《Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜》第88話 報収集と……

「ちょ!? こら、コウモリ!」

現在、分裂したコウモリに群がられて、纏屬進化で生えた木の部分を摑まれて空中運搬されているところ。湖を飛び越え、上の方に見えている別の分かれ道へと向かっていく。おいこら、俺をどこへ持っていく気だ!?

<行値1と魔力値4消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発します> 行値 21/22(上限値使用:6): 魔力値 50/54

<行値を4消費して『水の作Lv5』を発します> 行値 17/22(上限値使用:6)

大人しく捕まってられるか。水球を生してコウモリにぶつけてやる。よし、狙いをつけてーー水球がコウモリに直撃……っておい、まだ俺はぶつけてないんだ……け……ど!?

凄い勢いで別の水球がコウモリ目掛けて飛んで來ている。攻撃の発生源は陸地を歩いているアンコウだ。その周囲に數個の水球が浮かんでいる。これ、俺を狙ってんのか、コウモリを狙ってんのか、どっちだよ?

そんな事を考えているに水球が一斉に放たれた。……ってやばい、直撃コースだ! 慌てて水を防壁にして防が間に合った。ふー危ない危ない。

流れ弾か、狙ったものかは分からないが俺を摑んでたコウモリは今の水球で殺られてた。そうなるともちろん摑まれてた俺は落ちる訳で、位置的にここは今は湖の真上。……おそらく海水。間違いなくアンコウに地の利があり過ぎる……。それにしてもコウモリとアンコウで俺の取り合いですか。そんなもの嬉しくないぞ!

あ、落下し始めたし、どうこう考えてる場合じゃない!? よし、急手段! 自分に向けて水球を全力で突撃! なに、自分の攻撃じゃダメージはけないから大丈夫だろ。

そして水球が自分に著弾。これは結構勢いあるな。あ、勢い余って壁にぶつかりそうだ。まぁHPある訳じゃ無いし大丈夫……じゃない!? そういや今はHPあるんだった!? ……この場合ダメージ判定どうなるんだ? 直接のダメージは無効だけど、このまま壁に激突だと多分俺の攻撃判定じゃないよな……? えぇい、その辺は後回しだ。ダメージをけるものとして行する! 今からでは水の作で水球の移は間に合わない、即座に水の作は破棄! 改めて作り直すほうが早い! とにかく間に合えー!

<行値1と魔力値4消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発します> 行値 16/22(上限値使用:6): 魔力値 46/54

<行値を4消費して『水の作Lv5』を発します> 行値 12/22(上限値使用:6)

壁の目の前に水の防壁を作り出そうとしたけど、ちょっと遅かった!? 防壁は間に合わず思いっきり壁に激突したよ。HPは減ってこそいないけどフラフラしてる……。くそっ、朦朧の狀態異常になるのは纏屬進化した影響か!? HPも減らずに急回避に使えはするけど、場所と威力を考えて使わなきゃ隙だらけになる。迂闊に使える手段じゃないな……。

HPが減らなかったという事は、俺の攻撃判定になってたのだろう。そうか、これでHP削れれば進化の為の死亡が楽勝になるもんな……。自発的な攻撃行為では死ねないのか。

朦朧狀態ではまともに作出來てるとは言えないけど、作解除まではされていないので適當に水球を飛ばしまくって、なんとか牽制して凌がないと……。コウモリもアンコウもまだいるからな。

なんとか牽制しきれて朦朧も回復した。さて、こいつらどうしてくれようか。コウモリは合と分裂を繰り返すみたいだし、アンコウは俺と似たような攻撃手段を持っている。あの水球ってもしかしたら海水? 以前クジラの人が海流の作とか覚えてたし、海水魔法とか海水の作とかもあるんだろうか……?

幸いな事に黒の暴走種同士は敵対する事もあるって事が分かった。その理由が俺を餌として狙ってるってのは笑えないけども……。このまま走り回って、コウモリをアンコウに仕留めさせて、その後にアンコウを仕留めるか……?

樹木魔法Lv3は一時的な俺の纏屬進化じゃ扱いきれる気がしないね。そもそもの木の大きさが全然違い過ぎる。これは本家の木のプレイヤーじゃないと多分本領は発揮しない。とりあえず、両方の相手を牽制出來る位置に移しよう。

……ん? 何かがに當たったぞ……? 元になんか黒いモノが広がっている? ……まさかとは思うけどさ、一応識別をしてみようか。

<行値を1消費して『識別Lv1』を発します> 行値 11/22(上限値使用:6)

『闇ゴケ』

種族:黒の暴走種

進化階位:・暴走種

・暴走種を発見しました>

・暴走種の初回発見報酬として、増強進化ポイント4、融合進化ポイント4、生存進化ポイント4獲得しました>

闇ゴケときましたか。他のコケに會ってみたいとは思ってたけど、それは黒の暴走種じゃなくて他のプレイヤーであってだね……? うわ!? 増してるのか! 群で退避を……って今は使えない!? くそ、纏屬進化は使い方次第で便利そうだとは思うけど、この窟の中じゃ悉く裏目に出てるな!

効果時間は勿無いけど、纏屬進化は解除だ。この質と數の敵を相手にするには、不慣れな狀態だと不利すぎる。

<纏屬進化を解除しました>

<『水陸コケ・纏樹』から『水陸コケ』へと戻りました>

<『腳移』『作』『樹木魔法』が使用不可になりました>

<『群化』『群』『群化解除』が再使用可能になりました>

<HPが群數へと置き換わります>

<『腳移』の発を解除したため、行値上限が元に戻ります> 行値 11/22 → 11/25(上限値使用:3)

時間切れを待たなくとも纏屬進化の解除は出來るようだ。腳移分の行値上限の減も解除されたな。流石にこの數のは1人では相手にしきれない。戦略的撤退だ!

<行値を1消費して『一発蕓・り』を発します> 行値 10/25(上限値使用:3)

一発蕓・りを使って一気に出しよう。思っていた以上にここの敵はヤバい。質はまだ何とかなりそうな気もするけど、なによりも數が問題だな。まぁ々分かった事もあるし、ここら辺が引き時だろう。

……あれ? 一発蕓・りはちゃんと発してるよな? なんで群化の指定が表示されない? ここに來た時にはないとはいえ、コケはあった筈なんだけど。例えばあの辺とか……。あ、闇ゴケによって群化済み……だと……!?

しまった、その可能を失念していた。これは纏屬進化を解除は失敗したか。あれならまだ走って逃げるって手段もあったもんな。再使用は……やっぱり駄目か。これは詰んだかな……?

◇ ◇ ◇

結果としては『帰還の実』を使って『群集拠點種』に初リスポーンになった。なのですぐに新しい『帰還の実』はエンから貰ってきたよ。これは良いものだね。ちなみに死んだら暗視の発は自で解除されていた。まぁ死んだのに発し続ける訳もないか。

あれから戦したものの3対1……コウモリが分裂する事も考えるともっと多い狀態では、なすはなく殺られましたさ。暗闇の中の闇ゴケとか、どこから何をしてるのかがさっぱり分からなかった。ただ気付けば群化したコケが弱っていってた……。なんか吸収系の攻撃でも持ってるのか……? あの闇ゴケは俺と違って魔法系の進化じゃなさそう。

とにかく、ある程度反撃は食らわせたけど1も倒せなくて死んだ。死亡時の生存進化ポイント5は貰えたし、発見報酬も結構貰ったから良しとするか。今日は死ぬ可能も初めから考慮してたからな。

「あ、ケイ? 元の群數に戻った後で全滅してたみたいだけど大丈夫かな?」

「あー死んだから、大丈夫とは言えないな。うん、ちょっとあそこは予想以上にヤバかった」

「えっ! そんなになの!?」

「とりあえず確認した黒の暴走種は『闇コウモリ』『源グモ』『燈アンコウ』『闇ゴケ』の4種類だな。ちなみに全部。あとなんかカサカサ音がしてたから蟲系もいるかもな」

「え……。あの窟ってクモがいるんだ……。私、ちょっと行きたくないかな……」

「そういやサヤはクモは苦手だったね」

「確かそんな事言ってたねー! ケイさんはヘビが苦手なんだっけ?」

「まぁな……。ハーレさんはゴキが苦手なんだっけ? あそこ、いる可能ありそうだぞ?」

「ギャー!? 私もサヤに賛! うん、あそこはやめとこう!」

苦手生フィルタがあるとはいえ、やっぱり苦手なものは苦手か。まぁ一度苦手生フィルタを通して見てもらった方が良いかもしれないな。案外フィルタの能良いから、結構マシにはなる。

「まぁ無理にとは言わないけど、一回だけでも苦手生フィルタを試してみたらどう?」

「……そういやそれがあったね。……でも試すにしてもあの真っ暗な窟の中じゃなくて明るいとこで試したいかな」

「うーそれもそうだね。うん、何処かで試してそれでも駄目そうなら避ける方向で行こうね!」

「まぁ、それが無難なところだな」

実際のところ、苦手生フィルタさえあればなんとか大丈夫な人もいれば、あっても駄目な人もいるだろう。こればっかりは実際に試してみるしかなさそうだな。とりあえず俺は苦手生フィルタがあればヘビはなんとか大丈夫な範囲だしな。この辺の許容範囲によって行ける場所の數が変わってくるだろうし、確認は重要だな。

「そういやヨッシさんはなんか苦手な生っている?」

「……えっと、いるにはいるんだけどね……?」

「ヨッシはね、大きな犬が苦手なんだよ!」

「あっ、ハーレ! 勝手に暴しないで!?」

「……オオカミとかは大丈夫だったのか?」

大きな犬が苦手だと言うなら、ベスタ辺りは苦手だった可能も……。そうか、人によっては犬が苦手とかいるからな。

「えっと、犬アレルギーがあるっていうのと、小さな頃に自分より大きな犬に潰された事があってどうも苦手意識があってね……? まぁゲームなら割と平気だから大丈夫」

「なるほど、アレルギーか」

それに自分より大きい犬に潰されたのなら苦手意識があっても仕方ないか。まぁプレイに支障がないのなら大丈夫かな。

「まぁ苦手な生抜きにしても、まだあそこはキツいな。行くなら他のエリアがいいと思う」

「その辺は明日アルさんも含めてみんなで相談かな?」

「そんなとこだろうね」

「どっこがいいかなー!?」

後は々と分かった調査結果をみんなに伝えてから、報共有板に顔を出そう。推測通りなら、最低でも他のエリアの拠點作を終わらせてもらわないと『常闇の窟』の真価を発揮出來ない可能もある。後は他にも調査に行けるように、行く為に必要そうな報の公開だな。あそこは群集全で攻略していくべき場所だと見た!

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