《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》クランハウス①

ポータルで【 ヘラ 】に到著したところで、クラメンに囲まれた。

早く行こうと急かす、キヨシとチカ。言葉にはしないがソワソワしている、ゼンさんヒガキさん、先生、ティタ。

いつも通り「行きましょうか」と言う宮ネェの聲に同意して頷く。

私が購したクランハウスは、ヘラのポータルから東の住民區にり、南一つ路地を曲がったところに建っていた。

[[さゆたん] 流石に広いでしゅね~]

[[宮様] そうね~。こんな広い所だとは思わなかったわ……]

[[大次郎先生] はぁ~。凄いなw]

[[白聖] まじか……でかっ]

[[キヨシ] 庭にジャングル作れるぜw]

[[黒龍] はー。すげー]

[[ゼン] ほえ~]

[[宗乃助] 城でござるな……]

[[ティタ] いくつ部屋あるのここ……]

[[†元親†] 地下基地作れそうだなwww]

[[ヒガキ] 本當にここですか……?]

流石元4T件、その見た目は他のNPC貴族が住むような、ブリテン島にあるウォーバーン修道院のようなみためのカントリー・ハウスそのものだった。

白を基調にした青い屋の三階建てで、初期ながらも豪華な見た目だった。ハウスに到著して外壁からその姿を呆然と眺め、皆がその見た目にしバカっぽく口を開け言葉をらした。

皆が驚くのも無理はない……買った本人でさえ驚いてる……よ。

家をもう1件建てても庭が取れそうなほど広々とした噴水付きの庭園に、白い壁に青い屋のシックながらも豪華な建だ。

嘆するメンバーを引き連れ、ハウスを囲むフェンスを辿り門に到著すればそこでもまた「うわ~」と各々が聲を発した。

口の両開きの門中央には既に、所有クランであるBloodthirsty Fairyのクランマークが大きく彫り込まれている。

花魁姿に蝶羽を付けた赤い刀を持つ、飛沫が付著したキヨシ特製のそれが彫られた門を開け中にれば、玄関扉まで一瞬で移する。

こう言うところゲームだな……なんて思いつつ、焦げ茶の分厚い木製扉を開けた。

[[ren] 好きに見て部屋決まったら呼んで]

玄関ホールで立ち止まりソワソワするメンバーに向けクラチャで、自由行を伝えれば皆瞳を輝かせ、散り散りに散って行いった。

一階は基本、メンバー用と言うよりは全員が使用するスペースとなるため、部屋の広さを確認しながら部屋の名前を決めて行く。

玄関からすぐ右の扉を開き室を覗き込んだ。

側面窓側と言えばいいだろうか? その全てがガラス張りの扉になっており、橫にスライドさせて部屋全を開けるようになっている。

部屋の中央をカウンターテーブルが仕切り、壁際には大きめの暖爐が據え付けられていた。

「ここは……リビング、ダイニングだろうな……」

獨り言を零し、室の壁にあるタッチパネルを作して、雰囲気的にリビング・ダイニングと名前を付け、権限を全員に與える設定にした。

「家は……誰かに丸投げしよう」

[[†元親†] ren! 決まった!]

[[大次郎先生] 嫌な予が……]

[[ren] チカどこ?]

[[†元親†] 地下だー!]

[[ren] うぃ]

一番手はチカだった。先生がじたらしい嫌な予を同様にじつつ、チカの説明で彼が今いるらしい地下に移する。

登り用の階段の下にある扉を開くと地下へ降りる階段が現れる。

指示されるままに階段を下った私の視界に、お世辭にも綺麗とは言い難い灰の壁と床が映った。

[[†元親†] こっちだー!]

質素な木の扉を開けたチカが顔を出し、手招きして私を呼ぶ。それに答えチカの部屋になる予定の部屋へとった。

ラノベとかに出てくる城の地下にある牢屋を監視するための人がいる部屋みたいな雰囲気だと思った。

「本気?」

「うん! マジこう言う部屋最高!」

「……そう」

その部屋は広さ六畳ほどの薄汚れた暗い部屋で、窓もなければ石がむき出しと言ったじだった。本當にここがいいのか? と真面目に聞き返せば嬉々とした聲音で最高とチカは言う。

本人がいいのであれば……それでいいけど……。この部屋には、きっと私には理解できない何かがあるのだろうと思考を切り、壁にあるタッチパネルを作して部屋の権限をチカに設定した。

[[ren] 終わった。後は好きにして]

[[†元親†] よっしゃー! 俺の部屋だ~w]

[[黒龍] ren。決まった]

[[ren] チカ> きのこは飼育しないでね? 黒> 行く]

[[宮様] きのこってwwww]

[[白聖] え? ここ、生えるのか?w]

[[†元親†] さぁ、家用意しないとなー。地下基地!!]

[[キヨシ] 生えたら食おうぜ!w]

[[大次郎先生] 地下って設定できたの?w]

元気に「あんがとなー」と手を振るチカに手を振り返し、黒の元へと向かう。

黒が選んだのは、三階奧にあたる南側の部屋で、日當たりもいいしチカの部屋に比べれば広さは三倍ぐらいあるだろう。壁際にもう一つ扉があり、続き部屋になった二つを使うらしい。

部屋の壁にあるタッチパネルを作して、権限を黒に設定した。

設定が終わったことを伝えれば、腕を組んだ黒がニヤニヤと笑いを浮かべ、さっそく家を並べはじめた。

[[ren] 他はまだ?]

[[白聖] 頼む~]

楽しそうに家を並べる黒に「じゃ」と一言伝え部屋を後にする。

シロの案に従い階段を降りながら、先ほどの黒の様子に持ってる裝備を一つずつディスプレイして、毎日磨きながら眺めてそうな気がした。

あくまでも、私の妄想なのだが本當にしそうな気がしたのだ。

[[白聖] ここー]

二階に降りてすぐの部屋の扉に寄りかかりながら待っていたシロに呼ばれる。待つ姿でさえイケメンだった。アバターが――。

シロの選んだ部屋は、西向きで広さは黒と同じなのだが、階段から近く移のしやすさだけで選んだようだ。

の壁に備え付けのタッチパネルを作して、シロに権限を與え部屋を後にしようとする私へシロが、言い難そうに問いかけた。

裝の金ってさ……クラン資金で補助金でないの?」

「んー。どうだろ? 聞いてみる」

[[ren] 先生、宮ネェ]

[[大次郎先生] ん?]

[[宮様] 何~?]

[[ren] 部屋の裝の補助金出していい?]

[[大次郎先生] それはクラン資金でってこと?]

[[宮様] 裝って……部屋のってことよね?]

[[ren] y]

[[大次郎先生] んー。今うちの倉庫いくらあるんだっけ?]

[[宮様] 確か3G位だったかしらね?]

[[大次郎先生] それなら全員@100で]

[[宮様] そうね]

[[ren] わかった。宮ネェと先生が皆に配ってね?]

[[キヨシ] マジで?! 100M分配?]

[[黒龍] ありがてーw]

[[ティタ] 助かるw]

[[さゆたん] 貧乏……なのが湧いたでしゅw]

[[ヒガキ] え? 100Mも?]

[大次郎先生] k]

[[白聖] 借金王、錬破産、強化破産?w]

[[宮様] k]

[[宗乃助] シロw 流石でござるw]

[[ゼン] いいんですか?]

[[黒龍] 黙れw錬破産とか言うな?w]

[[ティタ] ちょっと、強化破産って俺の事?w

ren> 決まった]

「@100で出すみたいだよ」とクラチャで話しを終えて直、シロに伝えれば「見えてたからw」と笑っていた。

シロと同じ二階を選んだらしいティタの元へ向かいながら、シロの言葉に謝する。今回シロに言われなければ、完全に補助金に関して失念していた。

補助金を出す理由としては、家類に関して趣向品と言う扱いとなる為、かなりの金額がかかってしまう事。

クランハウスに部屋はあっても、ベッドが無ければ宿屋へ向かうしかない。

ベッドの上で橫になった狀態でのみしかログアウトの表示が出ないこのゲームの仕様のせいで、必然的に部屋を持つ=ベッドを購せざるを得ない。

けれど家は趣向品、ベッドもそれに含まれるため一臺のベッドを購するだけで二次職ならメイン武を購できるぐらいの値段になってしまう。そのため補助金を出す必要があると言う訳だ。

ひとり100Mと言えば相當な金額だとゼンさんとヒガキさんは言うが、100M程度の金額で買えるものと言えばベッド、ソファー、ラグマットぐらいだろう。

選んだによっては一つの家でGが消えたり……などと言うこともあるらしい。

裝備よりも高いのが趣向品で、以前可らしい黒貓のぬいぐるみを見つけて買おうと値段を聞いたところ、一つで30Mと言われあまりの値段にそっとぬいぐるみを元の場所に戻し、店を出た事がある。

それほどまでに趣向品である家、小、服などは高い。

「ここにしたんだ~」

「うぃ」

ティタが選んだ部屋は、シロの部屋の斜め向かいにあたる北東向きの部屋だ。

広さは、シロに比べし狹いものの部屋の奧にある壁にはレンガ造りの暖爐が設置されている。

庭に突き出すように設置されたテラスもあり、ティタらしい選択の部屋のような気がした。

ニコニコ笑うティタに見守られながら、壁際にあるタッチパネルを作してティタに権限を與えた。

掲示板を後ほど差し込みます。

足を運んでいただきありがとうございます。

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