《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第98話 作戦開始

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「……さぁ、そろそろ行くか」

夜明け前。目が覚めると、が軽い。

「準備萬端ってじだね、メルキス」

隣には、すでに支度を整えているマリエルが居た。

「非戦闘員のマリエルは、安全な場所にいてもいいんだぞ?」

「いや、いくよ。流石に魔族の拠點に乗り込みはしないけど、できるだけ近くでサポートするよ」

「確かに、何が起きるか分からないからな。臨機応変に々サポートできるマリエルの“異次元倉庫”が役に立つ場面もあるかもしれない」

「でしょ!?」

目を輝かせてマリエルが一歩詰め寄ってくる。

「……わかった、一緒にきてくれ。ただ、絶対に戦闘には參加しないこと。そして危ないと思ったらすぐに逃げてほしい」

「もう、心配癥なんだから」

といいつつ、マリエルはなんだか嬉しそうだ。

「それじゃあ、行こう」

僕達は、宿の部屋をでる。途中で、カストルがいる部屋の前を通りかかった。

「カストル、お前を陥れた魔族は必ず僕が倒してやるからな」

僕は部屋の前でそっと呟く。

そして宿を抜け出し、夜明け前の街を歩いて魔族の地下拠點のり口へと向かった。

「おはようございます、領主様。マリエル様」

り口の前には、既に村の冒険者さん達が何人か集まっていた。

「おはようございます、みなさん」

「おはよう。みんな特にトラブルもなく集まってるみたいだね」

マリエルのいう通り、街のあちこちから村の皆さんが続々と集結しつつある。

「領主様、準備できましたニャ!」

僕にそう聲を掛けてきたのは、黒裝束を纏ったキャト族さん。キャト族の中でも、シノビの技を學んで一番腕が立つ人だ。

作戦では、彼が魔族の拠點に単獨で忍び込み、ルスカン伯爵を助け出す。そしてルスカン伯爵を救出次第、全員で突するのだ。

もしルスカン伯爵を助ける前に全員で乗り込むと、ルスカン伯爵が戦いに巻き込まれたりパニックになった魔族に殺されてしまう恐れがある。

魔族と勇者に食いにされたこの街を立て直すには、領主であるルスカン伯爵の力が絶対に必要だ。なんとしてもルスカン伯爵を助け出さないといけない。

父上も地下拠點で魔族に捕らわれているが、心配はしていない。一度地上に出できていたのだから、混に乗じてもう一度出するか、近くの魔族の剣を奪って僕達が助けに行くまで生き延びるくらいのことは簡単にやってのけるはずだ。

「魔族に囚われているルスカン伯爵の救出、よろしくお願いします。重要な任務ですが、くれぐれも無理はしないでください」

「おまかせ下さいニャ! 必ずルスカン伯爵と一緒に無事に戻ってきますニャ!」

キャト族さんが自信満々に腕を組んで見せる。

「主人殿、彼は修行期間は短いですが腕は十分です」

隣にいたカエデが太鼓判を押す。

「キャト族は我々よりも小柄で素早く、夜目も効くので隠を行うのにうってつけの人材です。それにご覧ください、この球」

カエデが1人のキャト族さんの手を取って、手のひらを見せる。

「このプニプニの球のおかげでキャト族は音もなく行できるのです。これは、隠を専門とするシノビにとって強力な武ですよ」

カエデが球をプニプニとりまくる。

「……あの? カエデ師匠? そろそろ離してしいニャ」

キャト族さんがカエデを見つめる。

「おっと失禮。私としたことが、プニプニに夢中になってしまいました。とにかく、キャト族の隠の技は私が保証します。彼らなら、必ず任務を功させるでしょう」

「わかった。それは頼もしい。では、作戦を始めましょう」

僕が合図すると、キャト族さんが魔族の拠點の扉を開ける。

「では、行ってきますニャ!」

そして、暗い闇の中に消えていった。

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