《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》239話 エドワード王子からの依頼-2

「前にも言ったが、俺は新生徒會の副會長を務めることになった」

「…………」

そうだっけ?

いや、確かにそんなことを言っていた気もする。

王立學園の生徒會は第四學年から第六學年までの生徒で構される。

私はまだ第三學年だが、一つ上のエドワード殿下は第四學年。

王子でもある彼が、経験を積むために生徒會りするのは自然な流れだろう。

「俺が副會長になったからには、王立學園をより良いものにしたいと思っている。その始まりとなる學式も、これまでとは一味違ったものになるように調整をしてきた」

「はぁ……。それは素晴らしいですね」

「そこでだ! その學式の完度をより高めるために、イザベラに協力してもらいたいのだ!!」

エドワード殿下は熱っぽく語る。

しかし、協力と言われても何をすればいいのだろう?

私に出來ることなんて、限られている。

ああでも、『覇気』のおかげで力仕事はできるか。

生徒や來賓客のための椅子を並べるくらいなら、私でも出來るだろう。

「承知しました。私でよろしければ、お手伝いいたします」

「おお、ありがとう! さすがは俺の婚約者だ!!」

「あはは……。婚約の件は、保留としたはずでは……」

「細かいことはいい! では、イザベラも參加してくれるということで調整しておくぞ!! 今年の新生には問題児が何人かいるようだが、そいつらもまとめてひれ伏すだろう! イザベラの前ではな! はーっはっはっは!!!」

エドワード殿下は高笑いしながら去っていった。

ずいぶんと上機嫌だ。

「……あれ?」

私は首を傾げる。

し妙なことを言っていた気がする……。

私が任されたのって、椅子を並べたりする力仕事だよね?

大丈夫かな……。

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