《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》現狀どうなってるんですか?

轟音響く壊都東京。無論、ほかの都市には生き殘っている人間などほとんどいないだろうという狀況の中で、ピコピコとなり続ける電子音。

「なんなの、これ」

シルティスは、目の前にいるがゲームをしているのをじーっと見つめていた。

「あ、あの、どちら様でしょう?」

恐る恐るが聞いてきたので、シルティスはこういった。

「私に見覚えない?」

すると、は何かを思い出したかのように

「あっ、あの時のっ!?」

んだ。

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いや、まさかでしょ、まさかすぎるでしょ、だってヲタミンの使い魔ちゃんがこんな所までおってくるとか思わないじゃんな、もしかしてお客ってこの子?

ぐるぐるとまとまらない思考を何とか『OMOTENASHI』の方向にまとめて、ほかの全員も家の中にあげてお茶を出した。

「さぁ、どうぞ。こんなものしかないですが」

人の家のもの勝手に出しといてこんなもの呼ばわりもどうかと思うとヲタミンに突っ込まれそうだな、と、しげんなりした。

「それで、なぜあなたがここに?」と、シルティスと名乗った使い魔のが答えたので、こっちが聞きたいわ、と心でツッコミをれつつ、自信がイースベルに殺されてこちらの世界に帰ってきたのだということを話す。

すると、みるみるうちに打ち解けた雰囲気になり、ヲタミンがそのタイミングで戻ってきた。

「おう、先にこっちに客來てたん……だ、な!?」

「あー、驚いてる驚いてるー」

「ですよねー」

シルティスと私が口々にニヤニヤしながらそう突っ込むが、彼としてはそれどころじゃないのだろう。

「なぜ、なんで、どうして、え、なにこれ、なんのドッキリ、何それ意味わかんない、え、ちょま、な、え? え? え?」

キョドリストになってしまったヲタミンをなだめつつ、シルティス箱との経緯を話し出した。

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「まず、私たちの世界はあなたが私に殺されてから4年がたったわ」

「は?」

「4年のあいだに、最初にバルトラをご主人が下した分とほかの3人を私が従えて人間側に付けたっていう出來事がちょこっとあったくらいで、他には特にないかしらね。

ただ、何故か私のところにオーバーライトが殘ってて、世界の本來行くべき姿が変わってしまったから手伝ってくれってあの神に頼まれたから、こうしてこの世界への扉をオーバーライトで開いてご主人に會いに來たってわけ」

「え、かなり大事じゃない?」

「ん、そう?」

なにそれ、俺いなくとも何とかなってね? と言いたくなったが、まぁ、その辺今更突っ込んでも仕方ないので放置だ、放置。

「そして今は、イリアとこちらの世界に転生してなんかいいナメクジになってたバルトラと一緒にこっちの世界で々とやってるわ。あちらの世界に戻るために」

「ほう……え?」

「バルトラ?」

俺と柳沼は素っ頓狂な聲を上げてしまった。どうしてバルトラが出てくる? クソザコナメクジ? え、なんでこっちきてんの? まじなんなん、クソ野郎まじなんなん。

「クソ野郎度合いは抜けているからあなたともまともに會話できるし大丈夫だ思うわよ」

「あ、そ、そう……」

若干話についていけてないがあるけれど、まぁ、狀況が狀況なのでその辺は黙認というかもう無視。何が起きてもおかしくない狀況なんですね、ちゃんちゃんで終わり。

「で、あのロリが來てるってことは、こっちの神とももうあったってことか? 流石にあいつでも、腐っても神だからな。それなりに立場ってもんがあるだろうから、地球の神のやつもそこまで無禮しないだろ?」

「それが一切出てくる気配がないから、、イリアは地球の神持ちの神クラスの人達に髪の居場所と名前を聞いて回ってるわ」

「え? あいつ會ったことあるんじゃないの?」

「最初に聞いた人と自分の話が食い違いすぎてたから、もしかしたら自分は今まで違う人と話していたんじゃないかって疑ってかかってるみたい」

「俺の知ってる地球の神は、片手に木箱を持ったショタ野郎だけどな」

未だに思い出すと吐き気がするあの景。今の外の様子とそっくりなのではないかとふと思った。

「実は、一部の話を聞くと、この世界にはかつて、神たちを欺いて殺して回った、神を持つ異端な巨人がいたとか。そいつが化けてたんじゃないかって言われてるわね」

「あー、心當たりがあるようなないような……」

ふと神話関連に考えを寄せるが、メジャーどころだったとしたら、こんなに條件を付けられたらそれに當てはまる神とやらは一しかいないだろう。

……いや、巨人・という點に目を瞑れば、実はもう一いると言えばいるのだけれども。

「それにしても、よくこんなことできたわね、ご主人。ダンジョンをこちらの世界に作り出すだなんて」

「ちょっとオーバーライトでチートした」

「あぁ、いつも通りね」

クスクスと笑うシルティスを見て、し安心をする。俺は憎まれて殺されたんじゃない。シルティスが俺を殺したのは助けるためだったのだと。

外の狀況が一刻の猶予もないという中、地球に突如現れたダンジョンの中で、かつて別の世界で理不盡に抗った者達が笑い合う、暖かな空間が出來上がっていた。

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