太った貴族こと務卿が顔を真っ青にしつつも己の矜持か、ワイゲン公爵閣下に誰何する。

理由は分からないけど、ワイゲン閣下は、國を腐らせる腐敗貴族と言ってたよね～。

（一応、今回の會合はワイゲン公爵閣下の派閥の會合であった筈だ。ってことは、他の三公の派閥でも同じことが行われてる可能がある。かもね～）

なんとなくクリスは當たりをつけていた。

「クリス男爵、その方は我の側にて護衛せよ」

「はっ、承知いたしました」

「クリス男爵、武をどうぞ」

ワイゲン閣下の言葉に従い騎士の側に素早く移した。しかしこの辺りは勝手にがいていたし、勝手に言葉に従っていた。

渡されたショットソードをけ取るとワイゲン閣下の前にて構えていた。

（うわあ～、これ僕は完全にワイゲン閣下の行を理解して、行した風に見えるよね～）

心の中で今の狀況を冷靜に俯瞰で見てそう判斷した。

「うむ、流石はクリス男爵ですな判斷に淀見なく、ワイゲン閣下の命に言葉を挾まず素早く行なさるとは、自慢なさるはずであるな！、ガハハハハ」

いかにも見た目厳つい顔立ちの偉丈夫で、武人ぜんとした騎士は歴戦の勇と行ったじですかね～、

本家の師範代クラスよりも上かな～、頭は兜を被るためか剃ってスキンヘッドにしてるが、背は僕のアバターと変わらないし、橫にがっしりしてることから、いわゆる重騎士と言うやつかな？、

會場の扉の前からかず。楽しげに會話しながらも僕含めて周りをしっかり把握しているようだ。

「ありがとうございます。しかし、祖父に言わせればまだまだ僕の判斷力は遅いと何時も怒鳴られてました」

鉄火場である筈だからこそ楽しそうに笑って見せた。

するとどうだろうか、恐らく騎士団長か、副団長か知らんけどその目はし愉しげなに変えていた。

どうやら武人には理解出來る相手と思われたようで安心である。

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★ワイゲン公爵騎士団団長バルトライゼン視點

我は、ワイゲン領を守る私設騎士団団長バルトライゼン・フォン・アルバルトである。

一応、子爵位を頂いておるが、元はしがない傭兵であった。

もう12年は前になるか我は傭兵を辭めて、何処かの貴族家に仕えれるよう王都の闘技場にて名を上げる事にしたのは、自の力試しもあったが22の若僧であり腕にも自信があったためであったわい。

しかし上には上が居ることを早々に思い知らされた。

だが、落ち込む我を見出だしてくれたワイゲン公爵閣下には未だに謝したかない。

我をワイゲン騎士団団長に據えた上に、法貴族とは言え貴族にまで奉じて下さったのだ謝したかないではないか、今では結婚して三人の子にも恵まれたのも、公爵閣下のおであるな。

（ふむ、姫様が騎士に任じたのが商人と聞いてし案じたが、なるほどなかなかの人であったか）

しだけクリス男爵のことワイゲン公爵家のためにならぬならば、この場で切って棄てようと考えていたが、心配は無用であったか、

（流石は商人と言ったじであるが、戦えぬとは言わぬ強さをめておるか・・・）

これはまた面白き人材がワイゲン閣下の元に來たものよ。

バルトライゼンはかにクリスの言葉に笑いを堪えていた。