《【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~》第297話 未來の希
☆★☆★ コミカライズ更新 ☆★☆★
「アラフォー冒険者、伝説となる」第35話がBookLiveで更新されました。
若干くそ回ですが、クスッと笑えるシーンもあって、ボリューミーです。
是非読んで下さいね。
※ 後書きに新作の報がございますので、お楽しみに!
乙たちに迫り來るなりそこない(ヽヽヽヽヽヽ)。
そこに現れたのは、ヴォルフだった。
「ヴォルフ様!」
「ヴォルフ殿!!」
「ヴォルフはん!」
「來たか、ヴォルフ!」
アンリが、エミリが、クロエが、そしてヒナミが現れたアラフォー冒険者を嬉々として出迎える。
が、まだ危機が去ったわけではない。
彼やヴォルフの周りには無數の殺気が渦を巻いていた。
それぞれが気を引き締め直す中、なりそこないの背後で青白いが輝く。
「あっちもいるにゃあああああああああ!!」
青の雷とともに、雷獣と化したミケが現れる。
周りのなりそこないたちを蹴散らすと、目の前に著地した。
ヴォルフの橫に立ち、なりそこないを睨む。
ヴォルフもまた【カグヅチ】を構えた。
「行くぞ、相棒」
「あいよ、相棒」
【雷獣纏い】!
ヴォルフは青白い雷を纏う。
間髪容れず、飛び出すと地を抉って、敵に向かって行く。
昔の強敵も、エミルリアと王都前での激戦をくぐり抜け、さらに長したヴォルフの敵ではない。
青白い雷が閃く度に、10、20、50、100と森を囲うなりそこないたちをなぎ払っていった。
「ヴォルフ様、すごい」
「あれが今のヴォルフ殿」
「うちに教えを請うてた時が懐かしいわぁ」
アンリ、エミリ、クロエがそれぞれ武を下ろしたまま、ヴォルフの勢いに惚れる。一瞬、戦意を失った3名に叱咤したのは、まだ小さな【剣聖】ヒナミだ。
「何をぼさっとしておる。一息吐いたなら、我々も加勢するぞ」
ヴォルフの勢いは末恐ろしいものだが、なりそこないの數は今も増え続けている。
さすがにヴォルフ1人で請け負える數を超えていた。
「ヒナミ様の言う通りですね」
アンリが細剣の柄を強く握り締めれば。
「我々も加勢しましょう」
エミリは刀を納刀し、腰を落として抜刀の構えを取る。
「ならうちは後詰めやりましょか。うちは的に向かって行くよりも、向かってくる敵を切る方がに合ってるさかい」
クロエもまた仕込み杖の中に刀を納刀すると、後ろで避難する民たちの護衛に向かう。
「我らも加勢するぞ。刀を振れるものは鬨の聲をあげよ! 各々、ここがワヒトの地だと思って、全力で死守するのだ!!」
ヒナミは刀を掲げて、殘っていたワヒト兵たちを鼓舞する。
小さな【剣聖】の激勵に、刀士たちの士気は再び上がる。
「さすがは王様やね」
「茶化すな、クロエ。これもヴォルフのおかげだ」
相棒の雷獣と共に、なりそこないを蹴散らすヴォルフを見て、ヒナミが目を細める。
「時代と、そして國が違えば、間違いなくお主らと同じく惚れておっただろうな」
「何か言いはりました、ちっちゃい王様」
「なんでもない! 戯れ言だ。後ろは任せたぞ、クロエ」
「はいはい」
「はい。1回でいい!」
ヒナミはワヒト兵とともに、なりそこないに突撃していく。
エミリやクロエと違い、刀を鞘に収めず、大上段に掲げると、小さなを大きく反らした。
「王國流刀技――――」
【車斬り】!
ヒナミは跳躍すると、そのままぐるりと前方に回る。
強く、激しく回転を始めると、まさに車の如く回った。
小さな馬戦車が通り抜け、なりそこないたちを縦に何度も切り裂いていく。
その推進力を強く、あっという間に死の轍ができあがった。
「さすが【剣聖】! 拙者も負けてられんな」
エミリもまたなりそこないに飛び込んでいく。
刀は鞘に納め、柄に手を添えている。
を低くし、抜刀の構えを崩さぬままなりそこないに迫った。
「とくとご覧じろ、化け。これが拙者の新技――――」
エミリは急停止する。
その勢いそのままに刀を抜いた。
【紫電】!!
抜刀である【居合い】に、走る勢いと止まった時の勢い(ヽヽヽヽヽヽヽヽ)を加えたエミリの新しい技だ。
【居合い】の力強さはもちろん、加えられた力は周りの空気を弾く。
斬撃の勢いは殺されることなく、複數のなりそこないを一文字に切り裂いた。
橫でヒナミとエミリの活躍を見ていたアンリもまた発される。
「エミリ、やりますね。私も――――」
【旋巖突破(ドライム・グリル)】!!
剣の切っ先をなりそこないに向ける。
すると、闘気が渦を巻いた。これではまだ普通の【旋巖突破(ドライム・グリル)】。だが、アンリもまた強くなっていた。
そこに炎が合わさる。
渦とじり、噴火したばかりのマグマのように敵に迫った。
「ぜぁあああああああああああああ!!」
【旋巖突破(ドライム・グリル)・改】!
一時期魔法使いとして活していたアンリは、自分の剣技に魔法をプラスした。その一撃は難敵であるなりそこないを喰う(ヽヽ)。
火塊となったアンリに、次々と飲み込まれていった。
「ほぉ……。あっちのお姫様もやるねぇ。の力がせる業やろか」
ヒナミ、エミリ、アンリ、そしてヴォルフの活躍を、クロエは遠目に見ていた。
彼の後ろでは避難民たちが慌てて逃げている。1人転んだ子どもを見て、クロエは手をかざし、立たせた。
「坊、大丈夫か?」
「うん。ありが…………おばちゃん! 危ない!!!」
クロエと子どもに大きな影が落ちる。
振り返ると、そこにはなりそこないがいた。
いくら4人や兵たちが活躍しても、打ちらしはでてくる。
それだけ戦力に差があるということだ。
しかし、クロエは冷靜だった。
「うちに近づくなんて……。ホンマにアホやわ」
【無業】
最速最短。
メーベルド刀が掲げる理念の最終形態。
その技が子どもの前で閃いた。
瞬間、なりそこないが一刀に臥される。
クロエの戦う姿を見て、子どもは危機を忘れて興した。
「すごい! おば――――」
「坊」
「え?」
「おばさんやない。うちはまだ三十路前や」
「あ、ありがとう。おば――お、おねえさん」
「うん。わかればええんや」
子どもの頬に付いた煤を払う。
「うちと、うちらの仲間がおるさかい。頑張るんやで」
「うん!」
そして子どもは親元に戻っていく。
それを見て、クロエは笑みを浮かべた。
「いいなあ、子どもて。うちもやっぱしかったわ。でも、自分の子どもだろうと、他人の子どもだろうと、その未來は斷つのはアカン。あんじょう気張らんとな。そやろ、あんた」
クロエは黒い雲間に見つけた星を見つめるのだった。
☆★☆★ 「おっさん勇者は鍛冶屋~」最新話更新 ☆★☆★
拙作原作「おっさん勇者は鍛冶屋でスローライフ始めました」の第4話も
BookLive様で公開されました。こちらも是非よろしくお願いします。
あらすじ
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第4話でいよいよ新キャラも登場です。よろしくお願いします。
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