《【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…》117.第七王子は神を圧倒する
俺は信者どもの、俺をたたえる聲をうけて、進化した。
神リスタルテよりも強い神格を獲得したのだ。
「さぁ、こいよ神。格の違いってやつを見せてやるよ」
目の前には黒白の翼を持つ神、リスタルテ。
月面にて、俺たちは向き合っている。
【く、喰らいなさい!!!!!!!】
リスタルテは翼を広げる。
そこから羽を無數に飛ばす。
『レーザーが來るっすよ!』
『避けろ、ノア様!』
アニマルズがぶが、俺は避けない。
レーザーは……すべて、俺を避けていった。
【ば、馬鹿な!? 運命作によって、必中効果が付與されたレーザーがどうして!?】
「ハッ! なーに驚いてやがるんだい。おまえがやったことだろうが」
俺が不敵に笑ってみせる。
一方、リスタルテは揺していた。焦ってまた同じレーザーを撃ってくる。
だが飛んできたレーザーはやはり俺を避け、今度は方向を変えて、リスタルテに強襲する。
無數のレーザーがリスタルテのをだらけにした。
【ど、どうして……?】
「お優しい俺が教えてやろう。おまえの運命作の力を、模倣させてもらった」
【能力の、模倣!? 馬鹿な! 神の力ですよ!?】
「神だろうがなんだろうが、俺に力を見せたのが運の盡きだな。闇の大賢者ノアールが、最も得意なことをお忘れのようだ」
俺を転生させたのは、リスタルテ本人だというのによ。
『ど、どういうことっすか?』
「闇の賢者時代の俺は、獨學で魔法を學んだんだよ。モンスター、魔法使い、あらゆるやつらの使う魔法を見て、覚えた。それゆえに、俺はどんな力も、一度見ただけで模倣できるようになったんだよ」
最初、俺は何も持たない人間だった。
でも俺は闇の賢者という人生のなかで、敵の能力を模倣する力をにつけた。
【く、くそ! ならば……より強く運命作の力を付與し、理攻撃だ!】
「はっ、かかってきな」
リスタルテの手に、黒いのバスターソードが握られる。
俺はその場から逃げない。
【消え失せろ、塵芥!!!!!!】
リスタルテの高速斬撃。
だが、俺はその攻撃を……正面からピタッ、とけ止めた。
【刃をけ止めるですって!? を越えた速度の斬撃で、しかも斬撃には必中の力を付與されてるっていうのに!? どうやって!?】
「白銀の剣聖の力をお忘れのようだなぁ」
今度は、剣聖の力を見せてやる。
「白銀の剣聖の特技はよぉ、白羽取り! どんな攻撃もけ止めることができるんだよ!」
俺は両手でけ止めた刃を、へし折ってやる。
唖然とするリスタルテの土手っ腹に、けりをお見舞いしてやった。
【うぎゃあああああああああああああああああああああああ!】
リスタルテがぶっ飛んでいく。
途中にあった星々を砕きながら、遙か遠くへと飛んでいった。
ま、あんくらいじゃ死なないのはわかってらい。
目の前に、リスタルテが転移して帰ってくる。
【どうなってる……!? なぜ、わたしの能力が効かない!?】
「おまえは人間を舐めすぎなんだよ」
闇の賢者、白銀の剣聖。
俺は二度の人生を経験してきた。
「おまえは結果のみを重視してたようだがなぁ……人間、結果より過程のほうが重要なんだよ」
二度の人生を通して、俺はあらゆる魔法をにつけ、あらゆる剣の技をにつけた。
「どんな気持ちだ? 課程を軽んじたおまえが、その課程でにつけた力に、圧倒される気分はよぉ?」
人様の運命を、気軽にいじってきたから、やつは気づけなかったんだ。
人生は、その過程で、いろんなをにつける。それがすごい力となることを、やつは知らなかった。だから、負けるんだよ。
【ぐ……くくく! あははは! 愚か者! あなたのやってることは無駄なんですよ!】
『なんすか急にこいつ?』
ロウリィの問いかけにリスタルテが応える。
【わたしの目的は死ぬことです。あなたはわたしを攻撃し、殺そうとしてる。でもそれはわたしのむところ! あなたが勝とうが負けようが、わたしの目的は達させられるんですよ!】
まあね。
たしかにこいつは死にたがっていた。俺が殺したらラッキーってやつだ。負けてもいい。
一方俺は、リスタルテを殺してしまったら、リスタを助けるってい目的は達できない。
殺さなかったら、逆にやられる。なるほど、俺の方が不利。
「と、思うじゃん?」
そのとき、リスタルテの背後から、ナベリウスが出てくる。
やつは影に潛り込むことができる。
「ナベ! やれ!」
リスタルテの翼の間から、黒い影の手が湧き出てきた。
【これは影の手!? 悪魔の力か!】
「ああそうさ。俺に夢中で、ナベが近づいてることに気づかなかったようだな神様よぉ!」
ナベリウスの作った影の手によって、リスタルテは拘束される。
今だ……!
「ロウリィ! こい!」
『な、なんかよくわかんねーけど……とりゃー!』
左手で白貓をわしづかみにすると、俺は右手を開く。
そこには、黃金に輝くが凝されていた。
「ロリエモン! In 神の力!」
俺が戦闘中に構築した式を、ロウリィに付與する……!
かっ! とロウリィのがり輝く。
そこには、白銀でできた、1本の長刀が出現した。
刃には竜の文様が刻まれている。
「これぞ青龍刀ならぬ、白竜刀!」
【く! 離しなさい! はなせ……!!!!!!!!!!!】
ナベが神を拘束してる間に、俺は白竜刀を構える。
「いくぞ! ぜりゃぁあああああああああああああああああああああ!」
俺は白竜刀を持ってリスタルテに接近。
その刃の切っ先を……。
ドスッ……! とリスタルテの眉間に突き刺す。
『ノア様!? どうするんすか!? リスタの死んじゃう……』
【ば、馬鹿な!? なぜわたしが生きてるのだ!?】
『うええ!? 生きてる!? なんでぇ!?』
無知なるこいつらに教えてやる。
「白竜刀はロウリィの力が付與されている。ロウリィの力……すなわち、再生の力がな!」
つまり、この刃ではを傷つけることが決してないのだ。
傷つけるとノータイムで、傷ついた細胞が、ロウリィの再生の力によって治されるわけだからな。
【い、意味がわからない! 人を殺せない刀を作って、それで何をするつもりですか!?】
「てめえの中に、らせてもらうぜ!」
俺は、構築した魔法を発させる。
かっ……! と俺とリスタのが輝き出す。
「神を転寫する魔法……発!!!!!!」
刀を通して、俺はリスタルテののなかに、自分の神を転寫する。
『リスタの魂を回収してくるんすね!?』
「そういうことだ! いってくるぜ、アニマルズ!」
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