《兄と妹とVRMMOゲームと》第四百三十八話 異なる正義を盾に①
「今回、君の出番はない。僕が梨を守るからな。ただひたすら、後方で部屋の位置特定をしてくれ」
「……おまえ、いつも一言多いぞ」
奏良の言及に、徹は恨めしそうにを尖らせる。
「徹くん、もう『サンクチュアリの天空牢』には行けるのかな?」
「ああ。索敵は既に済ましているからな」
花音が聲高に疑問を口にすると、徹はイリスからの報を確認しながら応える。
「なら、『アルティメット・ハーヴェスト』が収集したデータをもとに改めて、『サンクチュアリの天空牢』の報を確認しなくてはならないな」
クエスト報を散見していた有は、意味ありげに表を緩ませた。
「プラネット、新しく構築された『サンクチュアリの天空牢』のダンジョンマップを表示してくれないか」
「プラネット、新しく構築された『サンクチュアリの天空牢』のダンジョンマップを表示してほしいの」
「はい。マスター、リノア様、こちらをご覧下さい」
とリノアの指示に、プラネットは恭しく禮をする。
そして、軽い調子で指を橫に振り、達の目の前に『サンクチュアリの天空牢』のダンジョンマップを可視化させた。
『サンクチュアリの天空牢』のダンジョンは『シャングリ・ラの鍾』の上空にある浮き島だ。
基本、『シャングリ・ラの鍾』から飛行アイテムで飛んでいけば、浮き島までたどり著くことができるだろう。
だが、肝心の信也が作戦の指揮を執っていた場所は何処にも表示されていない。
ダンジョン全域の索敵、そして、紘の特殊スキルの力である程度の範囲までは絞れているとはいえ、それでも部屋の正確な位置までは分からなかった。
さらに部屋の探索中に、『レギオン』と『カーラ』の襲撃がある可能が示唆される。
明晰夢の複合で構築された中級者用ダンジョンーー。
そんな中、居ても立ってもいられなくなったのか、花音が攻撃する際の振り手振りを加えながら飛び跳ねた。
「徹くん、今回も『サンクチュアリの天空牢』にはたくさんの罠が仕掛けられたり、多くのモンスターが召喚されているのかな? どんなモンスターが現れても、私の天賦のスキルで倒してみせるよ!」
「花音。今回はあくまでも部屋にる方法を突き止めることだ。ただひたすら、道を塞ぐ敵だけを倒してくれ」
花音が自信満々で告げると、奏良は呆れたように有に目配りする。
有はそれに応えるように、インターフェースを作して、『サンクチュアリの天空牢』の攻略報を表示させた。
「妹よ。殘念だが、奏良の言うとおり、今回はあの部屋の調査が目的だ。モンスターが現れた時のみ、戦闘を行うつもりだぞ」
「……そ、そうだったね」
自のアイデンティティーを否定されて、花音は落膽する。
「だが、確かに新たに構築されたダンジョンというものは、どう変わったのか気になってしまうな。そして、空の上にあるため、『飛行アイテム』を生かせるダンジョンだ」
「お兄ちゃん。『サンクチュアリの天空牢』に行くためには、『シャングリ・ラの鍾』から上空に飛べばいいんだよね」
「その通りだ、妹よ」
喜び勇んだ妹の意を汲むように、有は自の考えを纏めた。
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