《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1832話 再び鬼人族の集落へ
シギンと煌阿の戦闘が行われるし前、天狗族との決著をつけたソフィ達は、天狗族の縄張りで一悶著を起こした妖狐の『王琳』と『七耶咫』を連れ立って、再び玉稿たちの待つ鬼人族の集落へと戻ってきた。
門を守っていた數の鬼人が戻ってきたソフィ達に気づくと、直ぐに中に居る玉稿たちに知らせに行き、ソフィ達はここに初めて足を運んだ時のように、そのまま長老である玉稿の部屋へと通されるのだった。
「おお! よかった。無事でございましたか、ソフィ殿!」
「ソフィさん!」
「ソフィ殿!」
玉稿は門を守っていた同胞に事を説明された後、直ぐに忍鬼に百鬼、ソフィ達と仲の良かったイバキといった主だった者達を部屋に招きれてソフィ達の到著を待っていた。
そしてソフィ達が部屋にってきたのを見て、忍鬼たちは直ぐに椅子から立ち上がって嬉しそうな聲を上げながらソフィの元へと駆け寄ってくるのだった。
「遅くなってすまぬな。イバキ殿も無事に目を覚まして何よりだ」
「うん。話は全て彼から聞かせてもらったよ、本當に迷をかけてしまった。何から何まで本當にすまなかった、ソフィ殿」
「何を言うか。そもそもが天狗共の狙いは我達だったのだ。むしろお主を巻き込んでしまったのだから、本當ならばこちらが謝罪をせねばならなかったくらいだ……」
ソフィとイバキの雙方が互いに謝罪を行おうとする會話を続けていると、玉稿もソフィや他の面々を一瞥した後に口を開いた。
「そ、それでソフィ殿。天・従・十・二・將・や、天・魔・殿・たちとの件は、さ、最終的にどうなったのだろうか?」
こうして無事に戻ってきたという事は、何らかの形で天狗族との渉を終えられたのだろうという予想は直ぐについた玉稿だが、それでも天狗族を束ねる天魔の帝楽智が、直接にソフィ達を自分達の縄張りへといれた以上は、あっさりと解決が出來たとは思えなかった。
そして話し合いの末にどういう結末を迎えたのかと、彼は戦々恐々としながらソフィに尋ねるのだった。
「安心するがよい。奴らが二度とお主らの前に姿を見せる事はない」
「は……? そ、それは一どういう事だろうか」
一ソフィ達と天狗族の間でどういう話し合いが行われたのかは分からないが、天狗族はこの妖魔山での中腹までの管理を任されている三大妖魔筆頭なのである。そんな山の顔役である天狗族が、今後鬼人族達の前に姿を現さない筈もなく、ソフィの発言の意味が理解出來ない玉稿は、もうし詳しく説明をしてしいとばかりに更に尋ねるのだった。
「はっ! そんな事はいちいち聞くまでもなく分かる事だろうが! ソフィが奴らを皆殺しにしちまったんだよ。奴ら『天狗族』とやらは一匹殘らずこの山から完全消滅だ。実に稽な姿だったぜ? 大層な數を自分達の縄張りに集めてイキり散らかしながら、勝ち誇った顔を浮かべていた連中が、次々と首を刎ね飛ばされたり、あらゆるの部位を削がれながら、飛沫を舞わせて死に絶えていくんだ! それも実に愉快なことによぉ? 奴らは死に際の最後まで何が起きているのか分からないって顔をしてやがった。そりゃソフィにられて自分の意思じゃねぇのに、勝手に足がいて死に向かって歩き出していくんだから、訳が分からず恐怖だっただろうなぁ! クハハハハッッ!」
突然に橫からソフィの代わりに口を出して説明を果たしたのは、満足そうに笑いながら話す大魔王ヌーであった。
どうやらここまでソフィの恐ろしい威圧を近にじて、彼は興冷めやらぬ狀態だったのを何とか堪えていたのだろう。ここにきてイバキ達と接した事でようやくソフィの態度が和らいだ事で、今までに溜め込んでいたを発散する絶好の好機だとばかりに意気揚々に語り出した。
大魔王ヌーはようやくあの時の凄慘な空間を生み出して見せた、最強の大魔王の暴れっぷりを他者に聞かせられた事で、非常に満足そうに鋭利な笑みを浮かべるのだった。
どうやら大魔王ヌーは、あの時の天狗族を相手に完全支配を行ったソフィの戦闘っぷりに、心では相當に刺激をけていたようであった。
ヌーもまたと戦爭を非常に好む『最恐の大魔王』であり、同じ『大魔王』であるソフィの暴れっぷりには、自分が関與しなければ、非常に楽しめる娯楽だと考えているようである。
あれは最高だったと言わんばかりの大魔王ヌーの説明をけた玉稿や忍鬼達は、呆然とした表で互いの顔を見合わせた後に、最後にはその視線をソフィへと向けるのだった。
「まぁ……、そういう事だ。奴らにはお主らに手を出した報いをけさせてやった。この山にはもう天狗族はたった一も殘ってはおらぬのは間違いない。もしまだ心配なのであれば、この世界中を対象に新たに天狗族を探ってみるがどうする?」
どうやら天狗族が本當に目の前に居るソフィという『魔族』一に滅ぼされたのだと、それは現実なのだという事を理解した玉稿は、慌てて首を橫に振るのだった。
「い、いや……。も、もう結構ですじゃ! そ、そうですか、いやはや、そうですか……」
何て形容していいのか分からず、當然それを言葉にする事も難しくなった玉稿は、何を言っていいのか分からぬまま、脂汗を浮かべながら困ったように同じ言葉を繰り返したのだった。
……
……
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