《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第94話 街で大道蕓を披することになる

大変お待たせしました!

最ギフ更新再開します!

年末年始の休暇を使って勇者編完結までの15エピソード以上を書き上げました

こちら全て、1日1話ずつ投稿していこうと思います!

(勇者編完結したら再び休載予定です)

キリの良いところまで書き上げてまとめて投稿、というスタイルで今後やっていこうかと思います

そして、小説単行本3巻とコミカライズ単行本2巻が、1月15日に発売されます!

今連載版で大暴れしているカノンが表紙にも登場しております!

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翌日。

「さあ集まって! 大道蕓一座“氷炎17”の蕓が始まるよ!」

僕たちは、街の広場で大道蕓をしていた。

メンバーは僕とマリエル。二人とも変裝して大道蕓人の格好をしている。一座の名前は“氷炎17”という不可思議なものだが、これにもちゃんと理由がある。

蕓を始めようという僕たちの周りには、まばらにしか人が集まっていない。

「さぁ行くよ! まずはこのリンゴを投げて、空中で切ってご覧にれましょう!」

僕はリンゴを高く掲げてみせる。

すると、一人のベテラン冒険者さんらしき人が近づいてきた。腰には剣を下げている。

「面白いじゃないか。俺も昔駆け出しの頃にそんな蕓をやって小遣い稼ぎしてたよ。最高記録は8分割だったな。お兄さんはそのリンゴを幾つに切り分けられる? 8分割以上できたら、おひねりたくさん出してやるよ」

そう言ってベテラン冒険者さんは笑っている。

「そうですか。ではいきますよ……それ!」

僕は、天高くリンゴを投げる。そして、虹剣ドルマルクを抜き

“スパパパパ!”

空中で何度もリンゴを切る。

バラバラに落ちてきたリンゴを、マリエルがお皿でキャッチする。

「やるなお兄さん。8分割か。……いや違う! このリンゴだけ、何か形が違うぞ!こ、このリンゴは……!」

ベテラン剣士さんは、お皿から1切れのリンゴを摘み上げる。

「ウサギカットだ! このリンゴ、ウサギカットされてるぞ!」

ベテランの剣士さんが聲をかけると、周りにいた人たちが興味をそそられて集まってくる。

「今の一瞬で、空中でウサギカットしたのか? 信じられねぇ、凄すぎるよ、キミ」

ベテラン剣士さんは、お財布を丸ごと僕たちの前においてある箱にれてくれた。

修行の間に息抜きで覚えた遊びだったが、思わぬところで役に立ってくれた。

「見れなかった! もう一回、もう一回やって見せてよ!」

「イカサマしてないか俺が確かめてやる!」

僕たちの周りには、たくさんの人が集まってきていた。

「では、もう一度ご覧にいれましょう」

僕は切りわけたうちのリンゴを1つかじる。そして、殘った種を地面に落とす。

「植魔法“グローアップ”発

地面から、元気に芽が飛び出す。そして、どんどん長して木になる。枝には真っ赤なリンゴが実っていた。

「すごい! 一瞬で木が育った!」

「大道蕓ってレベルじゃなくないか!?」

「何者なんだお兄さん!」

そして僕はまた、リンゴを空中でウサギカットしてみせる。

観客は大盛り上がり。特に子供には大ウケだった。

「じゃあ次は私の番! 私はね、トランプマジックを見せちゃうよ!」

僕とれ替わりで、大道蕓人に変裝したマリエルが前に出る。

「さぁ、この中から一枚カードを引いて」

マリエルがトランプの束を裏向きに広げて、近くにいた子供に差し出す。子供は、元気に一枚のカードを抜き取る。

「えーとね、キミが今選んだカードは……」

マリエルがポケットに手を突っ込む。

「これかな? スペードの4!」

マリエルがポケットに手を突っ込んで……剣を取り出した。刃には大きく“4”と書かれている。

「え? えええ!? お姉ちゃん、今どっからその剣出したの!?」

「どこって、ポケットからだよ?」

マリエルが大袈裟にとぼけて見せて、また剣をポケットにしまう。

もちろん、ポケットから出しれしているように見せて本當は異次元倉庫から出しれしている。異次元倉庫は有名な

才能(ギフト)なのですぐバレるネタなのだが、目の前で披するとネタがバレていても驚いてもらえるようだ。

その後マリエルはポケットから大量のトランプを出したりテーブルや椅子を出したりして、お客さんを大いに驚かせていた。

「それじゃあ最後のネタ行くよ! 今日はなんと! お客さんを大変させちゃいます! そうだな……そこのアナタ!

今日はアナタを変させちゃいます!」

マリエルが、前の方にいた1人の青年を指差す。

「お、俺ですか?」

「そうアナタ! さぁ、この変ボックスにって!」

マリエルが異次元倉庫から、人が1人すっぽりってしまえるほどの箱を取り出す。手前の面が扉になっていて、そこから青年がおずおずとる。

“バタン!”

マリエルが箱の扉を閉める。

「さぁ行くよ! 変スタート! 3、2、1……じゃーん!」

扉を開けると、箱の中には若いの子がっていた。

「お、俺の子になってる〜!?」

元青年だったの子が驚きの聲をあげる。當然、聲もの子になっている。

“バタン!”

マリエルがまた扉を閉める。

そして開けると。

「今度はムキムキのオッサンになってる!?」

筋骨隆々の中年男が立っていた。

それからマリエルは何度も扉を開け閉めする。

年に若返ったり。老人になったり。今のマリエルと全く同じ姿になったり。中にいる青年は、何度も々な姿に変する。

「凄い、何かの才能(ギフト)を使ってるんだろうけど全然タネが分からない……!」

「何が、何が起きてるんだ???」

「お姉さんすごーい!」

観客の興は絶好調だった。

もちろんこれにもタネがある。実は、今箱の中にっているのはカエデだ。最初に青年に変裝して観客に紛れてもらっていたのだ。

マリエルが扉を開け閉めするたびに、カエデが中で変裝しているという訳だ。

しかし筋骨隆々の中年男に変裝するのはまぁ分かるとして、どうやって自分より小さい年やマリエルに変裝しているのだろう。シノビ凄いなぁ。

「や、やっと元に戻れた……!」

最初の姿に戻った青年(カエデ)が箱の外に出ると、観客から惜しみない拍手が送られる。

「今回はコレで終わりです! 見に來てくれてありがとうございました! 今日の午後から、街の反対側の広場でまた同じ蕓をやるので、良ければ友達と一緒にまたきてください!」

マリエルが終わりの挨拶をすると、また盛大な拍手が巻き起こる。僕たちの前に置いている箱に、次々とおひねりが投げ込まれていく。驚きのあまりお財布を丸ごとれてくれる人もちらほら現れた。

「これだけ人気なら噂が広まって、午後の回にも沢山人が集まってくれるだろう」

そして午後。狙い通り、街の反対側の広場には沢山の人が押し寄せていた。僕達は、午前と同じように大道蕓を披していく。

「ホント、何度見てもすげぇよ!」

「一どうやってるんだ?」

「お兄ちゃん達すごーい!!!」

午後の部も、子供から大人まで大人気だった。おひねりの箱には、お金が山盛りになっている。

街は僕達”氷炎17”の話題で持ちきりだった。

そして、その帰り道。

カエデにはまた別行してもらい、僕とマリエルの2人で宿へ向かっている。

僕達が人気のない路地を歩いているとき。

「……やっぱり、兄貴だったか」

後ろから、カストルが話しかけてきた。

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