魔神とかいう変なのがいただろ?」

『読者覚えてねーっすよ、半年前のことなんて』

半年ってなんだよ。

つい最近の話してんだろ。

「とにかく、空飛んでたら偶然、良いじのとこ見つけたんだよ。そこでロウリィ、おまえと二人、を育もうぜ」

この白貓は俺のしい人なのだ。

『や、やだ……もぉお~……ノアッチ、そんな……かっこいいこといって……きゅん……♡』

ロウリィのやつも照れてやがった。

くくく、かわいいやつめ。

「そんじゃ、行き先は決まったな。おさらば地上! 俺は天で暮らす!」

『天で暮らすとか、いよいよゴッドノア(笑)化してきたっすね』

「やめて……! ゴッド・ノアやめて!!!!!!」

頭のおかしな連中に、なぜか俺は神扱いされてるんだよ!!!!!!

「つっても、神扱いってだけで、まじもんの神ではないんだけどな」

『それはどーっすかねえ』

「んだよそれ」

『伏線』

「ロウリィ、おまえ最近変な発言多いぞ? 頭大丈夫」

『あんたにだけは言われたくねーっすわよ(ぴきぴき)』

そんなわけで天を目指す俺たち。

『つか、リスタって捕まってたんすね、神に』

ロウリィがふと、そんなことを言う。

「あー……そんなことサラが言ってたな。初耳だったわ」

『あの何考えてるンすかね、神に捕まるなんて。神もまた何考えてるんだか』

「…………」

『ノア様?』

俺は空を飛びながら、今までのことを思い出す。

「ロウリィ……思えば、俺たち、遠くにきたもんだなぁ」

『なんすか急に、最終回なんすか?』

なんだよ最終回って……。

「いや、ふと思ってな。俺が今、帝王だのゴッドノア(笑)だのと、言われるようになった元兇って、リスタだったよなぁって」

『ああ、まあ。左遷先で真っ先に、あのに実力バレましたからね。そっから芋づる式にずるずると』

「だよなぁ~……あいつさえ居なきゃ、今頃俺はのんびりスローライフを謳歌してたわけだ」

だって言うのに、今じゃゴッドノアですよ……。

ハー……やれやれ。

「リスタが居なきゃ、今頃なぁ」

『ノア様……?』

「そうだよ、リスタは俺にとっちゃ、最大の障害なわけだ。いないほうがいいわけよ。いなくてせいせいすらい」

やがて俺は神竜族のいる雲の、さらに上を目指してく。

すると、明な結界が俺の前に現れた。

『なんか、やべー結界っすね』

「じゃま」

俺が拳をたたきつける。

ばきっ!

ぱきぃいいいいいいいいいいいん!

「うし、行くか」

『行くって……ああ』

ロウリィが、なーんか、あきれたようにつぶやく。

『あんた……行くんすね。リスタを助けに』

……ちっ。

さすがロリエモン、付き合いが長いだけあるぜ。

「はぁ~? リスタを助けるぅ? なーんで俺があの悪魔……いや邪神を助けなきゃいかんのだ!」

俺は結界をぬけ、そして……。

しゅばっ、と雲の上の世界へとたどり著く。

その場には神気《しんき》……神の気であふれていた。

つまりここが神の世界ってわけであり……ここに、リスタがいる。

「な、なんだ貴様!」「人間が神の世界になんのようだ!!!!!」

俺の前に、翼を生やした人間っぽいやつらが現れる。

そいつらは、あれだ、天使だな。

俺は天使たちにむかって、にやりと笑う。

「くくく! 俺の名前は、ノア・カーター! リスタってに用があって參上した」

「なにぃ!? リスタルテ様に!?」

は?

リスタルテ……? 誰……?

まあいいや!

「俺はリスタを、返してもらう!」

「なにぃ!? 一何が目的なのだ!?」

「目的か……くっくっく! 簡単なことよ! この神の世界……俺がいただくためさ!」

「なにぃいいい!?」

にやりと笑うと、ロウリィがあきれたようにため息をつく。

『なんすかその演技……』

「あ? 演技じゃあねえよ。この神のいる世界を俺が手にれるんだよ」

『リスタを返せっていうのは?』

「ここにリスタがいたら、神の世界で俺がのんびりできないだろ? だから、リスタは助ける。そんで、地上へぽいする!」

ふふん、俺の華麗なる隠遁生活、ファイナルフェーズってわけだ!

「あの邪神のいない神の世界で、のんびりスローライフを送るんだぜ! リスタを助けるのは、まあ、ついでだついで!」

『ふーん……』

によによ、とロウリィが意味深に笑う。

「んだよ……?」

『別に。ただ……ノア様もお人好しだなって』

「あ? 意味わかんねー」

『こーゆーの、ツンデレっていうんすかね。ホントはリスタを純粋に助けたいだけなくせに』

ちっ……長年連れ添ったアニマルは、ごまかすのもめんどっちいぜ。

「ふはっはあ! 馬鹿めぇ! 俺がしたいのは神の世界を乗っ取り! それだけだ!」

『はいはい、お供するっすよ。変!』

カッ……! とロウリィが白い竜へと変貌を遂げる……。え!?

「誰!?」

『ロウリィっすよ!』

「なんだロウリィか。がないから誰かと思ったぞ」

『コミカライズ版第一話と同じリアクションしてんじゃねーっすよ!』

なんだよコミカライズって……。

そこへ、神の手先である天使どもが、ぞろぞろと現れる。

「人間風が!」「神の世界に単乗り込むなど!」「命知らずにもほどがあるぞ!」

俺はロウリィの頭の上に乗っかる。

そして……くくくと笑う。

「この世界は俺がもらうぜえ! いくぞロウリィ!」

『はいはい、ゴッドノアの仰せのままに!』

かくして、神の世界を手にれるべく、俺とロウリィは、侵攻を開始するんだった。

ま、リスタはついでだ、ついで。

別にあいつのことなんて、全然これっぽっちも、気にしてないんだかねっ。

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