になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。》&211

せっかく中央の宇宙に侵攻したが、なんにもできずに再び自の宇宙に戻ってきた。皆はなにかざわざわとしてる。てか……

(これからどうするか? なにせあそこに殘ってた古龍三が消えた。それは私たちしか知らない事実だよね? これって公表した方がいい? いや、混の方が大きくなるだろう。どうしたらここから私が有利にけるか……)

はっきりいってこのままじゃこの宇宙はおしまいだ。なにせ中央を抑えてた古龍がもうそれを放棄してる。さっきの三がきっと律儀に役目を全うしようとしてた奴らだ。その三も既に中央に吸収されてしまった。

「あとどのくらい持つと思う?」

「わから、ない。今すぐ、かも、しれない。違うかも、しれない」

そもそもが私たちの時間の覚はあいまいだ。なにせ私たちには死がない。だから時間なんてものに捕らわれてない。時間は絶対の……というのは星とかに捕らわれてる生命の概念だ。神には時間はないし、龍にもない。私たちは無限を生きるからこそ、なんでも出來る。けど……

「宇宙が終わるとなるとそうもいってられない」

なにせ私たち神や龍や竜の生活はこの宇宙に支えられてる。この宇宙があるから、私たちは神であり龍なんだ。そこ以外に行くなんて……

出……するしかないか」

「なに?」

「だから出よ。この宇宙からね。いつ発するかもわからない時限弾の中に今はいるのよ? そんなの気が気じゃないでしょ。耐えられないわ。だからって始祖の龍を打ち倒すなんて……そんなのは不可能でしょ? ゼーファスはそれをやろうとしてるようだけど……そんなの出來るなら古龍たちがやってるわ」

そう、ゼーファスのプランは勇気とかじゃない。無謀だ。相手は始祖の龍。私たちの力の源も元をたどればその始祖の龍へと続くんだ。それなのに、そんな相手をどうやって倒せというのか……

「だからって新しい宇宙を作るプランも今はもう……それなら逃げるしかないじゃない。きっとどこかに全く別の宇宙はある。そうでしょ?」

「それは、わからない」

メルトも『外』にはいったことなんてないだろうから、それは仕方ない。けどきっとあると私は思ってる。だって、ないはずがない。宇宙がこの宇宙しかない? そんな馬鹿な……だ。この宇宙と共に死ぬなんてまっぴらごめんだ。

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