になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。》&219

「貴方なら、この大きなをどうみますか?」

なんか占いを放棄してそんな事を質問してくるククール神。いや、今は占いしてるんだから先に結果を言いなさいよ。いや、どう見てもいい結果になるようにはおもえないけどね……

なにせこのお盆が宇宙を模してるのだとしたら、そこに既に他のはひとつもない。あるのはただ一つ。中央の禍々しい紫のだけ。それが宇宙を覆いつくそうとしてるようにみえる。這うようにそのの余波なのか先兵なのか……それがびてる。

とりあえず私はこれを見て得た印象を素直に語ることにした。

「宇宙は中央のに飲み込まれる。それに逃げるはない……って所かしら?」

丁度お盆の中が全てこの紫のが満たされた。なんとなくだけど、その中に恐ろしい龍の姿が見える気がしてる。実際直接私は始祖の龍とかいうのをみたことはない。

でも龍なんだからきっと怖い顔をしてるに違いない。

「ふふ、なるほど……確かにそういう見方もできるかもしれませんね」

「この結果が違うっていうの?」

どうみても不吉を現してる……というようにしか見えないが。

「言いましたよね? 占いとは未來を確定させるものじゃないのです。自由なんですよ?」

そういって彼を乗り出すようにして、お盆の中を見つめる。

「そうですね。確かに全てがにのまれたように見えるかもしれません。けど見てください」

そういってククール神は何かを示す。うん? なに? 何も見えないけど?

「私には見えます。まだ輝く者たちが」

「はあ……」

「確かにこの宇宙には危機が迫ってる。それは疑いようもない事実です。なにせどう占っても、この未來は変わりません」

「なら……それは……」

確定してるといえるような? けどククール神は首を振るう。

「いえ、私が見たのはこの宇宙に不幸が訪れるという未來だけです。途方もない危機が襲來します。けどそれを沢山の神が知りました。そしてこうやって不幸に覆われた宇宙でもそれに立ち向かおうとする者たちはいます」

「でも相手は始祖の龍よ。占いというのなら、どうしたらいいのかも教えてくれるのよね?」

私の言葉に意味深に微笑むククール神。そしてさらに真剣にお盆を見つめてこういった。

「私には皆が辺境を目指してるように見えます」

「逃げようとしてるんじゃない?」

「違いますね。そこに、希があるからです」

そういうククール神が指さしたところ……そこが一筋、りだす。

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