《化けになろうオンライン~暴食吸姫の食レポ日記~》クリスマス特別書下ろし
伊皿木家のクリスマスは忙しい。
毎年この時期になるとカップルを羨む怨嗟のが集い妖怪となるためだ。
それを防いでいるのが現當主伊皿木刀彌であり、我が自慢の弟である。
「というわけで、今日は刀君の一日に迫ってみようと思います」
「剎姉邪魔すんなよ?」
「だいじょーぶ、後ろで撮影してるだけだから」
そう宣言してカメラを構える。
構図的には……學生が作ったホラーフィルム的な?
「で、今日の目的地は?」
「あー、江東區」
「ということは……スカイツリー? 3代目の」
「そうそう、剎姉と縁がぶっ壊した後に作られたやつ」
まぁ……諸事でね。
あの時はスカイツリーの撮影してたらテロリストがタワーを倒すと宣言して、あっちこっちで銃し始めたし弾のセットとかもしてたから真ん中あたりでへし折った。
縁ちゃんの時はもちにゃんグッズが転売ヤーの餌食になって手當たり次第暴れた結果である。
私、狀酌量の余地ありでしょ?
「ライトアップとかそういうの、人が集まる所には怨念とかも集まりやすいのよね。それを本的に潰す事ができないから纏めて潰すという事でいいのよね?」
「あぁ、というか誰に向かって説明してるんだ?」
「この映像見てる人たち。生配信です」
「ちょっ! ……あー、まぁいいや。一応挨拶しておくと伊皿木刀禰、このカメラマンの弟で伊皿木家の今の當主。お祓いとかやってるけどうちに來るのはお勧めしないからサイトから予約してくれ。ちなみに最低金額500円から。占いなんかもやってるけど俺のはあまり當たらないからもう一人の姉が返ってきたタイミングでお知らせするわ」
おー、なかなか上手に喋るわね。
眼鏡型デバイスで配信を確認しているけど、まぁそこそこ荒れてる。
このハイテク時代にオカルトとか言われても、とか詐欺師の自覚ある? とか結構いいたい放題言ってるけど本人に教えると毆り込みに行って仕事放棄しそうだからやめておこう。
「さて、現場だが……今回はなかなかの大だな」
「あーうん、ちょっと政府が打ち出した新政策が原因らしいよ。ほら、あの伝子から相を割り出していいなずけにできるシステムの導。あれで未年カップルとか増えて嫉妬とかが凄いらしい」
「そこまでするなら自分も登録すればいいだろうに……」
「相手がいなかった人もね、いるのよ」
「……そっか」
會話はここで途切れてしまった。
3秒以上の沈黙は配信に置いて事故である。
えーと、何か話題……あっ!
「そういえば人とはどうなった?」
「糞兄貴にまた寢取られた」
「……ごめん」
「今度はナニを斬り落としてやる……」
あー、刀君の怒りのオーラだけで悪霊や念が散っていく。
これは刀を抜くまでもないか。
「今回はそれ必要なさそうね。うちの家寶にして代々當主が引き継ぐ事になっている神刀。大抵の妖怪は真っ二つにできる代」
「まぁ、持てない連中のひがみだからな。諦めてる奴らなんかは別の楽しみ方してるみたいだし」
「そっか。となると今回のお仕事は楽勝?」
「スカイツリーを壊さないなら」
「都知事はなんて?」
「極力気を付けて、できるだけ善処してくれと」
「端的に」
「お願いだからやめてだとよ」
なるほど、そういえば都知事は人気続投してるんだっけ。
だから過去のあれこれも知っているわけだ。
「まぁ、無理っぽいけどな」
スカイツリーの近くで車を停めて見上げるとでっかい蛇が巻き付いていた。
あー、ギシギシ言ってる。
これは骨が折れるわね、タワーも、刀君の仕事も。
「じゃ、とりあえず一発で決めるか」
「ん、頑張ってね」
そう聲をかけると私はお口チャック。
集中しているのを邪魔するわけにはいかない。
居合の姿勢から薬丸示現流の一撃必殺を流用した剣技で蛇を真っ二つにした刀君。
ついでにタワーも切れたが気にした様子は無く、そのまま無心で地上に被害が出ないように破壊したタワーを念に刻んでいる。
私もビームで対処しようかと思ったけど必要なかったみたい。
「はい、というわけでクリスマス特別企畫。実際の除霊を見て見ましょうのコーナーでした。チャンネル登録、グッドボタン、通知オンよろしくねー」
そう言ってカメラを切る。
「さて、一仕事終えたし焼でも行きましょ? 今日は奢るわよ」
「……また生で食って店を潰さないでくれよ?」
「この辺ではまだ出になってないから大丈夫。それに行きつけのお店もあるからね」
ウィンクをしてみせると凄く微妙な表を見せてきた。
いいじゃない、生のおも味しいのよ?
世界統合前の話です。
今回はクリスマスと年末、あるいは年明けにもう一本更新するので今週水曜はお休みさせていただきます!
……間に合ってよかった。
【書籍化】 宮廷魔術師の婚約者
★角川ビーンズ文庫さまより2022/06/01発売予定★ 今まで數多くの優秀な魔術師を輩出してきた名門スチュワート家に生まれたメラニー。 しかし、彼女は家族の中で唯一魔力の少ない、落ちこぼれだった。 人見知りの性格もあって、いつも屋敷の書庫に篭っているようなメラニーに、婚約者であるジュリアンは一方的に婚約破棄を申しつける。 しかもジュリアンの新しい婚約者は、メラニーの親友のエミリアだった。 ショックを受けて、ますます屋敷に引き篭もるメラニーだったが、叔父で魔術學校の教授であるダリウスに助手として働かないかと誘われる。 そこで発揮されたメラニーの才能。 「メ、メラニー? もしかして、君、古代語が読めるのかい?」 メラニーが古代魔術を復元させて作った薬品を見て、ダリウスは驚愕する。 そして國一番の宮廷魔術師であるクインも偶然その場に居合わせ、異形の才能を持ったメラニーを弟子に誘うのだった。
8 101【書籍化】ループ中の虐げられ令嬢だった私、今世は最強聖女なうえに溺愛モードみたいです(WEB版)
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