《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第505話 町に図書館ができた!
本日は、町に完したという図書館に來ている。
「おお~~、やっと完したか~~! これでまたみんなの知力が一段階向上するわ! じゃあみんなよろしくね!」
図書館を作ることは決定していたため、完前から役所にて図書館員を募集。
更に、數日前から本を運び込む作業員を募集していた。
「今日は何をすれば良いのだ?」
そして本の搬は力仕事なため、何でも屋のこの男フレアハルトにも來てもらっている。
「今日は各國から寄付してもらった本を、図書館の本棚へ運び込んでもらう……ところまで行ければ良いんだけど……」
「どういうことだ?」
「冊數が多いからさ」
「それで、その本はどこだ?」
「私が預かってる」
【亜空間収納ポケット】から大量の本を取り出す。
「「「おお!」」」
「ホ、ホントに多いですね……」
「しかも古そうなのから、破れてるのまでありますけど……」
「あ! これなんか後ろ側 (背表紙のこと)り切れてますよ!」
「こっちはもうバラバラに分解しそうです!」
「でも新品同様のものもそれなりにありますね」
作業員が口々に本の狀況を説明してくれる。
「ま、まあ無料で寄付してもらったものだから、傷みが酷いのもそれなりにあるかもね。そういうので修復できそうなものは修復するから、酷い傷みがあるものはこの中にれておいてもらえるかしら」
樹魔法で『傷みが酷いもの』ボックスを作った。
「何冊くらいあるんですか?」
「二千? 三千? ……多分五千は無いと思うけど……」
「「「五千冊!?」」」
「そんなにあるんですか!?」
「多過ぎ!!」
「これは何日もかかりそうですね……」
「各國から寄付されたものだからね」
「【亜空間収納ポケットその中】ってどうなってるんですか?」
「わ、私にも分からないなぁ……」
ホントに分からん。何でこの量がってられるのか……
「その量をどうやって分類するんですか?」
カイベルに事前に分類法を聞いている。
曰く――
◆
今朝方――
「図書館できたらしいから本を運び込みたいんだけど」
「はい、存じています」
「本の分類ってどんな風に分類されてるの?」
「日本では『0 総記』、『1 哲學』、『2 歴史』、『3 社會科學』、『4 自然科學』、『5 技』、『6 産業』、『7 蕓』、『8 言語』、『9 文學』という風に十進分類法というものを用いて分類されています」
「あら、割と簡単に分類しているのね」
「いえいえ、とんでもない。これが第1次區分で、この下に第2次區分、第3次區分と続きます」
ってことは、ねずみ講のように下へ行くほど子が増えていくってやつか……
「第1次區分で十種類なら、その下は百種類とか二百種類とか?」
「もっとです」
「え? 流石に千種類ってことはないでしょ?」
「十進分類法ですと千種類以上、図書分類コード上では六千八百種類以上にも及びます」
「六千八百!?」
甘く見ていた! 書籍分類を甘く見ていた!
眩暈めまいがする……
「右も左も分からないと思いますし、とりあえず第1次區分だけで分類しておくのが落としどころとして適當ではないでしょうか」
◇
――というような話だった。
「リーディアさん」
「はい」
「じゃあ、ここの館長をお願いね」
「謹んでおけ致します」
館長に就任したのは『リーディア・トロル・ヨームホーン』。二十五歳。
本の無いこの地で、一足早く“読専よみせん”をしていた読書家。
本など碌に無いのに何を読んでいたかと言うと、路上販売している同人誌も同然の薄い本。ただし薄いと言ってもエッチなものではない。
個人で作ったものを、路上の狹い一角で自主的に販売していたものだ。現在では書店を構え、この販売に追隨するように、んなヒトが本を作って、そこに委託されているような狀態。 (この町の書店のり立ちについては第213話參照)
特に生態調査部が月一で発行する薄い本は中々読み応えがある。
その販売店の初期からのファンだったのがこのリーディア。
今回図書館が出來るということで、『本が沢山読める!』と、興しながら役所の付に志願して來た。彼の熱意に気圧されたため館長をお任せしてみることにした。
「よし! 傷みが酷い本も仕分け終わったみたいだし、じゃあみんな、仕分けを開始してもらえるかしら?」
すぐにでも本棚への収納作業……と言いたいところだが、まずは分類開始。
カイベルのアドバイスの通り第1次區分でまとめよう。
カイベルに聞く前の予定では、バラバラでも良いからどんどん収納することを考えていた。
何せ本の無かった舊トロル村の住民は、まだまだ本のなんたるかを知らない者ばかり。
分類ごとに分けるなんて困難の極致と考えたためだ。
しかし、カイベルの話を聞く限りそうも言ってられないようだ。
最初からある程度分類させておかないと、後でやるにはあまりにも膨大に過ぎる。
恐らく最初に分類しておかなかったことを後悔するであろうことは明白、そう考えた。
第1次區分に沿って、十個のボックスを作った。
「本はこんなじに分類されてるから容のボックスにれていって」
と、紙に書いた分類の種類を見せる。
┌───────────────────────────────────┐
    0 総記 (報學、図書館、図書、百科事典、一般論文集、
逐次刊行、団、ジャーナリズム、叢書そうしょ)
    1 哲學 (哲學、心理學、倫理學、宗教)
    2 歴史 (歴史、伝記、地理)
    3 社會科學 (政治、法律、経済、統計、社會、教育、風俗習慣、國防)
    4 自然科學 (數學、理學、醫學)
    5 技 (工學、工業、家政學)
    6 産業 (農林水産業、商業、運輸、通信)
    7 蕓 (、音楽、演劇、スポーツ、諸蕓、娯楽)
    8 言語
    9 文學
└───────────────────────────────────┘
(『日本十進分類法 - Wikipedia』より引用)
「「「………………」」」
しかし紙を見せた途端に全員沈黙。
「あの……私たちには何が何やら分からないんですけど……」
「そうだよね~、私もほとんど分からんし。本の種類なんて考えたことも無かったよ」
という私の返答に、一同騒然。
「アルトラ様が分からないんじゃどうやって分類すれば良いんですか!?」
「この中で分かりそうなものはある?」
「6番……くらいかなぁ……」
「6番は絵とかですよね? 7ならしくらいは」
「私も6と7くらいしかないですね……」
そうだよなぁ……この地にはまず図書館が無かったから0番の総記は論外だし。
哲學や宗教もここには無いから1番の哲學も無し。同じ理由で歴史も記されたものが無いから2番の歴史も無い。
経済は多出來てきたとは言え、政治には至っていないし、法律もまだ無い。よって3番の社會科學も無い。
頭は多良くなってきているものの4番の自然科學を修めるところまでは達していない。
工學、工業なんかは、多ドワーフさんたちのお蔭で出來てきているから、この町では5番の技から下辺りからしかまだ関係しているものが無いと。
「よし! じゃあ仕事を分擔して進めましょう。仕分け係を図書館員が、ボックスへの運搬係を運搬作業員が擔當して」
「分類が分からない場合はどうしましょう?」
「そうねぇ……じゃあ自分が分かりそうなものだけで良いから分類して。分かりそうもないものは私のところへ持って來て――」
◇
――なんて言ったら、あっという間に本のタワーに囲まれてしまった……
「い、いずれはこうなるかと思ってたけど、タワーに囲まれるの早過ぎる!」
と、とりあえず私が分かりそうなものはどんどん分類していこう。
このままだと本の迷宮に閉じ込められてしまいそうだ。
「『昆蟲大百科』……これは流石に私でも分かるわ、0番の総記ボックスへ持って行って」
「分かった」
私の相棒はフレアハルトが擔當するようだ。
「『水の國のり立ち』……これは多分歴史かな? 2番の歴史ボックスへ。『世界の暮らし~ユグドの森探訪~』……う~ん……地理? 風俗習慣? どっちだ?」
開いてみたところ、ユグドの大森林にある獣人族たちの暮らしについて書いてある。
「多分風俗習慣の方かな? 3番の社會科學ボックスへ。あっ! よく見ると『世界の暮らし』って他にもあるわ。こっちには『世界の暮らし~火の國砂漠の住民~』とか『世界の暮らし~世界一寒い土地で生きる人々~』とか『世界の暮らし~人魚たちの営み~』とかがある。これらは風俗習慣で合ってるみたいだ」
迷った時は同じシリーズを探し出すのも有効かも。
「『統計學の基礎知識』……これは簡単だ、3番ボックス。『エレアースモ魔導機工學』……何コレ? 名前に『魔導』とかってきちゃったよ……あ、これもだ、『エルフが明かせない紋章學・門編』」
地球で分類されないやつ來ちゃった……と言うか、この紋章學の著者、フリアマギアさんだわ……簡単な (?)魔道の作り方が載ってる。
分類するとSFとかになるのかしら? いや、機工學って書いてあるから技の工學に分類されるのかな?
「じゃあ二冊とも5番の技ボックスへ。『ワイバーン便の運輸革命』……これは6番の産業ボックスへ。『霊種のに関するあれこれ』……これは多分4番の自然科學ボックスかな? 霊の生態みたいだし」
どれもこれも興味惹かれそうなタイトルが多い……
私にとってはこの魔界自が幻想世界だから、地球で考えて常識外れな風俗習慣が多からだろう。
今後図書館で借りて読むのが習慣化しそうだ。
そんな中――
「ん?」
――とある絵本に目が留まった。
あ~、そういえばカイベル、こんなことも言ってたっけな……
◆
「また、0番から9番に分類しにくいものがあり、図書館ではそれらを別置べっち記號という形で置いてあることがあります」
「別置記號? なんじゃそりゃ?」
「有名なところで言うと『E』の絵本でしょうか。これは『絵本EHON』の頭文字イニシャルEを元にしています。子供は著者名で探したりしないため、Eという分類を作って、そこへ置くようになったそうです。他にも『子供KODOMO』の『K』や『児JIDOU』の『J』が使われることがあるようです」
「あ~、なるほど。確かに子供の頃に作者の名前なんて気にしなかったわ。絵本を作者名で置いておいても手に取らないってわけね」
「別置記號に関して言うなら、同じように『郷土資料』や『現地ガイドブック』、本として置いておくことのできない『紙芝居』など、分類が難しいものを別置として置かれることが多いようです。なお、この別置記號については図書館によって違っていますので共通とは限りません」
「へぇ~」
◇
つまり、子供のことを考えて、子供が手に取りやすい絵本は別コーナーを設けた方が良いってことか。
それにしてもこの絵本、何だか気になるな……
「………………」
『すももたろう』と魔界文字で書かれている絵本。
図書の分類って凄く大変そうですね。
今回のエピソード書くためにネットで調べまくりましたが、自分が知らない項目ばかり並んでて、『こんなに種類あるのか!』と驚きました。
このエピソードも付け焼刃ですので、どこか違ってるという場所があった場合にアドバイスいただけるとありがたいです(^^)
次回は9月16日の20時から21時頃の投稿を予定しています。
第506話【すももたろう】
次話は來週の月曜日投稿予定です。
【書籍化&コミカライズ化】婚約破棄された飯炊き令嬢の私は冷酷公爵と専屬契約しました~ですが胃袋を摑んだ結果、冷たかった公爵様がどんどん優しくなっています~
【書籍化&コミカライズ化決定しました!】 義妹たちにいじめられているメルフィーは、“飯炊き令嬢”として日々料理をさせられていた。 そんなある日、メルフィーは婚約破棄されてしまう。 婚約者の伯爵家嫡男が、義妹と浮気していたのだ。 そのまま実家を追放され、“心まで氷の魔術師”と呼ばれる冷酷公爵に売り飛ばされる。 冷酷公爵は食にうるさく、今まで何人もシェフが解雇されていた。 だが、メルフィーの食事は口に合ったようで、専屬契約を結ぶ。 そして、義妹たちは知らなかったが、メルフィーの作った料理には『聖女の加護』があった。 メルフィーは病気の魔狼を料理で癒したり、繁殖していた厄介な植物でおいしい食事を作ったりと、料理で大活躍する。 やがて、健気に頑張るメルフィーを見て、最初は冷たかった冷酷公爵も少しずつ心を開いていく。 反対に、義妹たちは『聖女の加護』が無くなり、徐々に體がおかしくなっていく。 元婚約者は得意なはずの魔法が使えなくなり、義妹は聖女としての力が消えてしまい――彼らの生活には暗い影が差していく。
8 193【書籍化決定】前世で両親に愛されなかった俺、転生先で溺愛されましたが実家は沒落貴族でした! ~ハズレと評されたスキル『超器用貧乏』で全てを覆し大賢者と呼ばれるまで~
両親に愛されなかった男、『三門 英雄』 事故により死亡した彼は転生先で『ラース=アーヴィング』として生を受けることになる。 すると今度はなんの運命のいたずらか、両親と兄に溺愛されることに。 ライルの家は貧乏だったが、優しい両親と兄は求めていた家庭の図式そのものであり一家四人は幸せに暮らしていた。 また、授かったスキル『超器用貧乏』は『ハズレ』であると陰口を叩かれていることを知っていたが、両親が気にしなかったのでまあいいかと気楽な毎日を過ごすラース。 ……しかしある時、元々父が領主だったことを知ることになる。 ――調査を重ね、現領主の罠で沒落したのではないかと疑いをもったラースは、両親を領主へ戻すための行動を開始する。 実はとんでもないチートスキルの『超器用貧乏』を使い、様々な難問を解決していくライルがいつしか大賢者と呼ばれるようになるのはもう少し先の話――
8 65この度、晴れてお姫様になりました。
現世での幕を閉じることとなった、貝塚內地。神様のはからいによって転生した異世界ではお姫様?ちょっぴりバカな主人公と少し癖のある人達との異世界生活です。 拙い點の方が多いと思いますが、少しでも笑顔になってくれると嬉しいです。 誤字・脫字等の訂正がありましたら、教えて下さい。
8 146異世界転移した俺がやることは?
突如教室に現れた魔法陣に慌てるクラスメイト達。そんな中1人、落ち著いている奴がいたそいつは、「あ、これもしかして異世界転移じゃね?」とのんき にそんなこと考えていた。強い光があたりを照らし、その光が収まって周りを見渡すとそこは、學校の教室ではなく全く知らない場所だった... ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ この作品は自分がなんとなく書きたいなぁと思って始めたものです。拙い文章で読みにくいかも知れませんが見てくださるととても嬉しいです。 6月21日 タイトルを変更しました。 6月23日 サブタイトルを若干変更しました。
8 67異世界転生〜貰ったスキルはバグ並みでした〜(仮題)
普通の高校1年生の主人公の八神優羽(やがみゆう)は、一緒に學校から帰っていた幼馴染の桜井結月(さくらいゆづき)を助たが、優羽はその車に轢かれて死んでしまった。そして、神たちと出會い貴族のヘンゼル家の三男アレク・ヴァン・ヘンゼルとして異世界で第二の人生を歩んでいく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 作者はこれが初作品ですので、読んでみてどんな感じか、どこを改善したほうが良いかなどを、コメントでやさしーく、やさしーく教えてください!(豆腐メンタルが傷付きます…) 題名などはまだ仮なので変えるかもしれません…。
8 62天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭な肉體と便利スキル『創成魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~
その力を使って魔界を住み心地良くしようと畫策するも舞臺は真っ暗で外気溫450℃の超々灼熱の大地。 住み心地は食からと作物を作り出そうとするも高溫で燃え盡きてしまう。 それならと燃える木を作るが、収穫した実も燃えてました! 逆転の発想で大地を冷卻しようと雨を降らせるも、その結果、村の水沒を招いてしまうも、それを解決したそのひたむきさが認められ何と領主に擔ぎ上げられてしまう! その後村のために盡力し、晝の無いところに疑似太陽を作り、川を作り、生活基盤を整え、家を建て、銀行を建てて通貨制度を作り、魔道具を使った害獣対策や収穫方法を數々考案し、村は町へと徐々に発展、ついには大國にも國として認められることに!? 何でもできるから何度も失敗する。 成り行きで居ついてしまったケルベロス、レッドドラゴン、クラーケン、元・書物の自動人形らと共に送る失敗だらけの魔界ライフ。 様々な物を創り出しては実験実験また実験。果たして住み心地は改善できるのか? ──────────────────────────────────────── 誤字脫字に気付いたら遠慮なく指摘をお願いします。 また、物語の矛盾に気付いた時も教えていただけると嬉しいです。 この作品は以下の投稿サイトにも掲載しています。 『ノベルアップ+(https://novelup.plus/story/468116764)』 『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n4480hc/)』 『アルファポリス(https://www.alphapolis.co.jp/novel/64078938/329538044)』
8 116