《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第507話 開館準備
朝から晩まで仕分け作業をすること三日――
「あ~~、やっと仕分け終わった!」
「疲っかれた~~」
「よし! じゃあ各本棚へ収納してってもらえる?」
アルファベット順に並べるのが國際的には良いのだろうが……アルトレリアで利用されるからには、やはり五十音順の方が利用し易い。
「じゃあ書籍は五十音順に収納していって」
そして一日かけて本棚への収納が終わった。
「これで遂に図書館がオープンされるんですね!」
嬉しそうなリーディアだったが……
「殘念ながら、まだかな。この後コンピューターもれたい」
「コンピューター? 役所にあるものみたいな?」
「そうそう、これについては明日話すから、今日のところは帰宅して良いかな。運搬作業員の人たちは今日で終了になります! 給料は銀行振込です。それじゃあ皆さんお疲れ様でした!」
今日の作業はここで終わり。
明日からは運搬作業員は來ず、図書館職員だけになる。
「あ、フレアハルトだけは悪いけど、明日も來てもらえる?」
「何だ? まだ何か運ぶものがあるのか?」
「私にはちょっと重いものだからよろしくお願い」
◇
翌日――
「おはよう、みんな」
「おはようございます」
「アルトラ様、今日は何をするんですか?」
「図書館にコンピューターをれる」
【亜空間収納ポケット】からパソコンを三臺取り出した。
「わぁ! 役所以外でも使うんですね!」
「発して、このために水の國アクアリヴィアに買いに行って來たんだ。じゃあ、ちょっと重いからフレアハルトお願い」
「分かった」
地球にあるものより數世代遅れたパソコン。そのため大分大きめ。私でも運べないことはないが筋力強化魔法無しだとちょっと苦労する重さ。
図書館に設えられたカウンターの側へ運んでもらう。
「私、これるの初めてなんですけど、図書館に置いて何に使うんですか?」
リーディアからの質問。
「私も詳しく知ってるわけではないけど、主に図書の管理だね。所蔵されている本の管理・照覧、有無の確認、どこどこにどの本が置いてあるってのをコンピューターに覚えさせて管理させるの。それに加えて利用者登録・管理とか、書籍の予約付、問い合わせ対応とかかな。予約付とか問い合わせは殘念ながらまだこの國からはまだできないけど」
「利用者登録? 本を借りるのに何か登録しなければならないんですか?」
「そう。登録して會員になってもらわないと、本を貸し出す時にどこの誰に貸し出したか分からなくなっちゃうからね。だから利用者登録してカードを作って名前や住所を登録してもらうの」
「分証明みたいなカードですか?」
「あそこまで細かくはないけど、まあ似たようなものかな。後ろにバーコード付いてるやつ」
「バーコードとは?」
あ、この町まだバーコード無かったんだっけ……そういえば店のレジもまだ金額手打ちなんだよな……
「え~と……番號で管理するもので、縦線が沢山引かれたものなんだけど……」
「???」
「分からないよね……まあ専門家呼んでおいたからすぐに分かると思う」
「どなたですか?」
「もうそろそろ來ると思うんだけど……」
今日の朝來てもらえるように頼んでおいたんだけど……まだ來ないな。
「本を貸し出す時ってお金かかるんですよね?」
「いや、かからないよ。図書館の運営費は全部稅金で賄うようにする」
「え!? 誰でも無料で借りられるってことですか!?」
「もちろん。貧乏でもそうでなくても誰でも利用できるようにお金はかからないようになってるのよ」
別の國にある図書館がどういう仕様かは知らないが……なくともアルトレリアでは日本と同じようにお金はかからないようにしておく。
「じゃあ一度に何十冊も持って帰って良いんですか!?」
リーディア……一日に何十冊も借りるつもりでいるんだな……本の蟲ってやつか。
「いや、まあ一度に貸し出す量は制限してもらわないといけないよ。多くても十冊……は、ちょっと借り過ぎな気がするから五冊ってところかな?」
「そ、そうですよね、流石に何十冊は借り過ぎですね」
その時、り口付近から聲がした。
「おう、アルトラ、待たせたな。カード作る機械とバーコードリーダー、それと頼まれてた本にるバーコードを持って來たぞ」
「來てくれてありがとうございます、フィンツさん!」
ドワーフ工房で相談してみたところ、フィンツさんがアクアリヴィアでこの手の機械の開発に攜わったことがあると聞いたのでカード関係の開発をお願いした。
「じゃあパソコンのセッティングとカード関係の機械の使い方の伝授をお願いして良いですか?」
「ああ、分かった、任せておけ」
良かった、そういう機械があるのは知ってるけど、使い方までは私じゃ分からんからな……
こっちはフィンツさんにお願いしよう。
「じゃあリーディア、あなたが主になってやることだからしっかり聞いておいて」
「はい」
「はい! じゃあ図書館員のみんな、私たちは別の仕事をしましょうか」
「何をするんですか?」
「このバーコードシールを本の裏表紙の右下隅か左下隅にっていって。こういうじに何も書いてないところへね」
私がった本を見本としてみんなに見せる。
バーコードには『アルトレリア図書館』と明記され、その上部に魔界文字で振り仮名が振られている。
「これがさっき言ってたバーコードですか?」
「わぁ……! ここの名前が書いてあるんですね!」
「こんなのって何になるんですか?」
「これをカウンターに置いた機械で読み取ることで、どこにその本が収納されてるか分かるようになるの」
「こんなシールで……?」
まだバーコードが無いから、『意味が分からない』ってのと『ホントに……?』って懐疑的な表をする者が多い。
「まあ、今リーディアが教えてもらってることが終われば、このバーコードが活用できるようになるから。あなたたちもリーディアに聞いて使い方を覚えてね」
「「「はぁ……」」」
「はい、じゃあ分擔してっていってください」
先日の分類で分けた本の場所へそれぞれ分擔してってもらう。
「我はどうすれば良い?」
運搬するものも無いし、フレアハルトにはもう帰ってもらっても良いんだけど……
「じゃあみんなと一緒にバーコードのり付けをお願い」
「了解した」
◇
そうして、図書館員全員で黙々とバーコードをり付けること二時間――
リーディアたちの様子を見に來た。
「どう? パソコンの使い方は分かったかしら?」
「はい。次は本の登録をしてしまいましょう。バーコードをった本を持って來てもらうよう伝えてもらえますか?」
「了解」
とりあえず、0番の総記から持って行くか。
「フレアハルト、出番が來た!」
「お? 運搬作業か?」
大量の本を運搬するために用意しておいた臺車を持ってきた。
「臺車か? 用意が良いな」
「本の山を手で持って行くのも大変でしょ?」
臺車に本を山ほど積み――
「じゃあリーディアのところへ持って行って」
私はあと二人パソコン要員を集めなきゃね。
「ブクタとディクシア」
「「はい?」」
バーコードり付け作業中のブクタとディクシアに聲をかける。
ブクタ、二十三歳の男。
ディクシア、二十歳の。
この二人も、リーディアと同じく路上販売していた本に魅了されて読書を好むようになった。今回図書館の職員募集に応じてくれた二人。
「あなたたちはこっちの仕事を手伝って」
◇
パソコンの前に二人座らせて、リーディアに指導をお願いする。
この三人は、ここからはバーコードを読み取って、本の名前登録をしてもらう。
「ここに置いておけば良いのか?」
「ああ、ありがとう。本を下ろしたら、総記のところへ戻って次の本の山を持ってきて。総記のところに持ってくる本が無くなったら休んでて良いや」
「分かった」
フレアハルトは再び臺車を持って総記コーナーへ走った。
そしてパソコン作業をする三人は、というと……
「え~と……jou 報hou 學gaku nyuu 門monn」
「……昆konn 蟲chuu 大dai ひゅhyu、あ、間違えた……百hya 科kkaと……」
「ユyu グgu ドdo のno 大dai 森shinn 林rinn 食shoku 材zai 大dai 百hya 科kka…………ふぅ……」
お……遅い……ぎこちない……
三人とも指一本でキーボードを叩くから、中々進まない。
これでは日が暮れてしまいそうだ……
手伝った方が良いか?
「う~ん……手が遅いな。練習させた方が良いな。お前たち三人、今日から業務時間が終わったらし殘れ、俺がタイピングを教えてやる」
おお……フィンツさんが自ら願い出てくれるとは……ありがたい。
「今日のところは…………アルトラ、お前パソコンできるよな?」
「ま、まあタイピングくらいなら……」
「じゃあ、今日のところはお前が本の名前登録しろ」
「え″っ!?」
わ、私!?
全部を……?
と、思って見回してみるも、パソコンできるヒトが一人としていない。
「このままじゃいつまで経っても終わらんぞ? 俺は二臺使ってこいつらの指導をするから、一臺はお前が使え」
「うぅ……わ、分かりました……」
結局その日のパソコン作はほぼ全て私が擔當することに……
「ひぃ~~」
カタカタカタカタカタ
ターーン!!
◇
業務時間が終わったら一時中斷、次は明日に持ち越しとなった。
「じゃ、じゃあ……私がやるべきことはほとんど終わったから、明日からはあなたたちで図書館の運営をお願いね……」
「「「了解しました!!」」」
「俺はしの間時間外労働だがな」
「け持ってもらえてありがたいです……よろしくお願いします」
「まあ、今日はご苦労だったな」
「一人で登録は疲れました……」
「我はもう用は無いか?」
フレアハルトが聞いてきた。
「そうだね、もう運搬作業は無いし、自分の業務に戻って良いや。數日間ありがとね」
「ああ、ではな」
フレアハルトは帰宅。
「じゃあ私は帰宅するんで……」
疲れを引きずりつつ、タイピング指導をフィンツさんにお任せして帰路に著いた。
カードの使い方と、會員登録についてはフィンツさんがリーディアに伝授してくれたため、この數日後から図書館の運営が本格的に始まることになる。
◇
図書館の開館準備から帰宅。
その帰り道――
何気なく街路樹に目を向けると、バッタかイナゴか、そういった種類に似た蟲が何匹も幹や枝にとまっていた。
「…………隨分蟲が住み著くようになったのね……」
灼熱の土地だった時はほとんど見ることは無かった蟲。
生命の営みが増えたことは良いことのように思う。
が、この數日後に急激に蟲が増えた原因が判明するとは、この時は思いもしていなかった……
小説で『カタカタカタカタカタ ターーン!!』を書くことになるとは思いませんでした (笑)
次回は9月23日の20時から21時頃の投稿を予定しています。
第508話【畑が集団で……】
次話は來週の月曜日投稿予定です。
ひねくれ領主の幸福譚 性格が悪くても辺境開拓できますうぅ!【書籍化】
【書籍第2巻が2022年8月25日にオーバーラップノベルス様より発売予定です!】 ノエイン・アールクヴィストは性格がひねくれている。 大貴族の妾の子として生まれ、成人するとともに辺境の領地と底辺爵位を押しつけられて実家との縁を切られた彼は考えた。 あの親のように卑劣で空虛な人間にはなりたくないと。 たくさんの愛に包まれた幸福な人生を送りたいと。 そのためにノエインは決意した。誰もが褒め稱える理想的な領主貴族になろうと。 領民から愛されるために、領民を愛し慈しもう。 隣人領主たちと友好を結び、共存共栄を目指し、自身の幸福のために利用しよう。 これは少し歪んだ気質を持つ青年が、自分なりに幸福になろうと人生を進む物語。 ※カクヨム様にも掲載させていただいています
8 135【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
8 111【書籍化・コミカライズ】実家、捨てさせていただきます!〜ド田舎の虐げられ令嬢は王都のエリート騎士に溺愛される〜
【DREノベルス様から12/10頃発売予定!】 辺境伯令嬢のクロエは、背中に痣がある事と生まれてから家族や親戚が相次いで不幸に見舞われた事から『災いをもたらす忌み子』として虐げられていた。 日常的に暴力を振るってくる母に、何かと鬱憤を晴らしてくる意地悪な姉。 (私が悪いんだ……忌み子だから仕方がない)とクロエは耐え忍んでいたが、ある日ついに我慢の限界を迎える。 「もうこんな狂った家にいたくない……!!」 クロエは逃げ出した。 野を越え山を越え、ついには王都に辿り著く。 しかしそこでクロエの體力が盡き、弱っていたところを柄の悪い男たちに襲われてしまう。 覚悟を決めたクロエだったが、たまたま通りかかった青年によって助けられた。 「行くところがないなら、しばらく家に來るか? ちょうど家政婦を探していたんだ」 青年──ロイドは王都の平和を守る第一騎士団の若きエリート騎士。 「恩人の役に立ちたい」とクロエは、ロイドの家の家政婦として住み込み始める。 今まで実家の家事を全て引き受けこき使われていたクロエが、ロイドの家でもその能力を発揮するのに時間はかからなかった。 「部屋がこんなに綺麗に……」「こんな美味いもの、今まで食べたことがない」「本當に凄いな、君は」 「こんなに褒められたの……はじめて……」 ロイドは騎士団內で「漆黒の死神」なんて呼ばれる冷酷無慈悲な剣士らしいが、クロエの前では違う一面も見せてくれ、いつのまにか溺愛されるようになる。 一方、クロエが居なくなった実家では、これまでクロエに様々な部分で依存していたため少しずつ崩壊の兆しを見せていて……。 これは、忌み子として虐げらてきた令嬢が、剣一筋で生きてきた真面目で優しい騎士と一緒に、ささやかな幸せを手に入れていく物語。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※書籍化・コミカライズ進行中です!
8 173【書籍化&コミカライズ決定!】10月5日コミカライズ連載スタート!10月15日文庫発売!追放された元令嬢、森で拾った皇子に溺愛され聖女に目覚める
※舊タイトル【追放のゴミ捨て場令嬢は手のひら返しに呆れつつ、おいしい料理に夢中です。】 「私はただ、美味しい料理を食べたいだけなんだけど」 幼少期にお腹を空かせてばかりいたため、食いしん坊 子爵家の養女となり、歌姫となったキャナリーだが、 他の令嬢たちは身分の低いキャナリーを標的にし、こきおろす。 「なんでもポイポイお腹に放り込んで、まるでゴミ捨て場みたいですわ」 不吉な魔力を持つ娘だと追放され、森に戻ったキャナリー。 そこで怪我をしていた青年二人を助けたが、 一人はグリフィン帝國の皇子だった。 帝國皇子と親しくなったキャナリーに、 ダグラス王國の手のひら返しが始まる。 ※本作は第四回ビーズログ大賞にて、特別賞とコミックビーズログ賞のダブル受賞をいたしました! 目にとめていただき、評価して下さった読者様のおかげです。本當にありがとうございました! 【書籍情報】 2022年10月15日に、ビーズログ文庫様から書籍として発売されます! また、書籍化にともないタイトルを変更しました。イラストは茲助先生が擔當して下さっています! 先生の手による可愛いキャナリーと格好いいジェラルドの書影は、すでにHPやオンライン書店で解禁されていると思いますので、ぜひ御覧になっていただけたらと思います! 中身は灰汁をとりのぞき、糖分を大幅に増し、大改稿しておりますので、WebはWeb、文庫は文庫として楽しんでいただければ幸いです。 【コミカライズ情報】 コミックビーズログ様などにおいて、10月5日からコミカライズ連載がスタートしています! 作畫はすずむし先生が擔當して下さいました。イメージ通りというより、はるかイメージ以上の素敵な作品になっています!漫畫の中で食べて笑って話して生き生きとしている登場人物たちを、ぜひチェックしていただきたいです! 【PV情報】 YouTubeにて本作品のPVが流れております! キャナリー役・大坪由佳さん ジェラルド役・白井悠介さん と豪華聲優様たちが聲を當てて下さっています!ぜひご覧になって下さいませ! どうかよろしくお願いいたします!
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