《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》最終章-35【アマデウスとの対決】

「ぐぅじょお~~……」

俺は寢そべりなから汗だくの額を地面に押し付けていた。腰を浮かせて額と爪先でを支える俺はへの字型になっている。まさか俺がこんな無様な格好で苦悩する日が來るとは思っても見なかったぜ。

への字だよ……。

腹を打たれてくの字になったことは何度かあるけど、への字は初めてだわ~。な、けない……。

「セ、セルフヒ~ル……」

間を両手で押さえる俺はセルフヒールを唱えた。俺の間でポワリと神に魔法が輝くと、間からズキズキする痛みが引いていく。更に俺はヒールを二回ついかした。それで間の腫れも引いて通常サイズまで大きさがんだ。

「これで良し……」

俺は三度のヒール後に立ち上がる。まだ、間に違和が殘るので、片手で玉位置を直した。

ごそごそごそ。

「あれ……」

玉位置を直していて気が付いた。初めてじる違和だ。

「何か可笑しいぞ……」

俺の額に嫌な汗が浮かぶ。先ほど急所攻撃を繰り返された際に流した冷たい脂汗とは違って、かなり生暖かい汗だった。

俺はワサワサと両手を間に當てて確認を繰り返した。だが、間違いない……。

愕然……。

「あれれ、タマタマが足りなくない……」

足りない。

可笑しい。

數が足りないぞ。

「ちょ、ちょっと待ってくれよ……」

確認だ。

再確認だ。

竿は一本確かにある。

袋もちゃんとある。

だが、中に鶉型のボールが一つ足りない。

「玉が、一個たりねぇぞぉ……」

驚愕に寒気が走る。顔面蒼白であった。

「ど、どうしよう……。何処かに落としちゃったかな……」

俺が顔面蒼白で落ち込んでいるとアマデウスが言った。

「玉がつぶれたままヒールを施したから、玉が潰れたまま回復したのだろうさ」

「えっ、なに、どう言うことですかっ!?」

「それがヒールってものだ」

「ちょっとよく分からないから、詳しく説明してくれよ!!」

「何故に私が……?」

俺はジャンプしてから膝から著地すると土下座をして頭を下げた。再び額を地面に付ける。

「おねげ~しますだ、アマデウスさん。無知なワシに詳しく分かりやすく説明願いますだべさ!!」

「いや、まあ、そのぐらいの説明ならば……。ごっほん……」

アマデウスは一つ咳払いをしたあとに説明をしてくれた。

「ヒールって魔法は傷を癒す魔法だが、質敵には対象の蘇生力を向上させる魔法なのだよ。だから軽い傷ならふさがり傷跡も消えるが、深いキズなら跡は殘る。だからセルフヒールやヒール、ハイヒールの類いは切斷された腕などはくっ付けられない。そこまでのダメージはグレーターヒール以上の魔法でないと治療は無理だ」

「要するに……?」

「潰れた玉はグレーターヒール以上でないと治せない」

「じゃあ、俺の玉は……?」

俺は地面を拳で叩いた。

「畜生、ならばあとでスカル姉さんにグレーターヒールで治してもらおう!」

アマデウスが他人事のように素っ気なく言う。

「それは、もう遅いぞ」

「えっ、なんで?」

俺は目を點にさせながら聞き直した。

「傷が塞がってるのに傷は治せないだろ。潰れて傷が治った片目は失明したままになるだろうさ。それと同じだ」

「えっ、マジで?」

潰れて治った玉は、潰れたままなのか……?

「當然の理論だと思うのだが」

「じゃあ俺は、一生片玉なのか!?」

「殘念だが、そうなるな」

「ひでぇ!!!!」

これから結婚を控えた若者に、なんたる仕打ちだよ。スバルちゃんが報われないぞ。若妻が泣いてまうがな。

俺が悲劇に絶していると、アマデウスがる拳を握り締める。

「まあ、そろそろお遊びも終わりにしたい。アスラン、第九から降りてもらうぞ」

アマデウスが前に跳ねた。一歩の跳躍で俺の眼前に迫る。

「ふっ!!」

アマデウスのローキックが絶にしゃがんでいる俺の頭部に放たれた。

「ざけんなっ!!!」

突如、俺の怒りが発した。怒りは素早さを加速させる。

俺は俊敏なきで腰のベルトからダガーを引き抜くと地面に突き立てた。するとカンっと刃先が鳴る。

俺のダガーは第九のい脳天に阻まれ突き刺さらなかったが、アマデウスが繰りだしていたローキックの蹴り足が止まった。

「痛っ!?」

激痛を蹴り足からじたアマデウスが片足で跳ねながら後退して行く。そして、蹴り足の脹ら脛からは失が流れていた。

「負傷だと!?」

アマデウスの足にはズボンを突き破り刺し傷ができていた。刃の刺し傷である。

「何故だっ!?」

俺は立ち上がるとアマデウスの足元にダガーを投げつける。

「投っ!!」

するとい床にダガーが跳ねると更にアマデウスの太が裂けて鮮を飛ばした。再びの負傷である。

「なんだ、これは!?」

「影を切ることで本を傷付けるマジックアイテムだよ!!」

【シャドーキラーダガー+1】

影を攻撃することで生命を傷付ける。

次に俺は異次元寶庫から手槍を取り出した。俺は手槍を両手で確り持つと腰の高さで構えながら切っ先をアマデウスに向ける。

「今度は手槍かっ」

「突くっ!!」

俺は槍先でアマデウスの顔面を狙った。だが、アマデウスは上半だけを反らして槍突きを回避する。しかし、アマデウスの顔の橫を過ぎた槍がクネクネと曲がりだしアマデウスの首に巻き付いた。

「ぐぐっ!?」

手槍がアマデウスの首を蛇のように締め上げる。アマデウスが自分の首に巻き付いた手槍を外そうと両手を力ませた。だが、外れない。

【スネークショートスピア+2】

スピアが蛇のようにクネクネいて絡み付く。スピアの全長が3メートルびる。

「絞め殺す程度じゃあ、済まさねえからな。何せ玉一つぶんの仇だっ!!」

「こ、このぐらい……!」

首に巻き付いた手槍が外せないと悟ったアマデウスが俺に毆りか勝ってきた。

だが、きが鈍い。足を傷つけられ、首を締められているのだ、當然だろう。

俺はアマデウスのパンチを躱しながら異次元寶庫から次の武を取り出した。鉄球にイボイボが複數付いたメイスだ。

「おらっ!」

俺が鋼鉄のメイスを振るうとアマデウスはる右掌でメイスをけ止めた。

「ふんっ、それっ!!」

俺はメイスを防がれても続けて攻撃を繰り返した。アマデウスは首に巻き付いたショーとスピアと両足にけたダガーの傷のために回避が衰えている。故に回避出來ずにる手で防に専念していた。両手両足を駆使してメイスの打撃をけ流す。クリーンヒットだけは免れていた。

「そりゃ、うらっ、どらっ!!」

連続で振られるメイスの攻撃。その強打をアマデウスはる手や肘でけ流しながらんだ。

「武道防、廻しけだっ!!」

「躱せなくてもけ流せるってかっ!?」

「いかにもっ!!」

「じゃあ、どこまでけ流せるかな!?」

俺は何度も攻撃をけ流されたが振るうメイスの連打を緩めなかった。単純な攻撃を繰り返す。

「スタミナの勝負でも挑むか!?」

「ちゃうわい!!」

ガンっと鈍い音が鳴った。俺が振るったメイスをアマデウスが肘で打ち落とした際に響いた音だった。その途端アマデウスの表が苦痛に歪む。

「痛っ……!?」

「それっ!!」

「ぬぬっ!!」

今度の攻撃をアマデウスは両掌を重ねてけ止めた。メイスの先がアマデウスの両掌に止められる。だが、その衝撃にアマデウスのが大きく仰け反った。

「なんだ、この衝撃は……!?」

俺は怪しく微笑みながら言ってやった。

「どうだい、そろそろ効き始めたか?」

「これは……」

アマデウスは痺れる掌を見ながら述べた。

「威力が徐々にアップしているのか……?」

「正解だ。これはそんな不思議なマジックアイテムですわんっ!」

【オーガラージメイス+3】

攻撃力の向上。裝備者のみ、この金棒の重量軽減効果。連続で同じ目標に攻撃をヒットさせると、攻撃力が上昇し続ける。

け流しもヒットのみたいだな。直ぐにけ流すのも不可能なぐら威力が上昇していくぜ!」

「小賢しいマジックアイテムを……」

「てな訳で、どんどん行くぜ、アマデウスさんよ!!」

「ぐぬっ……」

俺のメイス打をけ流すアマデウスだったが、時折メイスがいところに當たるのか、その度に表を鈍く歪めていた。しずつだが効いている。

「もう、だいぶ辛いんじゃあねえか!?」

俺の逆袈裟掛けに振るったメイスの先をアマデウスが片膝を立てて防いだ時である。ドガっと重い音が轟いた。

「ぐぬっ!!!」

アマデウスが今までにない表で歯を食い縛っていた。効いているぞ。間違いない。俺が更に追い詰める。メイスでアマデウスの顔面を狙う。その瞬間にアマデウスが魔法を唱えた。

「魔法、ウルトラフルメタルボディー!!」

メイスが顔面にヒット。ヒットしたが……。グワァ~~ンっと釣り鐘でも叩いたかのような鋼の音が轟く。アマデウスの全が瞬時に鋼鉄に変化していた。

「この野郎、またその魔法かよ!!」

むきになった俺がメイスで鋼鉄化したアマデウスを打した。

ガンガンガンガンっと音が鳴り響く。だが、たぶん効いてないだろう。完璧防なんだもの……。

「きぃーー、 ムカつく!!」

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