《僕の姉的存在の馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜》
楓が持ってきてくれた洋服は、どれも清楚なじのいかにもであるが無難な印象のものだった。
「どうかな? 似合いそうなものを選んでみたけど……」
楓の表を見るとあきらかに不安そうな顔をしている。
こんな時、どんな顔をして楓に接したらいいんだろう。
選んできてくれた服裝が嫌なわけじゃない。
むしろ私のためにわざわざ選んできてくれたのは、率直に言って嬉しいくらいだ。
「うん。ありがとう、弟くん。さっそく試著してみるね」
正直に言うと嬉しさを隠しきれない。
とりあえず、試著室に行って楓が選んできてもらった洋服を試著してみよう。
「うん。わかった」
楓は、その場で待つみたいなスタンスを取り始める。
どうやら、試著した姿を見るつもりはないみたいだ。
「來ないの?」
「えっ」
「弟くんは見てくれないんだ? せっかく選んでくれたのに──」
「え、いや……。でも……」
楓は、なにやら言葉に迷っているみたいなじで周囲を見始める。
若いの店員さんの視線が気になるみたいだ。
たしかに店員さんたちの視線は、私たちに注がれている。
こっちが気にする必要はないけど、それでもカップルでの來店はめずらしいんだろう。
楓にとっては、それなりに恥ずかしいみたいだ。
恥ずかしがる必要なんてないのに……。
「やっぱり気になる?」
私は、とりあえず訊いてみる。
何に関してなのかは、人によるから追求はしないが。
楓は、神妙な表を浮かべて言った。
「うん。正直に言うと……」
「そっか。それは困ったね」
「だから僕はここで──」
「それなら、私だけを見てれば気にならないよ。行こう」
「えっ」
私は、楓の手を取って一緒に試著室の近くまで行く。
恥ずかしいからっていう理由でこの場にいるなんていうのは理由にならない。
デートなんだから、このくらいは我慢してもらわないと。
「それじゃ、著替えてくるね」
私は、そう言って試著室の中にる。
そして、試著室のカーテンを閉める直前に楓に言った。
「どっか行ったら、承知しないからね」
「う、うん。気をつけます……」
その顔は、どこかに行こうとしたな。
そんなの許さないんだから!
一応、念を押しといて改めてカーテンを閉める。
──さて。
楓が持ってきてくれた洋服を確認しようかな。
──なるほど。
ショートパンツに合わせた服裝か。
いつもスカートに合わせた服裝だから、かえって新鮮かも。
私の場合、ショートパンツとかにしてしまうと、かえってく見えてしまうこともあるから、なるべく避けてるんだけど……。
せっかく楓が持ってきてくれたものだから、たとえ試著でもうまく著こなしてみせようかな。
似合うかどうかは別として──
とりあえず、一著目の洋服は著てみたけど……。
どうだろうか。
私は、思い切って試著室のカーテンを開けた。
「どうかな? 似合っているかな?」
私は、試著してみた服裝を楓に見せる。
恥ずかしい気持ちは、正直に言うとある。
誰しも普段著ない服裝とかを彼氏とかに見せる時っていうのは恥ずかしいもの。
今は、まさしくソレである。楓はどんな反応を見せるんだろう。
楓は、笑顔で頷いていた。
「うん。よく似合っているよ」
「適當に答えてない?」
「そんなことないよ。やっぱり香奈姉ちゃんは、その服裝がよく似合っているよ」
「そっか。似合っているんだ。てっきり私は、スカートの方が似合っているのかなって思っていたよ」
「どうして?」
「弟くんの視線がね。気になるっていうか……」
「僕って、そんなに変な目で香奈姉ちゃんのことを見てたりしてたかな?」
「見ていたよ。それこそ的な視線でね」
私は、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「そんな目で見てないと思うんだけど……」
楓は、困ったような表でそう言っていた。
それでも私のことが気になるのか、私のことを見ている。
そもそも楓が私を気にするのは、私自がそう仕向けたからだ。
わざとスカートの中を見やすくするために座り方を変えたりして──
それがショートパンツだと、うまくできなくなってしまう。
こうなったら、次の洋服に期待してみよう。
「とりあえず、もう一著の方を著てみるね」
「う、うん」
楓が選んでくれたものだから、もう一著の方もきっと期待できる──と思う。
とりあえず、試著室のカーテンを閉める。
この洋服もなかなかいいんだけど、普段著にするにはちょっと抵抗が……。
私は、今試著している洋服をいだ後、もう一著の洋服に袖をとおしてみる。
次の洋服は、ショートパンツではなくスカートになっていた。
膝丈くらいあるスカートだから、そこまであざとくはならないだろう。
ここまでくると下著の方もこだわらないとダメなのかな。
楓には、私のことをたくさん見てほしいし。
私は、もう一著の洋服を著た後、カーテンをゆっくりと開ける。
「著てみたよ。──どうかな?」
そう言いながらも、私自も試著した洋服に目を通す。
似合っているかどうかは自分ではよくわからない。
なにしろ私は自畫自賛はしないタイプだから。
それ故に、無難と思われる服裝しか著ない。
楓はなんて答えるだろうか。
「うん。よく似合っているよ」
と、それこそ無難な返答。
私は不満げな表を浮かべて、楓に言う。
「お世辭じゃなくて?」
「お世辭を言えるほど、僕は用な人間じゃないよ──」
「わかってるよ。弟くんは、本音しか言わないもんね」
「それを言われたら……。香奈姉ちゃんだって──」
楓は、なにかを言いかけてやめる。
やっぱり私も人のことは言えないってことか。
そこは素直に認めるしかない。
「うん。そうだね……。それはたしかにあるかもね」
とりあえず私は、どっちの服裝の方が良いのか楓に聞いてみることにする。
「──それで。どっちがいいかな?」
「なにが?」
「弟くんは、どっちの服裝が好みなのかなって──」
「ん~。そう訊かれると、迷うな……。どっちも十分に似合っていると思うし」
楓は、困ったような表でそう言っていた。
まぁ、どっちも似合うと思って選んでくれたわけだし。
その質問は、困らせてしまうだけか。それなら──
「それなら、片方を選ばなければならないと思った時、どっちが良いと思う?」
「僕的には、そっち…かな」
「なるほど」
たしかに私が持ってる洋服には、膝丈くらいのスカートは無いかもしれない。
厳にはそのスカートはある。
あるにはあるんだが、それは楓の好みには合わないと思って穿いてないだけなのだ。
「よくわかったよ。弟くんは、こっちもイケる口なんだね」
「ちょっ……。そういう意味じゃなくて……」
楓は、なにかを取り繕うように口を開くが、言い訳にしかならないと思ったのか、途中でやめる。
どうせなんでも似合うとでも言いたいんだろう。
こんな時は、やっぱり素直が一番だ。
「わかった。今回は、こっちにしておくね」
すべてを楓に任せるわけにはいかない。
楓が選んでくれた洋服くらい私が買わないと。
デートの時くらいは彼氏に甘えたいが、それは次の場所でだ。
その間に、楓が他のの子にナンパなんてされなきゃ、それこそ最高なんだが……。
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