《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》人類の罪過(21)第三者side

「どういうことだ?」

「以前に、ソーラパネルの設置工事を行う際に業者を裝い何人か上落ち村に潛させたことがあるのは、ご存知かと思いますが……」

「うむ」

「その際に、神社の蔵で手にれた古文書ですが……、放炭素年代測定を行った所、なくとも紀元前3000年頃に書かれた書が存在している事が判明しました」

「何!? 竹杉、貴様は、いま! 古文書と言ったな?」

「はい」

「普通に考えて紀元前3000年と言えば――、いま! 現代から數えて4000年から5000年前だという事は分かるな?」

「分かっています。ですから、世界的に古代言語學とエジプト考古學に秀でておりますジュール・アルベルト博士へ依頼を出しました」

「その結果が……」

「はい。今回と……、世界中で発生している化け……、それらが無差別に人間を襲い喰らう様子が、古文書に書かれているという事です」

「俄かには信じがたいな……」

日本の首相である三宅は目を細める。

「そもそも4000年前のが――、古文書と言えば紙なのだろう? そんなモノが、無事に殘っているものなのか?」

「それが……、非現実的ではあるのですが……」

「既に、今起きていることが非現実的な事案だ。さっさと言え」

「はい」

首相の言葉にコクリと頷く竹杉。

その表には、戸いのが浮かんでいたが――、彼は話し出す。

「上落ち村の神社で手にれました古文書ですが、『時が止まった』質で作られていました」

「それは、時間が停まっているということか?」

「はい。年代測定を大まかに行うことは出來ましたが、時が停止している原因までは摑めておりません」

「なるほど……。つまり、いまの我々の現代科學では解明が出來ない質と言う事か?」

「そうなります」

「……」

一瞬、考え込む三宅。

だが――、すぐに視線は、竹杉に向かう。

「――で、現在の狀況と古文書に書かれている容が一致しているのなら……、それらが以前に起きたのなら、何とかする手立てがあるんだろう? あるからこそ、人類は、存続しているんだろう?」

「はい。そのために、アレを運んできてもらう為に剣山に來て頂きました」

「ふむ……、急遽、アレを移すると聞いた時には驚いたが、そういう事であったか……、それで、どうすれば人間を襲ってきている化けに対抗できるのだ?」

「古文書には、龍脈を介して星との契約を行う事と書かれております」

「龍脈? オカルト染みているな」

「分かっています。――ですが! 銃弾や兵も無盡蔵という訳にも行きません。まだ戦う余力があるに、契約を行い化けには化けを當てるしかありません」

「分かった。すぐに始めてくれ」

「総理は?」

「……し一人にしてくれないかね?」

「分かりました」

敬禮をして部屋から出ていく竹杉。

その後ろ姿を見ながら三宅は小さく溜息をついた。

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