《最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所屬してみました。》第1836話 気高さをみせる妖狐
先程まで見慣れた景が広がっていた妖魔山の頂から、まるで神々が張る『固有結界』と見紛う程の無機質な空間へと閉じ込められた耶王は、小さく舌打ちをしながら辺りを見回しながら歩き始めていく。
(やはり実際にこうして歩いて確かめてみたけど、幻の類ではないようね。特有の綻びや違和と言うものを全くじられない。それにそもそも妖狐の私に対して幻を使うのは得策じゃないという事は煌阿殿も重々承知でしょうし、最初に考えた通りに『結界』もしくはあの妖魔召士が使っていたような『空間魔法』とかいう『魔』の技法を用いられたと見るのが自然でしょうね。全くこれだから煌阿殿のような他者の力を使う仁は嫌いなのよね。扱いずらいったらないわ)
歩きながら中で煌阿に対する愚癡を吐いた彼は、閉じ込められてから一度も姿を見せない煌阿に苛々を募らせ始めるのだった。
(不安を煽っているつもりかしら? それとも……ん?)
「この空間の景はどうだ? 楽しんでもらえたかね」
耶王がこの無機質な空間の景に慣れ始めた頃、遂にこの場に彼を閉じ込めた張本人が唐突に目の前に現れ始めたのであった。
「殘念だけど私の好みではないわね。さっさと外に出してもらえないかしら?」
下賎な者を見るような視線を煌阿に向けた耶王は、うんざりしているというのが伝わるような聲で煌阿に告げるのだった。
「ふふっ、それは出來ぬな。こうして神斗のを乗っ取り、邪魔であった妖魔召士共の問題も解決した今では、この山で面倒になりそうなのはお前達妖狐の存在くらいのものだからな」
「ちっ」
その言葉に耶王は、これみよがしに大きく舌打ちをしてみせた。
「カカカカッ! お前は本當にいいだ。その冷酷な視線にどこまでも強気な態度。他種族共を圧倒的な強さで制圧出來る程の実力によく見合っている。どうだ? 今からでも遅くはないぞ耶王。王琳のようなつまらぬ男ではなく、この俺に仕えぬか?」
――その煌阿の言葉に耶王の表が豹変したかと思えば、一瞬のに『金』のオーラが纏われ始めた。
そしていつの間にか彼の近くまで接近を果たした耶王が、煌阿の顔を毆り飛ばそうと手を前に出してくるのだった。
しかし実際にその拳が煌阿の顔を毆り飛ばすことは葉わず、逆にその腕を摑まれた耶王は、そのを無理やり煌阿に引き寄せられてを抱きしめられてしまうのだった。
そして無遠慮にその耶王のを奪おうと顔を寄せてくる煌阿に、遂に耶王は我慢の限界を迎えた。
「――殺してやる」
「むっ……!」
煌阿は自分のの中に引きれた耶王のが唐突に変貌していく姿を見て、慌てて抱きしめていたを離してその場から後退った。
「ククククッ! 気高いお前がそんな生娘のような反応を見せるのがまた格別でたまらぬのだ!」
現在の妖狐本來の姿となった耶王は、その金に輝くオーラも相まって非常に神的な生のようにじられた。
王琳はその姿に魅了されたかのように唸ると、小さく溜息を吐いた後に再び口を開くのだった。
「まぁ、そう慌てるなよ耶王。全てが片付いた後にまたゆっくりとお前の相手をしてやる。その時をこの空間で楽しみに待っているがよい」
耶王に恐ろしい程の殺意を向けられている王琳は、舌なめずりをしたすぐ後に、この場にやってきた時のようにその場から姿を消すのだった。
……
……
……
「お前らが今も當たり前のように張っているその『結界』は、いったい誰が用いたモノなのだ?」
明らかにこの場に居る者達が用いたものではない『結界』に疑問を抱いた王琳が、そう言葉を発すると鬼人族の集落へと向かおうとしていたウガマ達の足が止まった。
「こ、これか……? こ、これは、イダラマ様が意識を失う前に我々を案じて張ってくれた『結界』だ!」
「う、ウガマ殿……!」
咄嗟にそう言い返してしまったウガマの言葉に、イダラマの護衛の退魔士の一人が慌てて聲を掛けようとするが、その前に王琳が笑い始めるのだった。
退魔士ですらない『予備群よびぐん』のウガマは、者が意識を失った時點で『結界』の効力が消え去るという事実がぱっと頭に浮かばなかったようで、妖魔召士や退魔士といった『魔』の概念に理解があれば誰でも直ぐに見抜ける噓をついてしまったようだ。
「そのように誤魔化さなくともその『結界』を張った奴をどうこうしようというつもりはない。単に興味が湧いたから尋ねただけで他意はないさ」
そしてようやく自分の発言が如何に失言だったかに気づいたウガマは、観念するように一人の妖魔召士の名をこの場で口にするのだった――。
……
……
……
【書籍化&コミカライズ】婚約者の浮気現場を見ちゃったので始まりの鐘が鳴りました
婚約者である王太子の浮気現場に遭遇したソフィーリアは、自分が我慢の限界を迎えていたことを知る。その時、ソフィーリアの前に現れたのは一人の騎士だった。 ーーーーーー 婚約破棄から始まるものを書いてみたいな、と軽いノリで書き始めたシリアスもどきのギャグです。 第3章始めました! ー------ 1/7異世界(戀愛)&総合/日間ランキング1位 1月 異世界(戀愛)/月間1位 1月 総合/月間2位 ー------ 書籍化&コミカライズ決定しました!!!!! 本當に有難うございます!!!!
8 89異能がある世界で無能は最強を目指す!
異能がある世界で無能の少年は覚醒する
8 84クリフエッジシリーズ第四部:「激闘! ラスール軍港」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一八年九月。 自由星系國家連合のヤシマに対して行われたゾンファ共和國の軍事行動は、アルビオン王國により失敗に終わった。クリフォードは砲艦の畫期的な運用方法を提案し、更に自らも戦場で活躍する。 しかし、彼が指揮する砲艦レディバードは會戦の最終盤、敵駆逐艦との激しい戦闘で大きな損傷を受け沈んだ。彼と乗組員たちは喪失感を味わいながらも、大きな達成感を胸にキャメロット星系に帰還する。 レディバードでの奮闘に対し、再び殊勲十字勲章を受勲したクリフォードは中佐に昇進し、新たな指揮艦を與えられた。 それは軽巡航艦デューク・オブ・エジンバラ5號(DOE5)だった。しかし、DOE5はただの軽巡航艦ではなかった。彼女はアルビオン王室専用艦であり、次期國王、エドワード王太子が乗る特別な艦だったのだ。 エドワードは王國軍の慰問のため飛び回る。その行き先は國內に留まらず、自由星系國家連合の國々も含まれていた。 しかし、そこには第三の大國スヴァローグ帝國の手が伸びていた……。 王太子専用艦の艦長になったクリフォードの活躍をお楽しみください。 クリフォード・C・コリングウッド:中佐、DOE5艦長、25歳 ハーバート・リーコック:少佐、同航法長、34歳 クリスティーナ・オハラ:大尉、同情報士、27歳 アルバート・パターソン:宙兵隊大尉、同宙兵隊隊長、26歳 ヒューイ・モリス:兵長、同艦長室従卒、38歳 サミュエル・ラングフォード:大尉、後に少佐、26歳 エドワード:王太子、37歳 レオナルド・マクレーン:元宙兵隊大佐、侍従武官、45歳 セオドール・パレンバーグ:王太子秘書官、37歳 カルロス・リックマン:中佐、強襲揚陸艦ロセスベイ艦長、37歳 シャーリーン・コベット:少佐、駆逐艦シレイピス艦長、36歳 イライザ・ラブレース:少佐、駆逐艦シャーク艦長、34歳 ヘレン・カルペッパー:少佐、駆逐艦スウィフト艦長、34歳 スヴァローグ帝國: アレクサンドル二十二世:スヴァローグ帝國皇帝、45歳 セルゲイ・アルダーノフ:少將、帝國外交団代表、34歳 ニカ・ドゥルノヴォ:大佐、軽巡航艦シポーラ艦長、39歳 シャーリア法國: サイード・スライマーン:少佐、ラスール軍港管制擔當官、35歳 ハキーム・ウスマーン:導師、52歳 アフマド・イルハーム:大將、ハディス要塞司令官、53歳
8 178どうやら勇者は(真祖)になった様です。
異世界に勇者として召喚された高野勝人は、 激戦の末、ついに魔王を倒す。 そして2年後、吸血鬼の真祖の討伐に向かった勝人は────。 第1章完結。 改稿しました。
8 145異世界で始める人生改革 ~貴族編〜(公爵編→貴族編
「ああ、死にたい」事あるごとにそう呟く大學生、坂上宏人は橫斷歩道を渡っている途中トラックにはねられそうになっている女子高生を救い自らが撥ねられてしまう。だが死ぬ間際、彼は、「こんなところで死ねない!死ねるわけがない」そう思い殘し、そのまま死んでしまう。死にたいという言葉と死ねないという思いを抱えながら死んだ彼は、あの世の狹間で神に出會い、異世界に転生される。そこで手にいれたのは攻撃魔法不可、支援特化の魔法とスキルだった。 仕方ないからこれで納得できる人生送ろう。 感想の返信はご勘弁お願いいたしますm(_ _)m エンターブレイン様より書籍化いたしました。
8 190格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜
東堂院力也は、地球最強の男だ。 ある日、居眠り運転のトラックから少年少女を助けるために、彼は犠牲となった。 「…………む? ここは……?」 彼が目を覚ますと、見知らぬ森にいた。 狀況整理に努めているときに、森の奧から女性の悲鳴が聞こえてきた。 「きゃあああっ!」 「むっ! 女の悲鳴か……。今向かうぞ!」 東堂院力也は駆け出す。 しばらくして、女性の姿が見えてきた。 數人の男に押さえつけられている。 服を脫がされ、半裸の狀態だ。 「そこまでだ! 賊どもめ!」 東堂院力也が大聲でそう言う。 男たちが彼を見る。 「何だあ? てめえは!」 「けっ。通りすがりの冒険者かと思ったが……。見たところ丸腰じゃねえか」 「消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」 賊たちがそう言って凄む。 果たして、東堂院力也はこの賊たちを撃破し、女性を助けることができるのか。 格闘チャンプの異世界無雙が、今始まる。
8 73